ワンレッジ
食事・ドッグフード

犬が食べてはいけない食べ物一覧|夏の誤食に注意・与えていい夏の食材(スイカ)も

対象の目安: 全ライフステージ

ツムギ食事・健康担当
・ 約11分で読めます
犬が食べてはいけない食べ物一覧|夏の誤食に注意・与えていい夏の食材(スイカ)も

夏は、BBQやお祭り、そうめんの薬味やアイスなど、犬にとって危険な食べ物が食卓に増える季節です。人が楽しそうに食べているものを欲しがったり、落ちた食べ物を素早く拾い食いしたりと、思わぬ誤食が起こりやすいタイミングでもあります。犬には、ぶどうや玉ねぎのように「ほんの少しでも危険とされる」食べ物がある一方で、スイカのように水分補給を兼ねて楽しめる夏の食材もあります。この記事では、犬が食べてはいけない代表的な食べ物と中毒症状、誤食してしまったときの対応、そして与えていい夏の食材の注意点までを、動物病院や獣医師監修の情報をもとに整理します。

まず知っておきたい:犬に危険な食べ物があるという前提

犬は人と体のつくりが違い、人には無害でも犬には中毒を起こす食べ物があります。中毒を起こす量は食材によって大きく異なり、犬の体格や年齢、体質(個体差)によっても変わります。「これくらいなら大丈夫」という自己判断は危険で、とくにぶどうやネギ類のように、少量でも重い症状につながることがあるとされる食べ物には注意が必要です。

夏はこうしたリスクが高まりやすい季節です。BBQでの肉や串、お祭りの屋台の食べ物、キッチンの生ゴミ、テーブルから落ちたお菓子など、犬の口に入りやすい場面が増えます。まずは「犬には食べてはいけない物がある」という前提を家族全員で共有し、届く場所に置かない工夫をしておくことが、いちばんの予防になります。

犬に中毒を起こす代表的な食べ物と、その量が食材・体格・個体差で異なることは、複数の動物病院・獣医師監修メディアで共通して解説されています(みんなのブリーダー/オダガワ動物病院/池田動物病院/姫路動物病院 ほか)。本記事の中毒量に関する数値は目安であり、確定した安全量を示すものではありません。

犬が食べてはいけない代表的な食べ物と中毒症状

まずは、とくに気をつけたい食べ物を一覧で見てみましょう。危険度や発症までの時間は出典によって幅があるため、あくまで目安として捉えてください。

食べ物主な原因・成分主な症状
ぶどう・レーズン原因物質は未解明嘔吐、下痢、急性腎不全につながることがある
ネギ類(玉ねぎ・長ねぎ・にら・にんにく)有機チオ硫酸化合物など赤血球が壊れ貧血、元気消失、血尿
チョコレート・ココアテオブロミン嘔吐、下痢、興奮、震え、不整脈
キシリトール(ガム・お菓子)キシリトール低血糖、嘔吐、ぐったり、肝障害
アボカドペルシンなど嘔吐、下痢(高脂質でもある)
マカダミアナッツ原因物質は未解明ふらつき、震え、元気消失、発熱
アルコールエタノールふらつき、嘔吐、意識障害
カフェイン(コーヒー・お茶・エナジー飲料)カフェイン興奮、心拍増加、嘔吐、震え

ぶどう・レーズン:少量でも急性腎不全のおそれ

ぶどうやレーズンは、犬に急性腎不全を引き起こす可能性がある食べ物として知られています。原因となる物質はまだはっきり解明されていませんが、少量でも命に関わることがあるとされ、危険度の高い食材のひとつです。摂取後、数時間から1日ほどで嘔吐などの症状が出ることがあります。レーズンはぶどうより水分が抜けて凝縮している分、注意が必要です。パンやお菓子に入っていることもあるので、原材料にも気を配りましょう。

ネギ類:加熱しても危険、赤血球を壊す

玉ねぎ・長ねぎ・にら・にんにくなどのネギ類には、犬の赤血球を壊して貧血を起こす成分が含まれます。加熱しても成分は失われないため、火を通したハンバーグや煮込み、玉ねぎの成分が溶け出したスープ・つゆなども危険です。夏はそうめんやそばの薬味、ガーリック風味の料理などで口にしてしまう機会が増えます。ネギ類は摂取から症状が出るまで1〜数日かかることもあるとされ、あとから元気消失や血尿として現れることがあります。

チョコレート・キシリトール:身近なお菓子に注意

チョコレートに含まれるテオブロミンは犬が代謝しにくく、嘔吐・下痢・興奮・震え・不整脈などの中毒症状を起こすことがあります。一般に、カカオ濃度が高いダークチョコやビターほど危険とされます。キシリトールは、シュガーレスのガムやお菓子、一部の歯みがき粉などに使われる甘味料で、犬では急な低血糖や肝障害を起こすことがあると報告されています。どちらも夏のおやつやお出かけ先で身近にあるものなので、置き場所に注意しましょう。

注意

ここで示した危険度や量はあくまで目安です。「少ししか食べていないから大丈夫」と自己判断せず、犬が上記のような食べ物を口にしたら、量が少なくても動物病院に相談してください。とくにぶどう・レーズン、ネギ類、チョコレート、キシリトールは、少量でも危険とされることがあります。

夏はとくに誤食が増える 気をつけたい場面

夏は生活のなかで危険な食べ物と犬の距離が近づきやすく、誤食のリスクが高まります。次のような場面では、とくに気をつけましょう。

  1. 1

    BBQ・屋外での食事

    焼いた肉や串、味付けに使う玉ねぎ・にんにく、串の落下、骨などが犬の口に入りやすい状況です。串や骨はのどや消化管を傷つける危険もあります。犬の居場所を食卓から離す、拾える場所に食べ物を置かない工夫を。
  2. 2

    お祭り・お出かけ先

    屋台の食べ物、地面に落ちた食べかす、チョコやガムなどを拾い食いしやすい環境です。人混みでは目が届きにくいので、リードを短めに持ち、地面のものを口にしないよう注意します。
  3. 3

    食卓からの落下物・おすそ分け

    家族がよかれと思って人の食べ物を分けてしまうことも。ネギ入りの料理やお菓子は「ひと口だけ」でも危険なことがあります。犬にあげてよい物・いけない物を家族で共有しておきましょう。
  4. 4

    生ゴミ・保管場所

    夏は生ゴミにネギやぶどうの皮、傷んだ食材などが混ざります。フタ付きのゴミ箱にする、届かない場所に置くなど、あさられない管理を。
庭でのBBQ中、少し目を離したすきに、落ちた玉ねぎ入りの肉を愛犬が食べてしまいました。あわてて動物病院に電話し、食べた時間と量を伝えて受診。以来、犬は室内で待たせて、食べ物は絶対に届かない場所に置くようにしています。
夏に誤食を経験した飼い主

誤食してしまったときの対応

犬が危険な食べ物を口にしたとわかったら、あわてて自分で吐かせようとしないことが大切です。塩や水、オキシドール(過酸化水素水)などを飲ませて無理に吐かせる方法がインターネットで紹介されていることがありますが、素人が行うと、かえって犬の状態を悪化させたり、吐いたものが気管に入る誤嚥(ごえん)などの危険があります。何を飲み込んだかによっては吐かせてはいけない場合もあります。

まずは落ち着いて、次の情報を整理して、できるだけ早く動物病院(時間外なら夜間救急)に電話で相談してください。

動物病院に伝えたいこと・持って行きたいもの

  • いつ食べたか(できるだけ具体的な時刻)
  • 何を食べたか(食材名・製品名)
  • どれくらい食べたか(量・個数のおおよそ)
  • 犬の体重・年齢・持病の有無
  • 嘔吐・震え・ぐったりなどの症状の有無
  • 食べ残し・パッケージ・原材料表示などの現物
  • 吐いたものがあれば、その現物や写真

危険

自己判断で吐かせない・様子見で放置しないのが原則です。塩・水・オキシドールなどで無理に吐かせるのは危険で、状態を悪化させることがあります。ぶどう・レーズン、ネギ類、チョコレート、キシリトール、アルコールなどは、症状が出ていなくても早い対応が重要とされます。まず動物病院に電話し、指示を仰いでください。

食べ残しやパッケージがあると、獣医師が「何をどれくらい食べたか」を判断しやすくなり、処置がスムーズになります。誤食は見た目より危険なことが多く、「様子を見よう」が手遅れにつながることもあります。迷ったら受診、を基本にしましょう。

与えていい夏の食材:スイカを例に

危険な食べ物がある一方で、犬に与えても大丈夫とされる夏の食材もあります。代表がスイカです。スイカは約9割が水分で、犬にとって毒性のある成分は含まれていないため、夏の水分補給やおやつとして少量を楽しめます。夏バテや暑さで水を飲む量が気になる時期に、水分をとるきっかけのひとつになります。

ただし、与え方にはいくつか注意点があります。

メモ

スイカを与えるときのポイント。1. 種は取り除く(誤って少量飲み込んでも小粒なら便に出ることが多いとされますが、消化に良くないため避けます)。2. 皮は与えない(消化に悪く、胃腸の負担や、まれに詰まりの原因になることがあります)。赤い果肉の部分だけにします。3. 少量・小さくカットして。糖分も含むので、おやつは1日の必要カロリーの1割程度までを目安に。4. 冷やしすぎたものを一度に大量に与えると、おなかを壊すことがあります。

初めて与えるときは、少量から始めて、下痢や嘔吐、体調の変化がないか様子を見てください。腎臓病などでカリウムや水分・糖分の制限がある子、持病のある子は、与える前にかかりつけの動物病院に相談すると安心です。スイカ以外にも与えてよいとされる食材はありますが、いずれも「主食はドッグフード、おやつは少量」を基本に、与えすぎないことが大切です。

あわせて読みたい

犬が夏にごはんを食べない|夏バテによる食欲不振の原因と家庭でできる工夫、受診の目安

よくある質問

ほんの少しだけなら、玉ねぎやぶどうを食べても大丈夫ですか。
少量でも危険とされるため、おすすめできません。ネギ類は加熱しても成分が残り、ぶどう・レーズンは少量で急性腎不全につながることがあると解説されています。中毒を起こす量は体格や個体差で異なるので、量が少なくても口にしたら動物病院に相談してください。
犬が誤食したとき、自分で吐かせてもいいですか。
自己判断で吐かせるのは危険です。塩・水・オキシドールなどで無理に吐かせると、状態が悪化したり、吐いたものが気管に入るおそれがあります。飲み込んだ物によっては吐かせてはいけない場合もあります。まず動物病院に電話し、指示に従ってください。
症状が出ていなければ様子を見て大丈夫ですか。
食材によっては、症状が出るまで時間がかかることがあります。ネギ類やアボカドは1〜数日後に症状が出ることもあるとされます。危険な食べ物を口にした心当たりがあれば、症状がなくても早めに動物病院へ相談するのが安心です。
スイカは犬にあげても平気ですか。
赤い果肉を少量なら、水分補給を兼ねて与えられるとされています。種と皮は消化に良くないため取り除き、糖分もあるので与えすぎないようにします。持病(腎臓病など)がある子は、与える前にかかりつけの動物病院に相談してください。

まとめ

犬にはぶどう・レーズン、ネギ類、チョコレート、キシリトール、アボカド、マカダミアナッツ、アルコール、カフェインなど、中毒を起こす危険な食べ物があります。中毒量は食材・体格・個体差で異なり、ぶどうやネギ類は少量でも危険とされるため、「少しだから大丈夫」とは考えないことが大切です。夏はBBQ・お祭り・食卓の落下物・生ゴミなどで誤食が増えるので、人の食べ物は犬が届かない場所で管理しましょう。

万一食べてしまったら、素人判断で吐かせず、いつ・何を・どれくらい食べたかと現物を控えて、すぐ動物病院に相談するのが基本です。一方で、スイカのように水分補給を兼ねて楽しめる夏の食材もあります。種・皮を避けて少量を与え、持病のある子は事前に相談を。危険を避けつつ、季節の楽しみも上手に取り入れて、愛犬と元気に夏を過ごしましょう。

出典・参考

この記事をシェア

関連する記事

食事・ドッグフード

犬が夏にごはんを食べない|夏バテによる食欲不振の原因と家庭でできる工夫、受診の目安

夏になると犬がごはんを食べない、というお悩みに食欲低下の面から答えます。犬が夏バテしやすい理由、見逃したくないサイン、涼しい環境づくりやふやかし・風味づけ・水分補給といった家庭でできる工夫、そして自己判断せず動物病院を受診すべき目安を整理しました。