ワンレッジ
しつけ・問題行動

犬の無駄吠えの理由と向き合い方|吠えには必ず理由がある

対象の目安: 成犬

カエデしつけ・散歩担当
・ 約6分で読めます
犬の無駄吠えの理由と向き合い方|吠えには必ず理由がある

インターホンが鳴るたびに吠える、散歩中にほかの犬に吠えかかる、夜中に鳴きやまない。「無駄吠え」という言葉がありますが、犬にとって理由のない吠えはほとんどありません。吠えは犬の大切なコミュニケーション手段であり、そこには要求や警戒、不安といった気持ちが隠れています。この記事では、吠えの理由の見分け方と、叱らずに減らしていく向き合い方を紹介します。

吠えの理由を見分ける早見表

対応を考える前に、まず「どんな場面で、何に向かって吠えているか」を観察しましょう。理由によって、有効な対応は大きく変わります。

吠えのタイプよくある場面犬の気持ちの例
要求吠えごはん前、遊んでほしいときかまって、早くちょうだい
警戒吠えインターホン、来客、外の物音縄張りに何か来た、知らせなきゃ
不安・分離の吠え留守番中、飼い主が見えないとき不安、そばにいてほしい
興奮の吠え散歩中の犬や人、遊びの最中うれしい、遊びたい、落ち着かない

数日でよいので、「いつ・どこで・何に向かって」吠えたかをメモしてみると、パターンが見えてきます。

要求吠えへの向き合い方

「吠えたらごはんがもらえた」「吠えたらかまってもらえた」という経験を重ねると、犬は吠えることが有効な手段だと学習します。要求吠えへの基本は、吠えている間は要求に応えないことです。

  1. 1

    吠えている間は反応しない

    目を合わせず、声もかけず、要求にも応じません。
  2. 2

    静かになった瞬間に応える

    吠えやんで落ち着いたタイミングで、ごはんや遊びなどの要求に応えます。
  3. 3

    家族全員で一貫させる

    誰かひとりでも吠えに応じてしまうと、学習がやり直しになります。

メモ

対応を変えた直後は、一時的に吠えが激しくなることがあります。「もっと強く要求すれば通るかも」と試している段階なので、ここで折れずに続けられるかが分かれ目です。

警戒吠えへの向き合い方

インターホンや来客への吠えは、縄張りを守ろうとする自然な行動です。吠える対象への警戒心をやわらげることと、刺激そのものを減らす環境の工夫を組み合わせます。

  • インターホンの音を小さくする、通知音を変えるなど刺激を弱める
  • 窓の外が見えて吠える場合は、カーテンや目隠しで視界を区切る
  • インターホンが鳴ったらおやつが出る、など「よいことの合図」に置き換えていく
  • 来客時はハウスで待てるように、ふだんからハウスを安心できる場所にしておく
インターホンが鳴った瞬間に吠えが止まらなくなって、宅配便のたびに気が重い…という声はとても多いです。
来客のたびに困っている飼い主

一度身についた警戒吠えは、短期間ではなかなか変わりません。吠える前の「気づいた瞬間」に名前を呼んでこちらに注目させる練習を重ねるなど、小さな成功を積み上げていきましょう。

不安からくる吠えと退屈のサイン

留守番中や飼い主の姿が見えないときに吠え続ける場合は、不安が背景にあることが多く、叱っても解決しません。留守番の練習を短い時間から段階的に行い、ひとりで過ごせる経験を増やしていくのが基本です。

また、運動や刺激が足りていないと、余ったエネルギーが吠えに向かうことがあります。散歩の時間や遊びの内容を見直すだけで、吠えが落ち着くケースも少なくありません。

やってはいけない対応と受診の目安

大声で叱るのは、多くの場合逆効果です。犬にとっては「飼い主も一緒に吠えている」ように受け取られて興奮が増したり、叱られる恐怖から別の問題行動につながったりすることがあります。叩くなどの体罰は、信頼関係を損なうだけでなく、恐怖からの攻撃行動を招くおそれがあり、避けるべき対応です。

犬のしつけにおいて体罰を避けるべきことは、環境省の家庭動物の飼養・保管に関する基準やしつけに関する普及啓発資料でも示されています。

また、これまで吠えなかった子が急に吠えるようになった、夜鳴きが続く、触られるのを嫌がるようになったといった変化は、痛みや不調のサインである可能性もあります。特にシニア期の変化は、しつけの問題と決めつけず、動物病院で相談してください。

よくある質問

吠えたときに無視するのは、かわいそうではありませんか。
無視するのは要求吠えの間だけで、犬の存在を無視するわけではありません。静かになった瞬間にたっぷり応えてあげることで、『落ち着いているといいことがある』と伝える方法です。
吠え防止の首輪などのグッズは使ってもいいですか。
罰を与えるタイプのグッズは、恐怖や不安を強めて別の問題につながるおそれがあります。安易に頼らず、まず理由に合わせた対応を試し、困ったときはしつけの専門家や動物病院に相談することをおすすめします。
子犬のうちからできる予防はありますか。
子犬の時期にいろいろな人・音・環境に少しずつよい形で慣らしておく社会化が、将来の警戒吠えの予防につながると言われています。無理のない範囲で経験を広げてあげましょう。
集合住宅で苦情が心配です。すぐにできることはありますか。
窓やカーテンで外の刺激を減らす、留守番前に散歩でエネルギーを発散させる、といった環境の工夫は今日から始められます。改善に時間がかかりそうな場合は、早めに専門家へ相談するのも近道です。
急に吠えるようになったときは、しつけ直しが必要ですか。
急な変化は体調不良や痛みが隠れていることがあります。しつけの前に、まず動物病院で体の問題がないかを確認すると安心です。

まとめ

吠えを減らす近道は、吠えそのものを抑え込むことではなく、理由を見きわめて、その気持ちに合った対応を続けることです。要求吠えには一貫した対応を、警戒吠えには刺激の調整と慣らしを、不安の吠えには安心できる経験の積み重ねを。時間はかかりますが、犬との信頼関係を深めながら進められる方法でもあります。

あわせて読みたい

犬の留守番の練習と環境づくり|ひとりの時間を安心して過ごすために

あわせて読みたい

犬の散歩の基本|頻度・時間の目安と守りたいマナー

うまくいかない日があっても、その子なりのペースがあります。ひとりで抱え込まず、必要に応じて専門家の力も借りながら、少しずつ進めていきましょう。

この記事をシェア

関連する記事