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子犬の夜鳴きが止まらない|理由の見分け方と、お迎え直後1〜2週間の寝かせ方・環境づくり

対象の目安: 子犬

カエデしつけ・散歩担当
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子犬の夜鳴きが止まらない|理由の見分け方と、お迎え直後1〜2週間の寝かせ方・環境づくり

待ちに待った子犬をお迎えして、初日の夜。電気を消してしばらくすると、サークルの中から「クーン、クーン」が始まる。そのうち声が大きくなって、朝方まで止まらない。翌日も、その次の日も。眠れないまま仕事に行き、隣近所の視線が気になって、かわいいはずの子犬に少しだけ苦しい気持ちを抱いてしまう——子犬の夜鳴きは、お迎え直後の飼い主がぶつかる悩みのなかでも、とくに消耗の大きいものです。

そして情報を探すと、「無視すべき」「無視してはいけない」という正反対のアドバイスが出てきて、どうすればいいのか分からなくなります。この記事では、その混乱をほどくところから始めます。結論を先に言えば、どちらも半分ずつ正しく、大事なのは順番です。体調・トイレ・暑さ寒さ・空腹といった正当な理由を先に外してから、はじめて「要求への応じ方」を考える。この順序を守るだけで、やることはかなりはっきりします。

この記事が扱う範囲

夜鳴きという言葉は、子犬とシニア犬でまったく別の現象を指しています。この記事が扱うのは、お迎えしたばかりの子犬が、環境の変化と不安から夜に鳴くケースです。

一方、これまで静かに眠っていた高齢の犬が夜中に鳴くようになった場合は、認知機能不全症候群(CDS)や、関節の痛み、視力聴力の低下、内分泌の病気など、まったく別の背景を考える必要があります。オダガワ動物病院の解説でも、夜間の鳴きの原因として、認知機能不全症候群のほか、関節炎や椎間板ヘルニアなどの痛み、心臓病や腎臓病といった病気が挙げられています。同じ解説には「日中は動いているうちに関節が温まり痛みを感じにくいのですが、夜間に横になって体が冷えてくると痛みが増すことがあります」という説明もあります。

シニア期の夜鳴きは、この記事の方法ではなく、別の記事で扱っています。

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メモ

子犬でも、これまで平気だったのに急に鳴き始めた場合や、日中の様子までいつもと違う場合は、環境やしつけの問題として扱う前に体の確認が先です。判断に迷ったら、かかりつけの動物病院に電話で相談してみてください。

夜鳴きは、わがままではなく自然な反応

まず知っておきたいのは、お迎え直後の子犬にとって、夜がどれほど大きな変化かということです。

日本では動物愛護管理法により、繁殖を行う犬猫等販売業者は、出生後56日(8週)を経過しない犬猫を販売のために引き渡すことができません。令和元年の改正で激変緩和措置の規定が削除され、環境省の資料によればこの部分は令和3年6月1日に施行されています。つまり、繁殖業者から引き渡される子犬は、少なくとも生後56日(約8週)までは母犬やきょうだいと一緒に過ごしてきたことになります(その後ペットショップなどを経由する場合は、家庭に来る直前はすでに母犬と離れていることもあります)。

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その子が、ある日突然、見たことのない家に来て、知らないにおいの部屋で、生まれて初めてひとりで夜を過ごす。英国の動物福祉団体Woodgreenの解説は、この状況を犬の側の言葉として、こう書いています。「すべてが新しくて知らないものばかり。きょうだいたちが体を寄せ合っていた、あのあたたかい山が恋しい。暗くて静かになると怖くなるけれど、あなたが来てやさしく声をかけてくれると、ひとりじゃないと分かる」。

英国の獣医慈善団体PDSAも、新しい子犬との最初の夜について「うそはつきません。新しい子犬との最初の夜(あるいは最初の数晩)は、少し大変なことがあります」と率直に書いたうえで、「きょうだいや母犬と一緒に寝ることに慣れているので、それがそばにいないのは本当に大きな変化で、最初は動揺することがあります」と説明しています。そして、夜に鳴いたり吠えたりすることは「新しい家と環境に適応していく過程で、まったく正常なこと」だとしています。

ヒント

「うちの子だけうまくいっていないのでは」と感じたら、この一文を思い出してください。夜鳴きは、しつけの失敗のサインではなく、環境が変わったことへのごく普通の反応です。うまくやれていないのではなく、まだ数日目、というだけのことがほとんどです。

いぬのきもちWEB MAGAZINE(いぬのきもち獣医師相談室監修)の解説も、子犬が夜鳴きをする主な原因は「寂しさ」だとして、犬は群れで暮らす習性があり、とくに子犬はきょうだい犬や母犬などに寄り添って眠ることで安心感を得るため、家に来たばかりの頃は環境の変化やひとりぼっちの寂しさ・不安からクーンクーンと鳴くことがある、と説明しています。

初日の夜、鳴き声を聞きながら「早く慣れてね」ではなく「ごめんね、こんなに変わっちゃって」と思ったら、少しだけ気持ちが楽になりました。こちらが焦っているのが伝わっていた気もします。
トイプードルを迎えたばかりの飼い主

夜鳴きの理由を7つに分けて考える

「なぜ鳴いているのか」を決めないまま対応を選ぶと、どの方法も中途半端になります。獣医師の入江悠氏が執筆したINUNAVIの解説では、子犬の夜鳴きの原因として、体調不良・トイレを我慢している・寝床の環境が悪い・空腹・ストレスや運動不足・寂しさや不安・かまってほしい、の7つが整理されています。この分け方は実用的なので、本記事でも同じ枠組みで見ていきます。

理由見分けの手がかりまずやること
体調不良下痢・嘔吐・食欲低下・元気がない・呼吸が苦しそう・特定の場所を触ると嫌がる動物病院に相談。夜間なら救急の窓口も検討
トイレ落ち着きなくうろうろする、床のにおいを嗅いで回る、鳴いてから排泄する就寝前と夜間のトイレの機会を確保する
寝床の不快暑がって伸びている・丸まって震える・排泄物で寝床が汚れている温度湿度と清潔さを整える。寝床の位置も見直す
空腹夜のごはんが早い時間、明け方に鳴きやすい最後の食事の時刻と回数を調整する
運動不足・退屈日中よく寝ていて夜に元気、家の中でそわそわしている日中の遊び・知育トイ・短い練習で満たす
寂しさ・不安姿が見えなくなると鳴き、そばに行くと落ち着く寝床を寝室へ。距離をゆっくり離していく
要求(学習)鳴くと必ず出してもらえた経験がある。声に張りがあり、要求が通ると止む応じる瞬間を「静かになったとき」に移す

ペテモ(イオンペット)の解説も、夜鳴きを「自宅で対処できるケース」と「病院受診が必要なケース」に分けたうえで、前者に生理的欲求の未充足・運動不足・居心地の悪さ・寂しさ・甘え・高齢による不安を、後者に分離不安・体調不良・高齢犬の痛みや認知症・原因不明の場合を挙げています。

原因の7分類は、獣医師の入江悠氏が執筆したINUNAVIの解説を参考にしました。受診が必要なケースとの切り分けはペテモ(イオンペット)の解説、寂しさが主な原因である点はいぬのきもちWEB MAGAZINE(いぬのきもち獣医師相談室監修)の解説を参照しています。

夜の記録を3日だけつけてみる

理由を見分けるいちばん確実な方法は、記録です。3日分でかまわないので、次の項目をスマートフォンのメモに残してみてください。

  • 鳴き始めた時刻と、続いた長さ(だいたいでよい)
  • そのとき何をしたか(声をかけた/出した/放っておいた)
  • そのあとどうなったか(止まった/激しくなった)
  • 排泄の有無と、最後の食事の時刻
  • 部屋の温度計の数字

3日分たまると、「毎晩ほぼ同じ時刻」「排泄のあとは静かになる」「明け方だけ鳴く」といったパターンが浮かび上がってきます。毎晩2時ごろに鳴くならトイレか空腹、電気を消した直後だけなら不安、というように、当たりがつけやすくなります。

メモ

記録は、動物病院に相談するときにもそのまま役立ちます。診察室では夜の様子を見せられないので、いつ・何分・どんな声で、というメモがあるだけで話が早く進みます。可能なら、短い動画を1本撮っておくとさらに伝わります。

「無視すべきか」問題を、順番で解く

ここが、いちばん情報が割れているところです。整理しておきましょう。

学習の仕組み:鳴いたら出してもらえた、が積み重なる

犬は、行動の直後に起きたことから学びます。鳴く -> 飼い主が来る -> サークルから出してもらえる、という流れが繰り返されると、「鳴けば出してもらえる」という関係が学習されます。いぬのきもちの解説にも、最初は寂しさから鳴いていた場合でも、飼い主がかまっていると「鳴けば来てくれる」と学習してしまう、という趣旨の説明があります。獣医師の箱崎加奈子氏が執筆したみんなのペットライフの解説でも、「鳴けば出してもらえる」と学習させないことの大切さが挙げられています。

Humane World for Animalsのクレートトレーニングの解説も、夜に鳴いたときはまずトイレの必要があるかどうかを見きわめるべきだとしたうえで、手順どおりに慣らしてきていれば「これまで鳴いたことでクレートから出されるという報酬を受け取っていない」はずだと述べています。

つまり、要求鳴きが強くなるかどうかを分けるのは、応じるかどうかではなく、応じるタイミングです。

ただし「完全無視」は推奨できない

なお、Humane World for AnimalsやテキサスA&M大学の解説は、段階的なクレートトレーニングを済ませた犬について「排泄の必要がないと判断できるなら、鳴きやむまで無視するのが最善」としています(Humane World for Animalsは同時に、鳴いたことを罰してはならないとも述べています)。ここから述べるのは、その手順を踏む前の、お迎え直後の子犬に限った話です。

そのうえで、「鳴いても一切無視」を機械的にすすめるのは危険です。理由は2つあります。

1つは、正当な訴えを見落とすからです。INUNAVIの解説は「無視や放置して効果があるのは、子犬がかまって欲しくて夜泣きをする場合のみです」と明記し、体調がすぐれない場合や何かを訴えて鳴いている場合には、無視や放置をしても改善しないとしています。

もう1つは、お迎え直後の子犬にとって、放置そのものが強いストレスになるからです。PDSAは「鳴いたり吠えたりするたびに注目してもらえると教えてしまうのでは、と心配する必要はありません。放っておくこと(たとえ落ち着いたように見えても)のほうが、はるかに大きなストレスを生むことがあります」と述べ、「子犬が怖がっているとき、慰めてあげることは助けになりますが、無視されることは孤立感を与え、いっそう怖がらせます」としています。Woodgreenも「鳴き声を無視しないことがとても大切です。無視はストレスを生み、落ち着くのをかえって難しくします」と書いています。

注意

「泣かせておけばそのうち慣れる」という考え方は、お迎え直後の子犬には当てはまりません。この時期は、要求鳴きを我慢させる段階ではなく、まず新しい家が安全な場所だと分かってもらう段階です。要求への線引きは、安心が土台にできてからで間に合います。

鳴き声が聞こえたときの判断手順

そこで、順番です。次の順に確認していけば、「無視すべきか」で迷う場面はかなり減ります。

  1. 1

    まず、体と安全を確認する

    静かに近づいて様子を見ます。ぐったりしている、体を丸めて震えている、下痢や嘔吐がある、どこかを気にして舐めている、呼吸が速い・苦しそう、といった様子がないか。首輪やタオルに絡まっていないか、寝床から落ちていないかも確認します。ここに当てはまるものがあれば、その日はしつけの話ではありません。動物病院に相談してください。
  2. 2

    トイレの機会をつくる

    生後間もない子犬は、夜のあいだ排泄を我慢しきれません。Woodgreenの解説では「鳴いたら落ち着いて子犬のところへ行き、トイレの機会をつくってあげてください」とされています。トイレへ誘導して、したらそっとほめ、すぐ寝床へ戻します。
  3. 3

    暑さ寒さと寝床の状態を見る

    体を伸ばして床にべったりなら暑い、丸まって震えているなら寒いサインのことがあります。寝床が排泄物で汚れていないかも確認します。みんなのペットライフの解説では、サークル内で排泄したあと、汚れた環境をリセットしてほしくて鳴くケースが挙げられています。
  4. 4

    空腹の可能性を考える

    同じ解説では「夜ごはんが早過ぎると、子犬は夜中にお腹がすいてしまうことも」と説明されています。明け方に集中して鳴くなら、最後の食事の時刻を後ろにずらすか、回数を分けることを検討します。ただし、その場で夜食を出すのは要求と結びつきやすいので、翌日以降のスケジュールで調整します。
  5. 5

    ここまで全部外れたら、静かに寄り添う

    Woodgreenは、トイレが必要でなければ「安心させてほしいだけかもしれません。クレートのそばに手を置く、そっとなでる。あなたの落ち着いた存在が、落ち着きを助けます」としています。声は低く短く、盛り上げない。出さない、遊ばない、電気をつけない。淡々と、そこにいるだけです。
  6. 6

    応じる瞬間を「静かになったとき」に寄せていく

    鳴いている最中に出す・遊ぶ・抱き上げるを繰り返さないようにします。数日たって落ち着いてきたら、鳴きやんで数秒たったタイミングでそっと声をかける、という形に少しずつ移していきます。

ヒント

1から4までを確認するのに、慣れれば1分もかかりません。この1分を先に挟むかどうかが、「必要な訴えを見落とさない」ことと「要求鳴きを育てない」ことを両立させる分かれ目になります。

寝かせ方と環境づくり

理由の切り分けと並んで大きいのが、寝る場所そのものです。ここは今夜から変えられます。

クレートやサークルは、まず寝室に置く

もっとも効果が出やすいのが置き場所です。Woodgreenは「少なくとも最初の数晩は、クレートをあなたのベッドのすぐ横に置いてください。あなたが近くにいることが、子犬の安心につながります」と、はっきり述べています。なお、PDSAがすすめているのはクレートの位置ではなく、「最初の数晩は子犬と同じ部屋で寝る」ことです。その理由は「誰もいないことにパニックを起こして目を覚まさないように」と説明されています。つまり、クレートを寝室に移す方法でも、飼い主のほうが子犬の寝床のある部屋で寝る方法でも、この条件は満たせます。

オダガワ動物病院の解説でも、ケージの設置場所は特に重要だとして、飼い主から完全に離れた場所にケージがあると孤独感や不安を感じやすいこと、逆に人の出入りが多い場所や窓の近くなど、音や光の刺激が多い場所も落ち着いて眠れないことが挙げられています。同じ解説では、寝室の近く、あるいは寝室の片隅にケージを置くことで、飼い主の存在を感じながら安心して眠れるとされています。

注意

PDSAは「寝る場所を決めましょう」として、将来的に別の部屋で寝かせるつもりなら最初からそうすべきだとも書いています。「子犬を寝室に置きながら、あとから別の部屋に移す計画がある場合、それは子犬にとって非常につらいことになりえます」。とはいえ、最初の数晩をひとりで乗り切らせるのも現実的ではありません。だからこそ、次に説明する「少しずつ離す」進め方が要になります。

少しずつ離していく

寝室からいきなり別室へ移すのではなく、距離を小刻みに広げていきます。Dogs Trustは、ひとりで眠れるようにする代表的な方法として次の2つを挙げています。

  • 子犬のベッドを寝室に置いて始め、数晩ごとに少しずつ遠ざけていき、最終的に本来寝かせたい場所まで移動する
  • 子犬のベッドは最初から本来の場所に置き、飼い主のほうがその近くで寝る。数晩ごとに飼い主の仮の寝床を遠ざけていき、最後は自分の部屋に戻る

Woodgreenの説明はもう少し具体的で、「まずベッドから30センチか60センチ程度動かすところから始め、子犬がうまくやれていれば翌晩はもう少し遠ざけます。苦しそうなら、その子が落ち着いていられる距離であと数晩とどまってから、また先へ進みます」としています。そして「この段階的なやり方が後戻りを防ぎます。子犬は、自分が対応できるペースで進むので、ゆっくり離れていくことに気づかないのです」と説明しています。

メモ

急がなくて大丈夫です。Woodgreenも「急がないでください。数週間かかることもあります。忍耐が鍵です」と書いています。3日で別室、といった目標を立てると、たいてい途中で崩れて振り出しに戻ります。

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寝床のつくり方

置き場所が決まったら、中身です。

  • 広さ:立って向きを変えられ、無理なく伏せられる程度。Woodgreenは、水のボウルを置ける広さは必要だが、広すぎると片隅で排泄して別の隅で寝るようになりやすいと注意しています。テキサスA&M大学獣医学部の解説も、クレートは「犬が立ち上がり、方向転換し、快適に伏せられる程度の大きさ」がよいとし、成長する子犬には仕切りの使用をすすめています
  • 寝具:やわらかいベッドや毛布。Woodgreenは「あなたや以前の家のにおいがする毛布」を加えることをすすめています。PDSAも、ブリーダーから母犬のにおいのついた毛布などを渡されることが多いとして、それを毎晩寝床に置くと落ち着きやすいと説明しています
  • におい:着古したTシャツを1枚入れておく方法は、Woodgreenが「今日できる3つのこと」の1つとして挙げています。飼い主のにおいがあると、姿が見えなくても安心しやすくなります
  • 暗さと静けさ:オダガワ動物病院の解説では、遮光カーテンを使って朝方の光で早く目覚めてしまうのを防ぐことが挙げられています。サークルに薄い布をかけて視界を落ち着かせる方法もあります
  • 音:生活音がまったくない部屋は、かえって外の物音が響きます。小さな音でラジオや空気清浄機の音を流しておくと、玄関や道路の音が目立ちにくくなります

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温度と湿度、そしてトイレの位置

寝床が暑すぎたり寒すぎたりすると、それだけで眠れません。犬が快適に過ごせる室温・湿度の目安は季節を問わず押さえておきたいところなので、詳しくは別記事にまとめています。子犬は体温調節が未熟なので、人の体感ではなく、犬のいる床の高さに温度計を置いて実測するのが確実です。

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トイレは、寝床と少し離した位置に置きます。犬にはもともと寝る場所を汚したくない習性があり、寝床とトイレが近すぎると、どちらも中途半端になりやすいためです。トイレトレーニングそのものの進め方は、次の記事にまとめています。

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今夜できる環境チェック

  • クレートやサークルを、寝室の飼い主のベッドのすぐ横に移した
  • 寝床に、飼い主のにおいのついたタオルか着古したTシャツを1枚入れた
  • ブリーダーや譲渡元からもらった、母きょうだいのにおいのする毛布があれば置いた
  • 床の高さに温度計を置いて、実際の室温と湿度を確認した
  • 寝床とトイレの位置を少し離した
  • 水がいつでも飲めるようにしてある
  • 寝床が排泄物で汚れていないか、寝る前に確認した
  • 遮光カーテンを閉めた、または朝日が直接当たらないようにした
  • 小さな音で生活音を流し、外の物音が目立たないようにした
  • 首輪やリード、毛布のほつれなど、絡まる危険がないか点検した
  • 家族全員で『鳴いても出さない、遊ばない、電気をつけない』を共有した
  • 夜中のトイレ担当を決めた(交代制にすると飼い主がつぶれない)

1日の組み立てを変える

夜のことは夜だけでは解決しません。日中の過ごし方が、そのまま夜に出ます。

日中:寝かせるべきときは寝かせる

子犬は非常に長く眠ります。日中の刺激が足りないと夜に持て余しますが、逆に「疲れさせれば眠るはず」と遊ばせすぎるのも逆効果です。Dogs Trustは、眠くなってきた子犬が突然すごい勢いで家じゅうを走り回ること(いわゆるzoomies)について、「急にエネルギーが余ったのだから運動が足りないのだと思いがちですが、実際にはただぐっすり眠りたいだけであることが多い」と指摘しています。

日中にほしいのは、長時間の激しい運動ではなく、短くて質のよい刺激です。

  • 短い遊びを、こまめに何度も(1回5分から10分程度)
  • おやつを詰めた知育トイやノーズワークで、頭を使う時間をつくる
  • 名前を呼んで来たらほめる、といった短い練習を1日に数回
  • ワクチンプログラムの進み具合に応じて、抱っこ散歩などから外の世界に慣らしていく

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Dogs Trustは「人間と同じで、子犬も1日じゅう活動していれば、夜はぐっすり眠れる可能性がずっと高くなります。昼寝をしていない時間は、散歩や遊び、短くて楽しいトレーニングで、頭と体を使わせてあげましょう」としています。

夕方以降:刺激を落としていく

夜の質を決めるのは、寝る直前ではなく、その2〜3時間前からの過ごし方です。Woodgreenの「落ち着いた就寝ルーティン」の説明は具体的です。

  • 毎晩ほぼ同じ時刻にルーティンを始める
  • 最後の食事は、就寝の少なくとも3時間前に済ませる
  • 遊ぶなら夕方の早い時間に。就寝が近づいてからの興奮する遊びは避ける
  • 就寝の30分ほど前から、声を落とし、照明を落とし、静かに過ごす時間をつくる
  • 寝る直前に最後のトイレへ。したら静かにほめる
  • 寝床に落ち着かせ、噛むおもちゃなどを渡し、静かに遊び始めたらそっと離れる

Dogs Trustも、夜のルーティンについて「毎晩同じような活動をしていれば、子犬は次に何が起きるかを学びます」と説明し、カーテンを閉めて余計な刺激を減らし、静かで落ち着いた活動にすることをすすめています。

ヒント

見落とされがちなのが、家族の帰宅時間です。夜9時に誰かが帰ってきて、そこから子犬が大興奮する家では、就寝ルーティンが毎晩リセットされてしまいます。しばらくのあいだは、帰宅したらまず静かに手を洗い、5分ほど落ち着いてから声をかける、といった取り決めがあると効きます。

フードの時間

INUNAVIの解説では、夜間にお腹が空きすぎないよう、寝る前にごはんを与えるなど食事時間を工夫することが挙げられています。Woodgreenは逆に、最後の食事を就寝の3時間以上前にすることをすすめています。矛盾しているようですが、目的が違うだけです。前者は空腹による目覚めを、後者は食後の排泄による目覚めを避けようとしています。

現実的な落としどころは、次のとおりです。

  • 明け方に鳴くなら空腹の可能性が高い。最後の食事を少し後ろにずらす、または1日の回数を1回増やして夜の分を確保する
  • 寝入って1〜2時間で鳴き、排泄を伴うなら、最後の食事と水を早めに切り上げて、就寝直前のトイレを徹底する
  • 食事の内容や回数を変えるときは、必ず数日かけて。急な変更はおなかをこわす原因になります

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夜中のトイレは、何回まで必要?

「夜中に起こされるのは、いつまで続くのか」。これはほとんどの飼い主が知りたいことだと思います。

Woodgreenは「生後12週未満の子犬は、夜のあいだ少なくとも1回はトイレの機会が必要になる可能性が高い」としています。さらに「幼い子犬は、身体的に一晩じゅう膀胱をもたせることができません。最初の2週間ほどは、夜に1回(場合によっては2回)起きる覚悟をしておいてください」と書かれています。PDSAも「子犬は体も膀胱も小さいのです。最初の数週間は、夜のあいだにトイレ休憩が必要になることがあります」としています。

目安として広く使われているのが、月齢に1を足した時間、という考え方です。米国獣医行動学専門医のWailani Sung獣医師がPetMDに書いた解説では、子犬が排泄を我慢できるおおよその時間は「月齢に1時間を足したもの」として計算でき、生後2か月なら最大でおよそ3時間、と説明されています。なお、テキサスA&M大学獣医学部の解説は、膀胱の保持時間ではなくクレートに入れておく時間の上限として「月齢1か月につき1時間」という、より短い目安を挙げています。いずれも経験則で、出典によって数字が異なる点は押さえておいてください。

月齢の目安我慢できるおおよその時間夜のトイレ
生後2か月3時間程度1回か2回は必要になりやすい
生後3か月4時間程度1回は必要なことが多い
生後4か月5時間程度不要になってくる子が増える

メモ

Woodgreenは「ほとんどの子犬は生後16週ごろまでに夜を通して眠るようになりますが、どの子も違います。大型の犬種のほうが小型の犬種より膀胱のコントロールが早く発達する傾向があります。時間がかかっても心配しないでください。大切なのは一貫性と忍耐です」と述べています。数字はあくまで目安で、個体差があります。

夜のトイレは「無言・無灯・無遊び」

夜中のトイレを、楽しい時間にしないことが大切です。Woodgreenは「夜間のトイレ休憩は事務的に。明かりをつけず、遊ばず、大げさにしない。まっすぐ連れて行き、済ませたら、まっすぐ寝床へ」としています。同じ解説では、目覚まし時計をセットして、子犬が起きて落ち着かなそうなら排泄の機会をつくる方法もすすめられています。先回りできれば、粗相を防げるだけでなく、「困って鳴く」こと自体を減らせます。

最初の週は夜中2時に目覚ましをかけて、無言でトイレに連れて行って戻す、を続けました。ほめるのもごく小さな声で。3週目には目覚ましが鳴る前まで寝るようになって、そこからは早かったです。
柴犬の子犬を迎えた飼い主

お迎え初日から2週間目以降まで:段階的な進め方

ここまでの要素を、時間軸に並べます。あくまで目安なので、その子の様子を見て前後させてください。

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    お迎え初日〜3日目:とにかく安心の確保に全振りする

    クレートやサークルは寝室、飼い主のベッドのすぐ横に。Woodgreenは「最初の1〜2晩は、クレートの横の床で寝ると落ち着きやすい子もいるので、可能なら検討してください」としています。この時期は要求と甘えの線引きをしません。鳴いたら体調・トイレ・温度・空腹を確認し、当てはまらなければ静かにそばにいる。夜中のトイレは1回か2回起きる前提で予定を組みます。日中は構いすぎず、寝かせたいときは寝かせます。粗相も夜鳴きも「数える」ものではなく「通過するもの」と考えてください。
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    4日目〜1週間目:リズムをつくり、静かなときにほめる

    就寝ルーティンを固定します。夕方に遊び、最後の食事を就寝の3時間前、就寝30分前から照明と声を落とし、寝る直前にトイレ。同じ順序を毎日繰り返します。この頃から、鳴きやんで静かにしている瞬間に、そっと声をかけたりおやつを1粒置いたりして「静かにしている時間」に価値をつけていきます。夜中のトイレは目覚ましで先回りする方式に切り替えると、鳴かれてから動く回数が減ります。日中は、クレートの中で短時間ひとりで過ごす練習も少しずつ始めます。
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    2週間目以降:距離を少しずつ離していく

    夜鳴きが落ち着いてきたら、寝床をベッドから30センチ、60センチと動かしていきます。うまくいけばもう少し、崩れたら数晩そこにとどまる。この繰り返しです。最終的な置き場所が別の部屋なら、寝室のドア付近 -> ドアの外 -> 廊下、という順で、数週間かけて進めます。夜のトイレも、月齢が進むにつれて1回にまとめられるようになってきます。焦って一気に離すと、ここまで積み上げたものが戻るので、いちばん我慢が必要な時期でもあります。
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    1か月目以降:落ち着かない場合は原因を見直す

    1か月たっても夜鳴きが変わらない、あるいは悪化している場合は、どこかで見落としがあります。体調面をもう一度動物病院で確認したうえで、日中の運動量・最後の食事の時刻・寝床の温度・要求への応じ方のどれかがずれていないか点検してください。INUNAVIの解説では、正しく対処すれば2〜3日でおさまることも多く、長くても2週間ほどで改善することが多いとされたうえで、それ以上たっても改善しない場合は分離不安や体調不良による要求吠えのことがあるので、一度獣医師に相談するようすすめられています。

注意

この進め方は「順調にいけば」の話です。ワクチン接種の翌日、来客のあった日、暑さの厳しい日など、条件が変わると簡単に戻ります。戻ったときは失敗ではなく、その日の条件が難しかっただけです。ひとつ前の段階に戻して、また積み直してください。

やってはいけない対応

睡眠不足が続くと、つい強い手段に手が伸びます。ここは踏みとどまりたいところです。

米国獣医動物行動学会(AVSAB)は2021年の「Humane Dog Training Position Statement」で、報酬ベースの方法を支持する立場を明確にしています。声明には「犬のトレーニングや行動修正において、嫌悪的なトレーニングが必要であるという証拠はない」「力、痛み、あるいは感情的・身体的な不快感を与えることに依存する嫌悪的な手法は、犬のトレーニングにも行動上の問題の治療にも用いるべきではない」と書かれています。避けるべき手法としては、痛みを伴う器具(チョークチェーン、プロングカラー、電気ショックカラー)、威嚇(霧吹き、音の出る缶、圧縮空気の缶、怒鳴る、にらむ、アルファロールのような力ずくの操作)、物理的な矯正(リードを強く引く、力で押さえる)、フラッディング(過剰な曝露)が具体的に挙げられています。副作用としては、不安や恐怖に由来する攻撃行動の増加、回避、学習性無力感が挙げられています。

同じ声明には、「飛びつき、吠え、トイレのしつけといったよくあるトレーニング上の課題は、環境を適切に整え、望ましい反応を強化することで対処できる」という一文もあります。この記事でここまで環境の話に紙幅を割いてきたのは、それが妥協ではなく、方法の中心にあるからです。

AVSABは2025年の理事会声明でも「AVSABは、どのような文脈においても、使用する道具や指導者の経験の程度にかかわらず、嫌悪刺激の使用を支持しない」という立場を示しています。

具体的に避けたい対応は次のとおりです。

  • 大声で叱る、怒鳴る:ペテモの解説は「『鳴いてはダメ!』と叱っても理解できません」としています。子犬にとっては「声をかけてもらえた」と受け取られることもあり、要求鳴きを強めることさえあります
  • 叩く、押さえつける、マズルをつかむ:信頼関係を損ないます。恐怖からの回避や攻撃につながるおそれもあります
  • 霧吹きや大きな音で驚かせる:AVSABが避けるべき手法として名指ししているものです。一時的に止まっても、寝床そのものが怖い場所になってしまいます
  • クレートやサークルを罰として使う:Humane World for Animalsは「クレートは犬にとって安全で快適な空間、安心してくつろげる場所であるべきです。罰として使うと、クレートに悪い連想が生まれ、不安や恐怖につながります」としています。テキサスA&M大学の解説も、クレートを罰に使わないよう明記しています
  • 鳴いている最中に出す、遊ぶ、抱き上げる:応じるなら静かになってから、が原則です
  • 逆に、体調やトイレを確認せずに放置する:必要な訴えを見落とします

罰的手法を避けるべきとする根拠は、米国獣医動物行動学会(AVSAB)の「Humane Dog Training Position Statement(2021)」および同学会のポジションステートメント一覧によります。クレートを罰に使わない点はHumane World for AnimalsとテキサスA&M大学獣医学部の解説、叱っても理解できないという説明はペテモ(イオンペット)の解説を参照しました。

動物病院に相談する目安

家庭の工夫でよくなることが多い一方で、医療の入口として扱うべき場面もあります。次のような様子があれば、しつけの話は後回しにして、まず動物病院に相談してください。

  • これまで鳴かなかったのに、急に夜鳴きが始まった
  • 日中もぐったりしている、遊ばない、名前を呼んでも反応が鈍い
  • 下痢や嘔吐がある、食欲がない、水を飲まない
  • 体のどこかを触ると嫌がる、特定の場所をずっと舐めている、足を引きずる
  • 呼吸が速い、苦しそう、舌や歯ぐきの色がいつもと違う
  • けいれん、ふらつき、意識がはっきりしない
  • 排泄の回数や量、色がいつもと明らかに違う
  • 1か月以上たっても夜鳴きがまったく変わらない、または悪化している
  • 飼い主が出かける気配だけで荒れる、日中の留守番でも同じように荒れる

小さい子犬では、体調の変化が短時間で進むことがあります。夜間の様子がおかしいときは、翌朝まで待つかどうかも含めて、夜間救急の窓口に電話で相談するという選択肢を持っておくと安心です。

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    記録と動画を用意する

    鳴き始めた時刻、続いた長さ、そのときの様子、食事と排泄の記録。短い動画があればなお伝わります。診察室では夜の姿を見せられないので、この準備が診断の助けになります。
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    まず体の確認から相談する

    「夜鳴きで困っている」よりも、「夜鳴きが続いていて、日中もこういう様子がある」と伝えると、体の確認から入ってもらいやすくなります。
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    必要に応じて行動診療につなぐ

    留守番中も同じように荒れる、飼い主が離れる気配で強く動揺する、といった様子があれば分離不安を考える必要があります。日本獣医動物行動学会は、行動診療を行う施設の地域別一覧を公開しています。かかりつけの動物病院から紹介してもらう形が一般的です。

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メモ

分離不安と、お迎え直後の夜鳴きは別のものです。前者は飼い主と離れること自体への強い不安で、留守番中にも同じ症状が出るのが特徴です。お迎えから数日の夜鳴きを、いきなり分離不安と決めつける必要はありません。ただし、数週間たっても離れることへの動揺が強いままなら、相談する価値があります。

ご近所への配慮と、飼い主自身のこと

集合住宅では、夜鳴きは飼い主だけの問題ではなくなります。環境省の「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」(平成22年2月)は、「犬や猫の鳴き声、臭い、ふんの放置は、多くの地域で近隣トラブルの元となっています。近隣に迷惑をかけないために、ふんの始末はもちろん、適切なしつけや防音対策などもしなくてはなりません」と述べています。同ガイドラインは、鳴き声などによる近隣への迷惑の防止のため、犬はできれば室内で飼うことをすすめてもいます。

現実的にできることは、次のあたりです。

  • 事前に一言伝えておく:「子犬を迎えたので、しばらく夜に鳴くかもしれません」と先に伝えておくだけで、受け取られ方はかなり変わります
  • 音が伝わる方向を減らす:寝床を隣家と接する壁から離す、厚手のカーテンや家具で音を吸わせる。ペテモの解説では、ケージへの防音カバー、窓の隙間テープと防音カーテン、壁への防音パネルといった方法が紹介されています
  • 窓を閉めて過ごす:夜間だけでも窓を閉めると、外に抜ける音がかなり減ります

そして、飼い主自身のことも忘れないでください。連日の睡眠不足は判断を鈍らせ、つい強い言葉や手が出る引き金にもなります。

  • 夜中の対応は家族で交代制にする
  • 週末に、どちらか一方が朝までしっかり眠れる日をつくる
  • 昼寝を後ろめたく思わない
  • つらいときは、ひとりで抱えずかかりつけの動物病院やトレーナーに相談する
3日目に心が折れかけて、上の階の方に謝りに行きました。そうしたら「うちも昔そうでしたよ」と言われて、それだけで気持ちが軽くなって。乗り切れたのはあの一言のおかげだと思っています。
マンションで暮らす飼い主

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夜鳴きが落ち着いたあとに残ること

夜鳴きの時期を、要求鳴きへの対応をひととおり練習する期間として使えると、そのあとが楽になります。この時期に身につく「静かにしていると、いいことがある」「鳴いても、要求は通らない」という関係は、そのままごはん前の要求吠えや、遊んでほしいときの吠えにも効いてきます。

吠え全般の理由の見分け方や、要求吠え・警戒吠えの向き合い方は、次の記事にまとめています。

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また、夜にひとりで眠れるようになる過程は、そのまま留守番の練習の土台にもなります。クレートやサークルが安心できる場所になっていれば、留守番の練習はずっとスムーズに進みます。

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よくある質問

子犬の夜鳴きは、何日くらいで落ち着きますか。
個体差が大きいのですが、獣医師の入江悠氏が執筆したINUNAVIの解説では、正しく対処すれば2〜3日でおさまることが多く、長くても2週間ほどで改善することが多いとされています。それ以上たっても改善しない場合は、分離不安や体調不良による要求吠えの可能性があるので、一度獣医師に相談するようすすめられています。なお、夜のトイレのために起きる必要がなくなる時期は別の話で、Woodgreenの解説では、ほとんどの子犬が生後16週ごろまでに夜を通して眠るようになるとされています。数字はあくまで目安なので、その子のペースを尊重してください。
別室で寝かせるべきですか。それとも寝室に入れたほうがいいですか。
お迎え直後は、寝室に入れることをすすめる資料が多数派です。Woodgreenは「少なくとも最初の数晩は、クレートをベッドのすぐ横に置いてください」としており、PDSAは飼い主のほうが最初の数晩を子犬と同じ部屋で寝ることをすすめています。ただしPDSAは「寝る場所を最初から決めてそこを守るべきで、寝室に置いてからあとで別室へ移すのは子犬にとって非常につらいことになりえる」とも書いています。矛盾ではなく、前提が違います。PDSAは「最終的な寝場所で最初から寝かせ、飼い主のほうがその部屋で寝る」方式、Woodgreenは「寝室から始めて数晩ごとに離していく」方式です。Dogs Trustはこの2つを並列に挙げています。将来的に別室で寝かせる予定がはっきりしているなら、飼い主のほうが移動する前者を選ぶと後戻りが少なくなります。寝室から始める場合は、ベッドから30センチ、60センチと数晩ごとに離していき、数週間かけて目的の場所まで進めてください。
鳴いても無視していいのでしょうか。
「かまってほしくて鳴いている」と確認できた場合に限れば、鳴いている最中に応じないという対応は有効です。ただし、それを判断する前に、体調不良・トイレ・暑さ寒さ・空腹という正当な理由を外す必要があります。INUNAVIの解説は「無視や放置して効果があるのは、子犬がかまって欲しくて夜泣きをする場合のみです」と明記しています。また、お迎え直後の時期については、PDSAが「放っておくこと(たとえ落ち着いたように見えても)のほうが、はるかに大きなストレスを生むことがあります」と注意しており、Woodgreenも鳴き声を無視しないことが大切だとしています。無視するかどうかではなく、応じる瞬間を「静かになったとき」に寄せていく、と考えるほうが実際に近いと思います。
一緒のベッドで寝てしまってもいいですか。
最初の数晩だけ、飼い主がクレートの横の床で寝るという方法はWoodgreenも紹介しています。一方でオダガワ動物病院の解説は、完全に同じベッドで寝ることは依存度を高める可能性があるため、適度な距離感を保つことが大切だとしています。将来的にどこで寝てほしいかを先に決めて、そこから逆算するのが現実的です。ずっと一緒のベッドで構わないなら問題は起きにくいですが、あとで別の場所に移す予定があるなら、最初から「同じ部屋の、自分の寝床」で始めておくほうが、あとが楽になります。
夜中にトイレのために起こされます。放っておいて粗相させたほうが早く覚えますか。
逆効果になりやすいので、おすすめしません。子犬は身体的に一晩じゅう膀胱をもたせることができず、Woodgreenも最初の2週間ほどは夜に1回(場合によっては2回)起きる覚悟をすすめています。粗相が重なると、寝床が汚れて眠れなくなり、そのこと自体が夜鳴きの原因になります。むしろ、目覚まし時計で先回りしてトイレの機会をつくるほうが、粗相も夜鳴きも減ります。夜のトイレは、明かりをつけず、遊ばず、大げさにせず、まっすぐ行って、まっすぐ戻る。これを徹底してください。
夜だけラジオやテレビをつけておくのは効果がありますか。
外の物音や玄関の気配が目立ちにくくなるという意味では、試す価値があります。ポイントは音量で、大きすぎると刺激になります。人の話し声が小さく聞こえる程度、あるいは空気清浄機の運転音くらいが目安です。ただし、これは補助的な工夫です。寝床の位置や温度、日中の過ごし方が整っていない状態で音だけ足しても、大きな変化は期待しにくいと思います。
きょうだい犬のにおいがついた毛布は、本当に効きますか。
PDSAは、ブリーダーが母犬のにおいのついた毛布などを渡してくれることが多いとして、それを毎晩寝床に置くと落ち着きやすいと説明しています。Woodgreenも、飼い主や以前の家のにおいがする毛布を寝床に加えることをすすめています。効果には個体差がありますが、費用がかからず、リスクもほとんどない工夫です。もらい忘れていた場合は、飼い主が着古したTシャツを1枚入れるところから始めてみてください。
仕事があるので、夜中に何度も起きるのが体力的にきついです。
率直に言って、最初の2週間は飼い主の睡眠がいちばん削られる時期です。だからこそ、対応を家族で分担することを最初に決めておいてください。夜中の担当を交代制にする、週末はどちらかが朝までしっかり眠れる日をつくる、昼寝を後ろめたく思わない。また、お迎えの日を長期休暇の初日に合わせられるなら、それだけで負担がかなり違います。すでに始まっている場合でも、夜のトイレを目覚ましで先回りする方式に切り替えると、鳴かれてから起きる回数が減り、睡眠の質は少し戻ります。
上の階や隣から苦情が来ないか不安です。
環境省の「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」も、鳴き声が近隣トラブルの元になりやすいことを指摘し、適切なしつけや防音対策の必要性に触れています。実務的には、先に一言伝えておくことがいちばん効きます。「子犬を迎えたので、落ち着くまでしばらく夜に鳴くかもしれません」と伝えておけば、受け取られ方が変わります。あわせて、寝床を隣家と接する壁から離す、厚手のカーテンを使う、夜は窓を閉める、といった対策も試してみてください。

まとめ

子犬の夜鳴きで迷ったら、順番に立ち返ってください。

まず、体調・トイレ・暑さ寒さ・空腹という正当な理由を外す。次に、寝床を寝室の飼い主のすぐそばに置き、においと温度と静けさを整える。そして日中は短くて質のよい刺激をこまめに与え、夕方以降は静かに落としていく。そのうえで、応じる瞬間を「鳴いている最中」から「静かになったとき」へ、少しずつ寄せていく。この4つが土台です。

Dogs Trustの言葉を借りれば、「どの子犬も違っていて、ひとりで眠れるようになるまでに必要な時間もそれぞれです。その子のペースで進めていけば、そう遠くないうちに、みんなでぐっすり眠れる夜が来ます」。

眠れない夜が続くと、それが永遠に続くように感じられます。けれど多くの家庭で、この時期は数日から数週間で通り過ぎていきます。もし1か月たっても変わらない、あるいは日中の様子まで気になるなら、それは頑張り方の問題ではなく、医療や専門家の力を借りるサインです。ひとりで抱え込まず、かかりつけの動物病院に相談してください。今夜の1時間の工夫が、明日の夜を少しだけ静かにしてくれます。

出典・参考

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