犬のクレート・ケージ(ハウス)の選び方|タイプ別比較と使い分け(留守番・就寝・移動・防災)
対象の目安: 全ライフステージ

犬の「ハウス」と呼ばれる囲いには、クレート・ケージ・サークル・ソフトクレートなど、見た目も用途も少しずつ違うものがあります。留守番のため、夜に落ち着いて眠るため、動物病院や車での移動のため、そして災害時の避難のためと、目的によって向くタイプは変わります。この記事では、それぞれの違いと使い分けを整理したうえで、サイズ・素材・扉の安全性・掃除や移動のしやすさといった選び方の軸をタイプ別に比較し、ハウスに慣らすクレートトレーニングの要点までまとめます。
メモ
クレート・ケージ・サークル・ソフトクレートの違い
まずは名前が似ていて混同しやすい4つの囲いを整理します。ざっくり言うと、天井と床があって持ち運べる小さな箱が「クレート」、据え置きで広めの囲いが「ケージ・サークル」です。
| 種類 | 形の特徴 | 主な用途 | 持ち運び |
|---|---|---|---|
| クレート(ハード) | 天井・床のある箱型。プラスチックや樹脂製 | 就寝・移動・通院・防災 | しやすい |
| ソフトクレート | 布とフレームの箱型。折りたためる | 外出先・帰省・イベント | とてもしやすい |
| ケージ | 側面に加え床・天井がある柵 | 室内ハウス・長めの留守番 | しにくい |
| サークル | 側面の柵だけ(床・天井なし) | 室内の間仕切り・活動スペース | 組み替え可 |
- クレート: ケージやサークルより小さく、持ち運べる「犬の居場所」です。天井と床があって囲われているため、犬が巣穴のように落ち着きやすく、就寝場所や移動・通院・防災用として幅広く使えます。
- ソフトクレート: 布製で軽く、折りたためるタイプ。帰省や旅行先、ドッグイベントなど「持って行くハウス」として便利ですが、噛む力の強い子には向かないことがあります。
- ケージ: 側面だけでなく床と天井もある囲いで、飛び出しの心配が少なく、寝る場所とトイレを分けられる商品もあります。留守番など室内での利用が主な場合に使いやすいタイプです。
- サークル: 側面の柵だけで、床や天井がないタイプ。ジョイントで形を変えられるものもあり、部屋の間仕切りや活動スペースとしてレイアウトの自由度が高いのが特徴です。
各囲いの構造や用途の違いは、ペット用品メーカーや専門店の解説が共通して整理しているものです(GREEN DOG & CAT ほか)。家庭の間取りや犬の性格によって最適な組み合わせは変わります。
用途から考える組み合わせ
「どれか一つ」で決めるより、暮らしの場面ごとに向くものを組み合わせると失敗が減ります。代表的な使い分けは次のとおりです。
- 1
就寝・落ち着ける巣穴として
薄暗く囲まれたクレートは、多くの犬が安心して眠りやすい形です。寝室やリビングの静かな一角に置き、夜の定位置にします。 - 2
留守番・室内ハウスとして
日中の留守番で少し広さがほしいなら、ケージやサークルが使いやすいです。中にクレートを置いて「寝床+トイレ+水」をまとめる構成も定番です。 - 3
通院・車での移動として
車内では犬を自由にせず、クレートに入れて固定すると安全です。急ブレーキ時のケガや運転者の気が散るのを防げます。 - 4
防災・避難用として
避難所や車中泊では囲いが生活空間になります。日頃から使い慣れたクレートがあると、犬も人も負担が減ります。
注意
選び方の5つの軸
囲い選びで押さえたいポイントを5つに整理しました。用途を決めたうえで、優先順位をつけて選びましょう。
1. サイズ(いちばん大事)
サイズ選びは、大きすぎず小さすぎずが基本です。目安は「中で立って向きを変えられ、無理なく伏せられる」こと。具体的には、犬が立ったときの頭までの高さと、伏せたときの前足の先からおしりまでの長さを測って選びます。
- 移動・通院用: 動きすぎないよう、伏せの体長プラス数cm程度のコンパクトめが安定します。
- 室内ハウス用: 少しゆとりを持たせ、高さ・奥行きに数cm〜10cm程度足すと快適です。
大きすぎると、子犬では囲いの隅をトイレにしてしまい、しつけが進みにくくなることがあります。逆に小さすぎると体を丸められず落ち着けません。成長期の子犬は、最終的な体格を見込んでサイズを検討するか、買い替えを前提に考えます。
ヒント
2. 素材(プラスチック・ワイヤー・布)
素材によって、丈夫さ・掃除のしやすさ・持ち運びやすさが変わります。
| 素材 | 長所 | 短所 | 向く用途 |
|---|---|---|---|
| プラスチック(樹脂) | 囲まれて落ち着く。丈夫で洗いやすい。移動・飛行機対応 | かさばる。夏は通気に配慮が必要 | 就寝・移動・防災 |
| ワイヤー(金属) | 通気・視界が良い。折りたためる製品も。掃除しやすい | 囲まれ感が薄い。噛むと歯を傷める子も | 室内ハウス・留守番 |
| 布(ソフト) | 軽くて折りたため持ち運びやすい | 噛みちぎり・爪に弱い。丸洗いしにくい製品も | 外出先・帰省・イベント |
3. 扉とロックの安全性
扉は犬が自分で押し開けたり、勝手に閉じ込められたりしないことが大切です。しっかりかかるロック(できれば2点以上)、開けたときに扉が固定できる構造だと安心です。多頭飼いや脱走ぐせのある子は、ロックの頑丈さを重視しましょう。
4. 掃除のしやすさ
毎日使う場所だからこそ、清潔を保てるかは重要です。トレー(底面)が引き出せて丸洗いできる、床材が取り外せる、継ぎ目が少なく拭きやすい、といった構造だと手入れが楽です。
5. 移動・持ち運び・折りたたみ
通院や旅行、防災を想定するなら、持ち手・キャスターの有無、重さ、折りたためるかを確認します。上半分が外れて掃除やパピー時の出し入れがしやすい「上下分割式」のプラスチッククレートも扱いやすいタイプです。
飛行機で預けるなら「ハードクレート」
車や新幹線と違い、飛行機で犬を貨物として預ける場合は、クレートの条件が厳しく定められています。航空会社(ANA・JAL など)は国際的な基準(IATA)に沿って、おおむね次のような容器を求めています。
- 硬質プラスチックや強化繊維など、強度が高く水漏れしない素材であること
- 犬が中で自然に立ち、向きを変え、伏せられる大きさであること
- 複数方向に通気口があること
- 扉が不用意に開かないよう施錠できる構造であること
反対に、布製のソフトクレート、折りたたみ式、底以外が金網のバードケージ型などは受け付けられないのが一般的です。実際の可否・サイズ・数の制限は路線や機材で異なるため、利用前に必ず各航空会社の最新の案内を確認してください。
飛行機で預けるクレートの素材・通気・施錠などの要件は、ANA Cargo など航空会社が公開する規定に基づく一般的な整理です。会社・路線・時期により条件は変わるため、予約前に一次情報の確認をおすすめします。
タイプ別に選ぶ(商品例)
用途に合わせた代表的なタイプの商品例です。同じカテゴリでも体格対応やサイズが幅広いので、必ず愛犬の体高・体長に合うものを選んでください。
プラスチック製 犬用クレート(上下分割・移動対応)
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天井と床がある樹脂製で、囲まれた巣穴のように落ち着きやすい定番タイプ。就寝・通院・車移動・防災まで一つで幅広くこなせます。上下が外れる分割式だと掃除やパピー期の出し入れが楽です。飛行機で預ける予定があるなら、施錠と通気口のある強度の高いモデルを選んでください。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
折りたたみワイヤーケージ(仕切り板付き・室内ハウス)
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通気と見通しが良く、留守番や室内ハウスに向くワイヤータイプ。仕切り板で内側の広さを調整できる製品なら、子犬の成長に合わせて長く使えます。底トレーが引き出せると掃除も簡単。囲まれ感が薄い分、布をかけて落ち着ける暗がりを作る工夫と相性が良いです。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
ソフトクレート(布製・折りたたみ・持ち運び用)
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軽くて折りたため、帰省・旅行先・ドッグイベントなど「持って行くハウス」に便利な布製タイプ。設営が手早く、使わないときは薄くしまえます。噛む力が強い子や留守番中の破壊が心配な子には不向きなので、目の届く外出先での使用が安心です。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
ケージ・クレート用 給水器(ボトル・固定式)
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留守番や避難時に、囲いの中で水をこぼさず飲めるようにする固定式の給水ボトル。置き皿と違ってひっくり返しにくく、床が濡れにくいのが利点です。飲み口のタイプに好みがあるので、最初は普段の水皿と併用して、きちんと飲めているか確認してから切り替えてください。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
ハウスに慣らす(クレートトレーニングの要点)
囲いは、用意しただけでは犬の安心できる場所になりません。「入ると良いことがある」を積み重ねて、自分から入って休める状態を目指します。焦らず、その子のペースで進めましょう。
- 1
扉を開けたまま存在に慣らす
まずは扉を固定して開けっぱなしにし、近づく・中に入るだけでおやつや褒め言葉。中に好きな寝具やおもちゃを置いて「良い場所」にします。 - 2
中で食べる・くつろぐ
ごはんやフードを詰めた知育トイを中で与え、自分から入って過ごす時間を増やします。無理に押し込まないのがポイントです。 - 3
短時間だけ扉を閉める
落ち着いて入れるようになったら、数秒〜数十秒だけ扉を閉めて、静かにできたら開けて褒めます。少しずつ時間を延ばします。 - 4
離れる・移動に応用する
閉めても平気になったら、部屋を出る・持ち上げる・車に乗せるなど、留守番や移動の場面へ広げていきます。
ヒント
ハウス導入 チェックリスト
- 中で立って向きを変えられ、無理なく伏せられるサイズか
- 扉のロックがしっかりかかり、勝手に開閉しないか
- 底トレーが洗える・拭けるなど掃除しやすい構造か
- 用途に素材が合っているか(移動=プラスチック/室内=ワイヤー/持ち運び=布)
- 強く噛む子に布製を留守番で与えていないか(誤飲・破損に注意)
- 夏はクレート内の熱がこもらないよう通気と室温に配慮しているか
- 防災用に、日頃から入り慣れたクレートを用意しているか
防災の備えとしてのクレート
災害時は、飼い主が責任を持ってペットと一緒に避難する「同行避難」が原則とされています。環境省や自治体は、いざというときに備えて、日頃からキャリーバッグやケージ・クレートに入ることに慣れさせておくことをすすめています。避難所や車中泊では囲いが生活空間になり、周囲への配慮の面でも「クレートで落ち着いていられる」ことが大きな助けになります。
- 普段からハウスとして使い、入ることを「怖くないこと」にしておく
- 避難を想定し、持ち運びやすいサイズ・重さのクレートを一つ用意しておく
- 名札や連絡先、数日分のフード・水・薬などと合わせて備えておく
同行避難の考え方と、日頃からクレート・ケージに慣らしておく備えの重要性は、環境省「ペットの災害対策」や東京都保健医療局などの公的な情報で示されています。お住まいの自治体の避難ルールもあわせて確認してください。
よくある質問
クレートとケージ、どちらを買えばいいですか。
サイズはどう選べばいいですか。
飛行機に乗せるクレートは何でもいいですか。
成犬やシニアからでもクレートに慣れますか。
まとめ
犬のハウス選びは、まず「何のために使うか」を決めるところから始まります。就寝・通院・移動・防災には持ち運べるクレート、留守番や室内ハウスには広さのあるケージやサークル、外出先には軽い布製ソフトクレートと、場面に合わせて向くタイプが変わります。選ぶときは、中で立って向きを変えられるサイズを基本に、素材・扉の安全性・掃除のしやすさ・持ち運びやすさを見比べてください。
そして、囲いは用意して終わりではなく、「入ると良いことがある」を積み重ねて安心できる巣穴にすることが何より大切です。日頃から入り慣れたクレートは、通院や旅行を楽にするだけでなく、災害時の同行避難でも犬と人の支えになります。その子のペースに合わせて、無理なく取り入れていきましょう。
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