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犬に秋の味覚は与えていい?さつまいも・かぼちゃ・栗・柿・梨・さんま…OK食材の量と与え方、NG食材と注意点

対象の目安: 全ライフステージ

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犬に秋の味覚は与えていい?さつまいも・かぼちゃ・栗・柿・梨・さんま…OK食材の量と与え方、NG食材と注意点

焼き芋の甘い香り、ほくほくのかぼちゃ、栗ごはん、みずみずしい梨や柿、脂ののったさんま。秋は台所に「犬も食べられそうなもの」がいちばん増える季節です。足元でじっと見上げてくる顔を見ると、ひとくち分けてあげたくなりますよね。実際、さつまいもやかぼちゃ、栗、柿、梨、りんご、きのこ、白いごはん、さんまは、正しく下ごしらえして少量なら、多くの犬にとって与えてよい食材とされています。ただし「人と同じ形で、人と同じ量」は禁物です。皮や種を外す、加熱する、味付けをしない、そして1日のおやつはあくまで必要カロリーの1割まで。このルールを外れると、消化不良や肥満、ときには中毒や腸閉塞につながります。

この記事では、家庭で秋の食材を犬に分け与えるときの「与えていいもの・ダメなもの」「体重別の量の目安」「下ごしらえ」「与えた後に見るべき症状」「持病のある子の注意」を、獣医師監修の解説や動物病院のコラム、海外の獣医情報をもとに整理します。なお、ぶどう・玉ねぎ・チョコレートなど通年で危険な食べ物の一覧は食べてはいけない食べ物の記事、散歩中の銀杏・野生きのこ・どんぐりといった屋外の中毒は秋の散歩の中毒リスクの記事、市販おやつの選び方はおやつの記事に詳しくまとめているので、この記事は「台所の秋の味覚」に絞ってお話しします。

まず「量」の物差しを持つ: おやつは1日の必要カロリーの10%まで

秋の食材ひとつひとつの話に入る前に、共通の物差しをひとつだけ用意します。「おやつは1日に必要なカロリーのおよそ10%まで」という考え方です。獣医師監修の解説では、1日に与えてよいおやつ(副食)の量は、1日に必要なカロリーのおよそ10%までとされ、おやつを与えた分は主食のフードを減らして調整することがすすめられています。海外の獣医情報(PetMD)でも、さつまいもを含むおやつは1日のカロリーの10%以内にとどめ、残り90%は総合栄養食から摂るという同じ原則が示されています。

では、その10%はどのくらいの量なのでしょうか。獣医師監修の解説で示されている計算方法は、まず安静時エネルギー要求量(RER)を体重から求め、それにライフステージの係数を掛けて1日のエネルギー要求量(DER)を出すというものです。係数は避妊・去勢済みの成犬で1.6、未去勢の成犬で1.8、7歳以上の避妊・去勢済みのシニア犬で1.2などとされています。同解説の例では、体重5kgの避妊・去勢済みの成犬はRER234kcal×1.6=約374kcalが1日の必要量です。その10%は約37kcal。蒸したさつまいもが100gあたり131kcal程度とされるので、およそ28g、輪切りでいえば1枚半ほどに相当します。「ひとくち」のつもりで焼き芋を1/4本渡すと、小型犬にとっては1日のおやつ枠をあっさり超えてしまう、という感覚をまず持っておいてください。

メモ

この記事で紹介する「体重別の量の目安」は、出典ごとに前提(体格の区分、活動量、他のおやつの有無)が異なるため、同じ食材でも数値に幅があります。いずれも上限の目安であって「この量まで毎日与えてよい」という意味ではありません。他のおやつやトッピングを与えている日は、その分を差し引いて考えてください。

おやつは1日に必要なカロリーのおよそ10%までとし主食で調整する点、RER×ライフステージ係数によるDERの計算方法、係数の値、体重5kgの避妊・去勢済み成犬で約374kcalという計算例はワンクォールの獣医師監修記事、10%ルールと残り90%を総合栄養食から摂る原則はPetMD「Can Dogs Eat Sweet Potatoes?」、蒸したさつまいもが100gあたり131kcalである点はhottoの獣医師監修記事によります。

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秋の味覚 OK/NG早見表

先に全体像をつかんでおきましょう。詳しい与え方と量は、このあと食材ごとに説明します。

食材与えてよい?下ごしらえの要点特に気をつけたい点
さつまいも・焼き芋OK(少量)加熱、皮を外す、ひと口大、冷ます糖質とカロリー、食物繊維のとりすぎ、干し芋・大学芋はNG
かぼちゃOK(少量)加熱、種・ワタ・皮を外すカリウム(腎臓・心臓病)、カロリー
栗OK(ごく少量)やわらかくゆでる、鬼皮・渋皮を外す、刻む丸呑みによる腸閉塞、甘栗・甘露煮・栗きんとんはNG
柿OK(少量)熟した甘柿のみ、ヘタ・皮・種を外す渋柿・干し柿は避ける、糖分、カリウム
梨OK(少量)皮・芯・種を外す、小さく切る種のアミグダリン、水分のとりすぎで下痢
りんごOK(少量)種・芯を必ず外す、よく洗う種・芯・葉・茎のアミグダリン、糖分
食用きのこOK(少量)必ず加熱、細かく刻む生はNG(マッシュルーム以外)、胃腸の弱い犬・持病のある犬は慎重に(まつたけは高カリウム血症の犬に不可)、野生きのこは厳禁
新米・白いごはんOK(少量)炊いたものを人肌まで冷ます生米・炊き込みご飯・おにぎりはNG、糖質過多
さんまOK(少量)加熱、骨・内臓・頭を外す、塩なし塩焼き・生・鮮度の落ちたものはNG、脂質
ぶどう(巨峰・シャインマスカット)・レーズンNG-少量でも急性腎不全のおそれ
銀杏NG-メチルピリドキシンによるけいれん・意識障害
玉ねぎ・長ねぎ入りの料理(煮物・汁物・炊き込みご飯)NG-ネギ類は加熱しても危険
人向けに味付けした料理全般NG-塩分・糖分・油、香辛料

与えてよい秋の味覚と、量・下ごしらえ

さつまいも・焼き芋: 秋の定番、ただし「ひと口」の感覚を小さく

さつまいもは、犬に与えてよい食材として多くの獣医師監修の解説で紹介されています。ポイントは3つ。必ず加熱すること、皮を外すこと、ひと口大に切って冷ますことです。生のさつまいもは、犬が咀嚼せずに飲み込んで喉に詰まるおそれや、消化不良で下痢を起こすリスクが指摘されており、PetMDも生のさつまいもは噛みにくく消化しにくいため窒息や胃腸障害のリスクを高めると説明しています。皮は有毒ではありませんが、消化しにくく、窒息や腸閉塞のリスクを高める可能性があるとされ、日本の獣医師監修記事でも「消化しにくいので取り除くのがおすすめ」とされています。

焼き芋についても同様で、獣医師監修の解説では、犬にとって焼き芋の皮は消化に良くなく口当たりも悪いのでできるだけ取り除くこと、皮を食べさせたい場合は細かく刻むことがすすめられています。石焼き芋の皮は焦げて硬くなっている部分が多いので、そもそも皮ごと食べさせる理由はありません。焦げた皮は外し、中の黄色い部分だけを冷ましてから与えましょう。熱々のままは口やけどの原因になるため、人肌程度まで冷ますことも忘れずに。

量の目安は出典によって幅があります。ペット保険会社の獣医師確認済みの解説では、1日の目安として超小型犬(4kg未満)で約20g(輪切り1枚程度)、小型犬(10kg以下)で約40g(1/8本程度)、中型犬(25kg未満)で約100g(1/3本程度)、大型犬(25kg以上)で約150g(半分程度)とされています。焼き芋に絞った獣医師監修の解説では、超小型犬(4kg未満)で7〜17g、小型犬(10kg以下)で22〜40g、中型犬(25kg以下)で40〜80g、大型犬(25kg以上)は体重に応じて、30kgで90g程度・40kgで110g程度と、より控えめな数字です。焼き芋は水分が抜けて甘みとカロリーが凝縮している(焼き芋は100gあたり151kcal程度、蒸したさつまいもは131kcal程度)ことを考えると、焼き芋のときは少なめの数字を採用するのが安全だと思います。

さつまいもの注意点は「毒がないから安心」ではなく「糖質と食物繊維が多い」ことにあります。獣医師確認済みの解説では、さつまいもは高カロリーで糖質が多く含まれるため肥満や食べすぎに注意が必要で、食物繊維のとりすぎは消化不良の原因になりうるとされています。また、獣医師監修の別の解説では、さつまいもは100g中250mgのシュウ酸を含み、シュウ酸カルシウム結石の原因になる可能性があるため、尿路結石を経験したことのある犬には少量に限定すべきとされ、カリウムが多いため腎機能が低下している犬でも摂りすぎに注意が必要とされています。干し芋は100gあたり303kcal程度と焼き芋の約2倍のカロリーになるため、そして大学芋やスイートポテトは砂糖やバターが加わっているため、犬には向きません。

生のさつまいもが喉に詰まる・消化不良を起こすおそれ、皮を取り除くのがおすすめである点、シュウ酸250mg/100gと尿路結石経験のある犬への注意、カリウムと腎機能低下犬への注意、蒸したさつまいも131kcal/100gはhottoの獣医師監修記事(監修: 日本獣医生命科学大学名誉教授・左向敏紀氏)、生の窒息・胃腸障害リスクと皮の消化しにくさ・腸閉塞リスクはPetMD、焼き芋の皮を取り除く点・皮を与えるなら刻む点・焼き芋の体重別の目安・焼き芋151kcalと干し芋303kcal・大学芋等がNGな点はワンクォールの獣医師監修記事(監修: 明石むかい動物病院院長・向山徹氏)、体重別の目安(20g/40g/100g/150g)、糖質・カロリーと食物繊維の注意はPS保険の獣医師2名確認済みの解説によります。

かぼちゃ: 種・ワタ・皮は外し、やわらかく加熱

かぼちゃも、加熱してやわらかくしたものを少量なら与えてよいとされる食材です。獣医師確認済みの解説では、生のかぼちゃは硬く消化不良の原因になるため必ず加熱してやわらかくなったものを与えること、そして種と皮は与えることをおすすめしないとされています。種は有毒ではないものの犬にとって消化がとても悪く、胃腸の中で異物として残る場合があること、皮は大変硬いので与えるなら十分な加熱が必要なことが理由として挙げられています。別の獣医師監修記事でも、皮や種は硬く消化に悪いので与えないよう気をつけること、焼く・煮る・蒸すなどで必ず加熱し、粗熱を十分に取って常温〜40℃程度まで冷ましてから与えることがすすめられています。

量の目安は、獣医師確認済みの解説で超小型犬(4kg未満)で約25g(ひと切れ)、小型犬(10kg以下)で約50g(ふた切れ)、中型犬(25kg未満)で約75g、大型犬(25kg以上)で約100gまで。別の獣医師監修記事では、体重3kgで約25g、体重10kgで約60gとされ、いずれも1日の摂取カロリーの約10%に収める前提です。かぼちゃは100gあたり90〜91kcalとされ、さつまいもより低めですが、甘くて食べやすいぶん、ついたくさんあげがちな食材でもあります。

かぼちゃで特に覚えておきたいのがカリウムです。獣医師確認済みの解説ではかぼちゃに含まれるカリウム量が100gあたり400mgと紹介されており、別の獣医師監修記事では、シニア犬や腎疾患・心疾患を持つ犬は腎臓がカリウムをうまくろ過できず高カリウム血症を発症するリスクがあるとして注意が呼びかけられています。腎臓の数値を指摘されたことがある子には、分け与える前にかかりつけへ確認してください。

生のかぼちゃが消化不良の原因になる点、種と皮を与えることをおすすめしない理由(種は消化がとても悪く異物として残りうる、皮は大変硬い)、体重別の目安(25g/50g/75g/100g)、91kcal/100gとカリウム400mgはPS保険の獣医師2名確認済みの解説、皮や種が硬く消化に悪い点、加熱方法と常温〜40℃まで冷ますこと、体重3kgで約25g・10kgで約60gの目安、90kcal/100g、シニア犬や腎臓・心臓疾患の犬の高カリウム血症リスクはワンクォールの獣医師監修記事(監修: いすみ動物病院院長・田中芳生氏)によります。

栗: 中毒はしないが「丸呑み」と「皮」が危ない

栗は、獣医師確認済みの解説で、やわらかくゆでて細かく刻んだものを少しずつ与えることができる食材とされています。ただし、動物病院のコラムで秋の「危険な食材」として名前が挙がることもある食材です。理由は毒性ではなく、消化不良と丸呑みです。兵庫県の動物病院のコラムでは、栗は消化不良を引き起こしやすく、犬は丸呑みしてしまう子も多いため腸閉塞のリスクがあること、食べた後に食欲低下・嘔吐・下痢が見られることがあり、明らかにしんどそうにしている場合は腸閉塞の可能性もあるため早めに動物病院へ連れていくよう注意が呼びかけられています。

下ごしらえは3段階です。まず生の栗は硬く犬は消化できないとされるので、やわらかくゆでること。次に、外側の硬い鬼皮は犬の胃腸を傷つける可能性があり、内側の渋皮は消化が悪い(繊維質が多すぎる)とされるので、両方を完全に取り除くこと。最後に、細かく刻んで少しずつ与えることです。「栗ごはんの栗を1粒ぽん」は、小型犬にとっては丸呑みしやすい大きさなので避けてください。

量の目安は、獣医師確認済みの解説で、可食部20g程度の栗を1日あたり超小型犬(4kg未満)で1個、小型犬(10kg未満)で2個、中型犬(25kg未満)で3個、大型犬(25kg以上)で4個まで。別の獣医師監修記事では超小型犬(3kg)で約12g、小型犬(10kg)で約28gと、こちらもより控えめな数字です。栗は100gあたり約164kcalと、さつまいもよりさらにカロリーが高く、炭水化物のとりすぎは体内での脂肪蓄積を促し肥満につながるとされています。「小さい1粒」がすでに小型犬の上限だと考えておくとちょうどいいくらいです。

甘栗、栗の甘露煮、栗きんとん、栗羊羹、モンブランなどの加工品は、砂糖や油分が加わっているため犬には向きません。獣医師確認済みの解説でも、原材料が栗のみであれば加工食品でも与えられるが、人間用の加工食品や缶詰には犬には過剰な油分や糖分が含まれている場合があるため注意が必要とされています。また、栗はカリウムを含むため、腎臓病・心臓病のある犬は与える量について獣医師に相談することがすすめられています。

栗による消化不良と丸呑みによる腸閉塞のリスク、食欲低下・嘔吐・下痢、しんどそうなら早めに受診という点はココロよしざき動物病院のコラム、生の栗は硬く消化できない点、鬼皮が胃腸を傷つける可能性と渋皮の消化の悪さ、体重別の個数目安、164kcal/100gと炭水化物による脂肪蓄積、加工品の油分・糖分への注意、糖尿病・肥満・心臓病・腎臓病などがある場合の相談はPS保険の獣医師2名確認済みの解説、渋皮の繊維質が多すぎて消化に悪い点、3kgで約12g・10kgで約28gの目安、栗きんとん・栗羊羹が非推奨である点、カリウムと腎臓病・心臓病の犬の相談はワンクォールの獣医師監修記事(監修: Animal Life Partner代表・丸田香緒里氏)によります。

柿: 熟した甘柿を、ヘタ・皮・種を外して1〜2切れ

柿も、熟した甘柿であれば少量を与えてよいとされる果物です。獣医師監修の解説では、ヘタ・皮・種は固く消化されにくく、喉や消化管を傷つけたり詰まったりする可能性があるため必ず取り除くこと、未熟な青柿は避けて熟した甘柿のみを使うことがすすめられています。別の獣医師監修記事でも、種とヘタは喉に詰まる危険性が高いので必ず取り除くこと、皮は硬くて消化不良になりやすいので無理に与える必要はなく、与えるならよく洗ってからとされています。

量の目安として、獣医師監修の記事に分かりやすい計算例があります。体重4kgの小型犬で1日に必要なカロリーが317kcal、その1割と考えると30kcal。柿の1切れが約35gで20kcalなので、小型犬であれば1〜2切れほど、というものです。中・大型犬は体重に応じて調整しますが、いずれも「数切れ」の範囲にとどめます。柿は果糖が多くカロリーが高いうえ、消化があまり良くなく、食べすぎると下痢や便秘を引き起こすことがあると説明されています。

注意したいのは渋柿と干し柿です。渋柿は与えないでください。獣医師監修の解説では、渋柿には毒性の高いアルカロイド物質が通常の柿より多く含まれるとして、犬に与えるべきでない柿とされています。渋みの強い柿は便秘を招く可能性も指摘されています。干し柿は渋が抜けて甘くなっていますが、水分が24%まで減って100gあたり274kcalと、生の柿より大幅に(数倍)高カロリーになるとされ、種やヘタが残っている商品もあるため、犬に分け与える食材としては向きません。

食べすぎのリスクとして、人では柿の食べすぎで胃石ができる「柿胃石症」という病気があり、柿に含まれるタンニンが胃酸と反応して食物残渣を巻き込み石のような塊になると説明されています。獣医師監修の解説では、犬での確定診断例はまだないとしつつ、食べすぎへの注意として紹介されています。また、柿は100gあたり170mgのカリウムを含み、腎機能が落ちている犬ではカリウムを十分に尿中に排泄できず高カリウム血症になる可能性があるため注意が必要とされています。子犬はアレルギー反応を起こしやすいので成犬になってから、シニア犬で排泄に困難がある場合はごく少量に、という助言もあります。

ヘタ・皮・種が固く消化されにくく喉や消化管を傷つけたり詰まったりする可能性、熟した甘柿のみとする点、干し柿の水分24%と274kcal/100g、人の柿胃石症の説明と犬での確定診断例がまだない点、カリウム170mg/100gと腎機能低下犬の高カリウム血症の可能性はアニコム損保「犬との暮らし大百科」の獣医師監修記事(監修: 岸田絵里子氏)、体重4kgの小型犬の計算例(317kcal・30kcal・1切れ約35gで20kcal・1〜2切れ)、果糖とカロリー、消化の悪さと下痢・便秘、渋みの強い柿と便秘の可能性、干し柿が同重量で生の柿より大幅に高カロリーになる点、子犬・シニア犬への助言はワンクォールの獣医師監修記事(監修: 茂木千恵氏)によります。

梨・りんご: 種と芯は「必ず」外す

秋の果物の代表、梨とりんご。どちらも果肉は少量なら与えてよいとされますが、種・芯には注意が必要です。梨についての獣医師確認済みの解説では、皮や芯、種は取り除いて果肉だけを与えること、種にはアミグダリンという犬の健康に悪影響を及ぼす物質が含まれていること、未熟な梨にも含まれる可能性があるため熟した梨のみを使うことがすすめられています。りんごについては、種・芯・葉・茎に含まれるアミグダリンが犬の消化の過程で有毒なシアン化水素を発生させ中毒を引き起こす可能性があると獣医師確認済みの解説で説明されており、症状として食後3時間以内に呼吸困難・けいれん・嘔吐・下痢などが現れる可能性が挙げられています。舌が紫色になる、荒い呼吸、頻繁な嘔吐、意識障害は緊急性の高いサインとされ、家庭でできる対処法はないため、症状が出たら直ちに動物病院を受診するよう促されています。米国のAKC(アメリカンケネルクラブ)の解説も、りんごは種と芯を先に取り除くこと、梨は種にシアン化合物が微量に含まれるため芯と種を取り除き果肉を一口大に切ることを求めています。

一方で、怖がりすぎる必要もありません。獣医師執筆の解説では、種と芯は有害成分を含むため必ず取り除くとしたうえで、アミグダリンから生成されるシアン化水素は、粉にした種を何十個も食べなければ問題にはならないと補足されています。「うっかり種を1粒飲み込んだ」なら、あわてず様子を観察しつつ、心配なら動物病院に電話で相談する、という距離感でよいと思います。ただし、芯ごと丸呑みした場合は中毒より詰まりのほうが心配なので、その旨を伝えて受診の要否を相談してください。

量の目安は、梨について獣医師確認済みの解説で、超小型犬(4kg未満)で1/10個、小型犬(10kg以下)で1/5個、中型犬(25kg未満)で1/4個、大型犬(25kg以上)で1/3個まで。梨は水分が多く、とりすぎると下痢や腹痛につながる可能性があるとされ、小さく刻んで一気飲みによる消化不良を防ぐことがすすめられています。りんごは獣医師執筆の解説で「おやつとして与える場合は1日の最適カロリー量の10%以内」とされ、皮はよく洗ってから与えること、与えすぎは肥満や糖尿病の原因になること、カリウムが豊富なため腎臓が弱い犬は注意が必要なことが挙げられています。PetMDも、おやつ(果物を含む)は1日の食事の10%を超えないようにすべきだとしています。ジュースや缶詰、コンポートなど加工品は糖分が加わるため避けてください。

梨の皮・芯・種の除去、種のアミグダリン、未熟な梨への注意、体重別の目安(1/10・1/5・1/4・1/3個)、水分過剰による下痢・腹痛、小さく刻む点、副腎皮質機能亢進症・糖尿病・慢性腎臓病の犬は相談を要する点、加工品やジュースを避ける点はPS保険「犬が梨を食べても大丈夫」、りんごの種・芯・葉・茎のアミグダリンとシアン化水素、食後3時間以内の症状、緊急性の高いサイン、家庭でできる対処法はない点はPS保険「犬にとってりんごの危険な部位」、10%以内の目安、粉にした種を何十個も食べなければ問題にならない点、皮を洗う点、肥満や糖尿病・カリウムへの注意はペトコトの獣医師執筆記事、りんごの種と芯・梨の芯と種(シアン化合物を微量に含む)の除去はAKC、果物を含むおやつは1日の食事の10%を超えないようにすべきという点はPetMD「What Fruits Can Dogs Eat?」によります。

食用きのこ: 必ず加熱、細かく刻む。野生のきのこは別世界

しいたけ、しめじ、舞茸、えのき、エリンギ、まつたけ、きくらげ、マッシュルームなど、スーパーで売られている食用きのこは、獣医師監修の解説で犬に与えてよい種類として挙げられています。AKCも、店で買ったきのこは一般に安全としています。ただし条件があります。同解説では、マッシュルーム以外のきのこは生で食べると食中毒を起こすおそれがあるため必ずしっかり火を通すこと、食物繊維が多く消化トラブルを防ぐために細かく刻むこと、やけど防止のため十分に冷ますことがすすめられています。きのこはバターやしょうゆで調理することが多い食材ですが、犬の分は味付けなしで別に取り分けてください。

量の目安は、獣医師監修の解説で小型犬30g程度、中型犬50g程度、大型犬90g程度で、1日の摂取カロリーの約10%にとどめることが前提です。注意点として、子犬・老犬・消化器の弱い犬は消化不良を起こす可能性があるため慎重に、持病で胃腸が弱っている犬には与えないほうがよいとされています。また、まつたけはカリウムが豊富なため、高カリウム血症のある犬には与えないよう促されています。

そして大前提ですが、ここでいう「きのこ」は台所の食用きのこの話です。散歩道や庭に生えている野生のきのこは、獣医師監修の解説でも毒キノコの可能性があり絶対に危険とされています。屋外のきのこ・銀杏・どんぐりについては、秋の散歩の中毒リスクの記事を読んでみてください。

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秋の散歩に潜む中毒リスク|毒キノコ・彼岸花・銀杏・どんぐり…犬が口にすると危険な植物と木の実

与えてよいきのこの種類、マッシュルーム以外は生で食中毒のおそれがあり加熱が必須である点、細かく刻む・冷ます点、小型犬30g・中型犬50g・大型犬90g程度で10%にとどめる目安、子犬・老犬・消化器の弱い犬への慎重な対応、胃腸が弱っている犬に与えない点、まつたけと高カリウム血症の注意、野生のきのこの危険はワンクォールの獣医師監修記事(監修: chicoどうぶつ診療所所長・林美彩氏)、店で買ったきのこは一般に安全である点はAKCによります。

新米・白いごはん: 炊いたものを人肌に冷まして、ほんの少し

新米の季節、炊きたてのごはんを分けてあげたくなる方も多いはず。白米は、炊いたものであれば犬に与えてよいとされる食材です。獣医師監修の解説では、生のお米は消化不良の原因になるため必ず炊くこと、炊きたてのまま与えるとやけどのリスクがあるため人肌程度に冷ましてから与えることがすすめられています。

量の目安は、炊いたお米で超小型犬(1kg)13g、小型犬(3kg)30g、中型犬(10kg)76g、大型犬(30kg)170gとされています。「体重10kgでお茶碗半分もいかない」くらいの感覚です。白米は糖質を多く含むため、食べすぎるとカロリーオーバーになり肥満につながるとされ、特に糖尿病の犬では少量に制限する必要があるとされています。

秋の食卓で気をつけたいのは、味付きのごはんです。塩分を含む味付けごはんは肥満や高血圧を招くため避けるべきとされ、コンビニのおにぎりも同様にNGとされています。栗ごはん、きのこの炊き込みご飯、さんまの炊き込みご飯には、しょうゆ・塩・だしのほか、玉ねぎや長ねぎが入っていることもあります。犬に分けるなら、味付けをする前に白いごはんだけ取り分けておくのが安全です。玄米や雑穀米は食物繊維が豊富で消化が悪いため、胃腸が弱い犬には向かないとされています。

生米が消化不良の原因になる点、人肌程度に冷ます点、体重別の目安(13g/30g/76g/170g)、糖質とカロリーオーバー・肥満、糖尿病の犬では少量に制限する点、味付けごはんとおにぎりを避ける点、玄米・雑穀米が胃腸の弱い犬に非推奨である点は、ワンクォールの獣医師監修記事(監修: Animal Life Partner代表・丸田香緒里氏)によります。

さんま: 塩なしで加熱、骨と内臓は完全に外す

秋の魚の代表、さんま。獣医師監修の解説では、犬はさんまを食べても問題ないとされる一方で、必ず加熱調理をし、骨や内臓、頭などの部位は取り除き、身だけを適量与える必要があるとされています。人が食べる塩焼きをそのまま分けるのは避けてください。塩焼き・缶詰・油漬けはNGで、缶詰を使うなら無添加・食塩不使用の水煮缶のみ可とされています。

骨は誤飲の原因になるため完全に取り除くことが必須です。さんまは小骨が多いので、身をほぐしてから指で確かめるくらいの丁寧さが必要です。頭や内臓はリンや脂質が多く消化不良のリスクがあるとされています。生で与えることについては、アニサキス(寄生虫)による腹痛・嘔吐を防ぐために加熱するか、-20℃以下で24時間以上冷凍することが必要とされています。また、鮮度が落ちたさんまはヒスタミンが増えて嘔吐・下痢などの中毒症状の危険があるため、異臭や変色したものは与えないよう注意が呼びかけられています。

量の目安は、1日あたり体重5kg以下で10g程度、5〜10kgで20g程度、10〜15kgで30g程度、20kg以上で40〜50g程度。さんまはDHA・EPAなどのオメガ3脂肪酸を含み、皮膚・被毛の健康維持に役立つとされる一方、脂がのった魚でもあります。後述する膵炎の心配がある子には特に慎重に、初めて与えるときはごく少量から様子を見てください。

加熱・骨や内臓や頭の除去・身だけを適量、塩焼き・缶詰・油漬けがNGで食塩不使用の水煮缶のみ可である点、骨の完全除去、頭・内臓のリンと脂質、アニサキス対策(加熱または-20℃以下で24時間以上冷凍)、ヒスタミンによる中毒症状、体重別の目安、DHA・EPAの記述は、わんちゃんホンポの獣医師監修記事(監修: 獣医師・寺脇寛子氏)によります。

秋の食卓で「与えてはいけない」もの

与えてよい食材の話が続きましたが、同じ食卓には犬にとって危険なものも並びます。一覧的な解説は別記事に譲り、ここでは秋の食卓で特に起こりやすいものに絞ります。

危険

  • ぶどう・レーズン: 巨峰やシャインマスカットの季節です。AKCは、ぶどうとレーズンは犬種・性別・年齢を問わず犬に非常に有毒で、急性の腎不全を起こしうるとし、食べた場合は直ちに獣医師に連絡するよう求めています。動物病院のコラムでも、少量でも急性腎不全を引き起こす可能性があり、嘔吐・下痢・食欲不振、最悪の場合は命に関わるため、吐かせる治療や点滴が必要になることがあり、すぐに動物病院に連絡するよう呼びかけられています。皮をむいた果肉でも同じです。テーブルの上に房ごと置きっぱなしにしないでください。
  • 銀杏: 茶碗蒸しや炒り銀杏として食卓に上がります。獣医師監修の解説では、犬が銀杏を食べた場合、メチルピリドキシンによるけいれんや意識障害がみられる可能性があるとされています。散歩中の拾い食いだけでなく、殻をむいた銀杏が床に転がるのも危険です。
  • 玉ねぎ・長ねぎ入りの料理: 肉じゃが、きのこの炊き込みご飯、鍋物、さんまのつみれ汁など、秋の献立にはネギ類が入りがちです。ネギ類は加熱しても犬に危険で、貧血などを起こすことは食べてはいけない食べ物の記事で解説しています。「具だけ避ければよい」ではなく、煮汁ごと与えないでください。
  • 人向けに味付けした料理全般: 焼き芋の塩バター、かぼちゃの煮物、栗の甘露煮、さんまの塩焼き、味付きごはん。塩分・糖分・油分は、そのまま肥満や消化不良、持病の悪化につながります。犬の分は「味付け前に取り分ける」が鉄則です。

ぶどう・レーズンが犬種・性別・年齢を問わず非常に有毒で急性腎不全を起こしうる点と直ちに獣医師に連絡する点はAKC、少量でも急性腎不全の可能性と症状、吐かせる治療や点滴の必要性はココロよしざき動物病院のコラム、銀杏のメチルピリドキシンによるけいれん・意識障害の可能性はいぬのきもちWEB MAGAZINEの獣医師監修記事によります。

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下ごしらえの共通ルール

食材ごとの違いはありますが、やることはほぼ共通です。手順にまとめます。

  1. 1

    味付け前に、犬の分を取り分ける

    人の料理から「あとで少し分ける」のではなく、調理の途中、味付けをする前に犬の分を別の器に取り分けます。塩・しょうゆ・砂糖・バター・油・香辛料はすべて不要です。PetMDは、さつまいもにバター・油・塩・砂糖・香辛料を加えないこと、ナツメグのように大量では犬に有毒な香辛料があることにも触れています。
  2. 2

    皮・種・芯・ヘタ・骨・内臓を外す

    さつまいもと焼き芋の皮、かぼちゃの種・ワタ・皮、栗の鬼皮と渋皮、柿のヘタ・皮・種、梨とりんごの皮・芯・種、さんまの骨・内臓・頭。すべて外して、食べられる部分だけにします。硬い部分、消化しにくい部分、中毒成分を含む部分は、この段階でまとめて取り除きます。
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    加熱してやわらかくする(果物は生でOK)

    さつまいも・かぼちゃ・栗・きのこ・ごはん・さんまは必ず加熱します。蒸す・ゆでる・焼くのいずれでも構いませんが、油は使いません。柿・梨・りんごは加熱不要で、熟したものを生で与えます。
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    小さく切る・刻む、そして冷ます

    犬は丸呑みしがちなので、体格に合わせたひと口大、栗やきのこは細かく刻みます。熱い状態は口やけどの原因になるので、人肌〜常温まで冷ましてから。かぼちゃについては常温〜40℃程度まで冷ますことがすすめられています。
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    初めての食材は「ほんのひとかけら」から

    初めて与える食材は、体重別の目安量ではなく、ほんのひとかけらから始めます。獣医師監修の解説では、食べた後、当日〜2日後までに元気や食欲がなくなる、皮膚をかゆがるなどの症状がないか確認することがすすめられています。複数の新しい食材を同じ日に試すと、何が原因か分からなくなるので、1日1種類にしましょう。
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    与えた分だけ、主食を減らす

    おやつ枠(1日の必要カロリーの10%)を使ったら、その分の主食を減らして1日の総カロリーを保ちます。秋は食欲が戻る季節でもあるので、「フードは減らさずおやつだけ増える」状態が続くと、冬を迎えるころに体重が増えていた、ということになりがちです。
去年の秋、焼き芋を「ひとくちだけ」のつもりで毎日あげていたら、年末の健康診断で体重が500g増えていて驚きました。4kgの子の500gって、人でいえば7〜8kg増えたようなものだと聞いて反省。今は焼き芋の日はフードをひとつまみ減らして、輪切り1枚を小さくちぎって少しずつあげています。
ミニチュアダックスと暮らす飼い主

さつまいもにバター・油・塩・砂糖・香辛料を加えないこと、ナツメグが大量では有毒でありうる点はPetMD、かぼちゃを常温〜40℃程度まで冷ます点はワンクォールの獣医師監修記事、初回は少量から与え当日〜2日後までの元気・食欲・皮膚のかゆみを確認する点はPS保険「犬が栗を食べても大丈夫」によります。

持病や年齢によって「相性の悪い食材」がある

秋の味覚は「健康な成犬なら少量OK」が基本線ですが、持病のある子やライフステージによっては、そもそも避けたほうがよい組み合わせがあります。かかりつけの獣医師に「この食材を少し分けても大丈夫ですか」と聞いておくのがいちばん確実です。

腎臓病・心臓病: カリウムとリンに注意

さつまいも、かぼちゃ、栗、柿、りんごには、共通してカリウムが含まれます。獣医師監修の解説では、腎機能が落ちている犬ではカリウムを十分に尿中に排泄できず高カリウム血症になる可能性があること、シニア犬や腎臓・心臓の病気がある犬には高カリウム血症のリスクがあることが指摘されています。さんまの頭や内臓にはリンが多いとされ、こちらも腎臓に負担をかけうる要素です。腎臓の数値を指摘されたことのある子、心臓の薬を飲んでいる子は、自己判断で分け与えず、獣医師に食材と量を確認してください。

膵炎: 脂質の多い食べ物が引き金になることがある

VCA Animal Hospitalsの解説では、犬の膵炎の原因は多くの場合はっきりしないものの、脂肪の多い食事によって引き起こされる場合があるとされ、症状として吐き気・嘔吐・発熱・元気消失・腹痛・下痢・食欲低下が挙げられています。お腹を守るように前を低くお尻を上げる「祈りのポーズ」も特徴的なサインとされます。管理には低脂肪で消化しやすい食事がすすめられているので、膵炎の既往がある子には、脂ののったさんまや、バターやクリームを使った料理はもちろん、人の食卓の残り物全般を分けないのが安全です。

糖尿病・肥満: 糖質の多い秋の味覚は特に相性が悪い

さつまいも、栗、柿、梨、りんご、白いごはん。秋の味覚は糖質の多いものがそろっています。糖尿病の犬について獣医師監修の解説では、毎回同じ種類のフードを同じ量与え、食べ切ってもらうことが重要で、フードの変更は食後血糖値の変動を招き薬の効果に影響すること、おやつについても獣医師に相談すべきことが説明されています。PetMDも、さつまいもは比較的血糖値を上げにくい(低GI)とされるものの、糖尿病の犬には獣医師がすすめた場合にのみ与えるよう求めています。体重が気になる子では、そもそもおやつ枠を秋の味覚で使うより、フードそのものの適正量を見直すほうが先です。BCS(ボディコンディションスコア)の見方と減量の進め方は別記事にまとめています。

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犬の肥満・ダイエットと適正体重|BCS(ボディコンディションスコア)で愛犬の体型を見極める

尿路結石の経験がある子: さつまいものシュウ酸

獣医師監修の解説では、さつまいもは100g中250mgのシュウ酸を含み、シュウ酸カルシウム結石の原因になる可能性があるため、尿路結石を経験したことのある犬には少量に限定すべきとされています。焼き芋の解説でも、シュウ酸の観点から尿路結石の既往がある犬に、カリウム(高カリウム血症)の観点から腎臓病・心臓病の犬に、それぞれ与えないよう促されています。結石の既往がある子は、獣医師の療法食の指示を優先し、秋のいもは我慢してもらうのが無難です。

子犬とシニア犬

子犬は消化器が未発達で、アレルギー反応も起こしやすいとされます。柿については成犬になってから与えることがすすめられ、きのこについても子犬・老犬・消化器の弱い犬には慎重な対応が求められています。シニア犬は、腎臓や心臓の機能低下が隠れていることがあるうえ、排泄に困難がある場合は柿はごく少量にという助言もあります。どちらも「健康な成犬向けの目安量」をそのまま当てはめず、より少なく、より慎重に、が基本です。

腎機能低下犬の高カリウム血症はアニコム損保の獣医師監修記事、シニア犬や腎臓・心臓疾患の犬の高カリウム血症リスクはワンクォールのかぼちゃ記事、さんまの頭・内臓のリンはわんちゃんホンポの獣医師監修記事、膵炎が脂肪の多い食事で引き起こされる場合がある点・症状・低脂肪食による管理はVCA Animal Hospitals「Pancreatitis in Dogs」、糖尿病の犬の食事管理(同じフードを同じ量・おやつは獣医師に相談)はピースワンコ・ジャパンの獣医師監修記事、さつまいもの低GIと糖尿病犬には獣医師の推奨がある場合のみという点はPetMD、シュウ酸250mg/100gと尿路結石経験犬への注意はhottoの獣医師監修記事、焼き芋と腎臓病・心臓病・尿路結石の犬への注意はワンクォールの焼き芋記事、子犬は成犬になってから・シニアで排泄に困難がある場合はごく少量という柿の助言はワンクォールの柿記事、きのこの子犬・老犬への慎重な対応はワンクォールのきのこ記事によります。

与えた後に見るべき症状と、受診の目安

秋の味覚を分け与えたあとは、その日から数日、いつもより少し注意して様子を見てください。多くの場合、消化不良や食べすぎによる軽い下痢・軟便で済みますが、腸閉塞や中毒のように急いだほうがよいケースもあります。

秋の味覚を与えた後の観察ポイント

  • 嘔吐(回数・タイミング・吐いたものの中身)
  • 下痢・軟便・便秘、便に未消化の皮や種が混じっていないか
  • 食欲の低下、元気消失、ぐったりしている
  • お腹を触られるのを嫌がる、背中を丸める、前を低くしてお尻を上げる姿勢
  • 口の周りのかぶれ、皮膚のかゆみ、目の充血(アレルギーのサイン)
  • 飲水量やおしっこの変化(ぶどうを食べた可能性があるときは特に)
  • けいれん、ふらつき、呼吸の乱れ、舌の色の変化(銀杏・りんごの種など中毒が疑われるとき)

受診の目安としては、次のような状況では「様子見」をやめて動物病院に連絡してください。

  • 何度も吐く、吐き続ける、または吐こうとしても出ない
  • 便が出ない・少量ずつしか出ないのに嘔吐する(栗や柿の種・芯・皮の丸呑み後は特に。腸閉塞の可能性)
  • ぐったりしている、明らかにしんどそう
  • ぶどう・レーズン・銀杏・ネギ類を食べた可能性がある(症状がなくても連絡を)
  • けいれん、意識がはっきりしない、呼吸が荒い、舌が紫色になる(緊急)
  • 下痢や軟便が2〜3日以上続く、血便が混じる

動物病院のコラムでは、栗を食べた後に食欲低下・嘔吐・下痢が見られることがあり、明らかにしんどそうにしている場合は腸閉塞の可能性もあるため早めに受診するよう呼びかけられています。ぶどうについては、吐かせる治療や点滴などが必要となるため、すぐに動物病院に連絡することが求められています。りんごの種などによる中毒が疑われる場合も、家庭でできる対処法はなく、症状の変化があれば直ちに受診するようにとされています。いずれの場合も、家庭で無理に吐かせることはしないでください。電話の際は「何を・いつ・どれくらい」と、体重・年齢・持病を伝えると判断が早くなります。嘔吐の見分け方や受診の目安全般は別記事で詳しく解説しています。

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栗を食べた後の食欲低下・嘔吐・下痢と腸閉塞の可能性、ぶどうによる吐かせる治療や点滴の必要性とすぐの連絡はココロよしざき動物病院のコラム、りんごの危険部位による中毒の緊急サイン(舌の変色・荒い呼吸・頻繁な嘔吐・意識障害)と家庭でできる対処法がない点はPS保険の獣医師確認済みの解説、膵炎の「祈りのポーズ」はVCA Animal Hospitalsによります。チェックリストの観察項目は、これらの出典で挙げられている症状と、各食材の解説で示されているアレルギーのサイン(皮膚のかゆみ・目の充血・口周りのかぶれ・嘔吐・下痢)をもとに編集部で整理したものです。

よくある質問

さつまいもとかぼちゃ、どちらが犬向きですか。
どちらも加熱して皮や種を外し、少量なら与えてよいとされる食材です。カロリーは蒸したさつまいもが100gあたり131kcal程度、かぼちゃが90〜91kcal程度とされ、かぼちゃのほうがやや低めですが、かぼちゃはカリウムが100gあたり400mgと多く、腎臓や心臓の病気がある子には注意が必要とされています。さつまいもはシュウ酸を含むため尿路結石の経験がある子には少量に限定するよう促されています。健康な成犬なら「その子の持病と好み」で選び、どちらも1日の必要カロリーの10%以内に収めれば十分です。
焼き芋の皮を食べてしまいました。大丈夫でしょうか。
さつまいもの皮は有毒ではないとされる一方、消化しにくく、量や体格によっては窒息や腸閉塞のリスクを高める可能性があると説明されています。少量なら便に混じって出てくることが多いと考えられますが、嘔吐、食欲低下、便が出ない、お腹を痛がるなどの様子があれば動物病院に連絡してください。焦げた硬い皮を大きな塊で飲み込んだ場合は、その旨も伝えて受診の要否を相談しましょう。
栗ごはんの栗を1粒あげてもいいですか。
栗ごはんの栗は、しょうゆや塩で味付けされていることが多く、しかも1粒が小型犬にとっては丸呑みしやすい大きさです。動物病院のコラムでは、栗は消化不良を起こしやすく丸呑みによる腸閉塞のリスクがあるとされています。分けるなら、味付け前にゆでた栗を取り分け、鬼皮と渋皮を完全に外して細かく刻み、超小型犬なら可食部20g程度の栗1個までを目安に、少しずつ与えてください。栗ごはんそのものを分けるのはおすすめしません。
シャインマスカットを1粒落として、食べてしまったかもしれません。
ぶどうは、少量でも急性腎不全を引き起こす可能性があるとされ、犬種・性別・年齢を問わず危険とされている果物です。皮をむいていても同じです。「食べたかもしれない」段階でも、今は元気そうでも、すぐに動物病院に連絡して指示を仰いでください。摂取から時間がたつほど処置の選択肢が減るため、様子見はおすすめできません。
干し柿や干し芋は少しならいいですか。
どちらも「生のときの数倍のカロリー」が凝縮された食べ物です。干し柿は100gあたり274kcalで生の柿より大幅に(数倍)高カロリー、干し芋は100gあたり303kcal程度で焼き芋の約2倍とされています。ひとかけらでも小型犬のおやつ枠を超えやすく、干し柿には種やヘタが残っていることもあるため、犬に分け与える食材としては向きません。生の柿や蒸したさつまいもを、量を守って与えるほうが安全です。
さんまの塩焼きの身を、ほぐしてあげるのはダメですか。
塩焼きは塩分が身にしみ込んでいるため、獣医師監修の解説でも塩焼き・缶詰・油漬けはNGとされています。犬に分けるなら、塩をふる前に取り分けたさんまを別に加熱し、骨・内臓・頭を完全に外して身だけを与えてください。量の目安は体重5kg以下で1日10g程度です。膵炎の既往がある子は脂質の観点から避け、初めてのときはごく少量から様子を見ましょう。
シニア犬に秋の味覚を分けたいのですが、注意することは。
シニア犬は腎臓や心臓の機能低下が隠れていることがあり、カリウムを多く含むさつまいも・かぼちゃ・栗・柿・りんごは、獣医師監修の解説でも注意が呼びかけられています。また、シニア犬は必要カロリーの係数が成犬より小さく(7歳以上の避妊・去勢済みで1.2)、同じ「10%」でも量が少なくなります。排泄に困難がある場合は柿をごく少量にという助言もあります。健康診断の数値を確認したうえで、成犬向けの目安量よりさらに控えめに、かかりつけに相談してから分けてあげてください。

まとめ

秋の味覚は、犬と一緒に季節を楽しめる、うれしい食材が多い季節です。さつまいも、かぼちゃ、栗、柿、梨、りんご、食用きのこ、白いごはん、さんまは、「加熱(果物は不要)・皮や種を外す・味付けなし・少量」の4条件を守れば、多くの犬に分け与えてよいとされています。物差しは「1日に必要なカロリーの10%まで」。体重5kgの成犬なら約37kcal、焼き芋なら小さな輪切り1〜2枚、柿なら1〜2切れの世界です。

一方で、同じ食卓にはぶどう、銀杏、ネギ類入りの料理、そして味付け済みの人向け料理という、はっきりしたNGもあります。与えてよい食材でも、栗や柿の種・皮の丸呑みは腸閉塞につながりうるので、下ごしらえの手を抜かないこと。そして、腎臓・心臓・膵臓・血糖・結石に持病のある子、子犬とシニア犬には、健康な成犬向けの目安をそのまま当てはめず、かかりつけに相談してから分けてあげてください。

与えた後の数日は、嘔吐・下痢・食欲・元気・お腹の痛がり方を少し注意して見守り、気になることがあれば「様子見」ではなく電話を。秋の味覚を安全に分かち合えたら、犬にとっても飼い主にとっても、いい季節の思い出になるはずです。

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出典・参考

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