犬が震える理由と対処法|寒さ・不安だけじゃない、病気のサインと受診の目安
対象の目安: 全ライフステージ

寒い朝にブルブル。動物病院の待合室でプルプル。夜、雷が鳴った途端に小刻みにカタカタ——。犬と暮らしていると、「震えている姿」には本当によく出会います。多くは寒さや緊張といった生理的な反応で、環境が整えば自然に治まるもの。でも一方で、震えは痛みや低血糖、中毒、神経の病気といった「体からのSOS」の最初のサインでもあります。
飼い主として難しいのは、「様子を見ていい震え」と「急いだほうがいい震え」の線引き、そしてもうひとつ、震えとよく混同される「けいれん発作」との区別です。この記事では、震えの原因を生理的なもの・心理的なもの・病気のサインの3つに整理し、それぞれの特徴(起こる状況・部位・持続時間)、家庭でできる対処、すぐ受診したい危険サインを順にまとめます。診断と治療は獣医師の役割です。ここでの情報は、落ち着いて観察し、必要なときに迷わず動物病院へ向かうための地図としてお読みください。
犬の震えは大きく3つに分けられる
ひとくちに「震え」といっても、背景はさまざまです。整理すると、おおよそ次の3つに分けられます。
- 生理的な震え:寒さで体温を上げようとする反応、加齢による筋力低下など、体の仕組みからくるもの
- 心理的な震え:恐怖・不安・緊張・興奮など、気持ちの動きからくるもの
- 病的な震え:痛み・低血糖・中毒・内臓や神経の病気など、治療が必要な問題からくるもの
1と2は、原因になっている状況(寒さ・怖い音・興奮する場面)がなくなれば治まるのが特徴です。3は、状況に関係なく続いたり、くり返したり、震え以外の症状を伴ったりします。つまり見るべきポイントは、「どんな状況で震えているか」「どのくらい続くか」「震え以外の様子はどうか」の3点。これを頭に置いて、まずは飼い主がいちばん不安になる「けいれん発作との違い」から確認しましょう。
まず知っておきたい:震えとけいれん発作の違い
震えを見て「もしかしてけいれん?」と不安になる方はとても多いです。両方とも「自分の意思と関係なく筋肉が動く」点は同じですが、体の中で起きていることは別で、緊急度も大きく違います。いちばんの手がかりは意識です。
| 見るポイント | 震え | けいれん発作 |
|---|---|---|
| 意識 | はっきりしている。呼びかけに反応し、目が合う | 失っていることが多い。呼びかけに反応しない |
| 体の動き | 小刻みで規則的なふるえ。歩く・お座りなど自分で動ける | 突然倒れて手足を突っ張る、泳ぐようにバタバタさせるなど激しい動き |
| 随伴症状 | 呼吸はおおむね普通 | 大量のよだれ、泡を吹く、失禁を伴うことがある |
| 治まったあと | すぐいつもどおり | ぼんやりする・ふらつくなどの状態がしばらく続くことがある |
震えでは意識がはっきりしていて自分で体を動かせるのに対し、けいれん発作では呼びかけに全く反応しない、目がうつろになるなど意識を失っていることが多く、四肢をピンと突っ張る動きや、横倒しになって手足を泳ぐようにばたつかせる動きが代表的とされます。発作のあとに、数時間からときに数日、動きがぎこちない・呆然としているといった状態が続くことがあるのも、震えとの違いです。
震えは意識がはっきりして呼びかけに反応するのに対し、けいれんは意識を失い呼びかけに反応できないことが多いという整理はオダガワ動物病院・八幡みなみ動物病院の解説、けいれんによだれや失禁を伴うことがある点はオダガワ動物病院の解説、四肢を突っ張る強直性けいれん・手足を泳ぐようにばたつかせる間代性けいれんという典型像は日本動物医療センター、発作後に数時間〜数日ぼんやりした状態が続くことがある点はアニコム損保「犬との暮らし大百科」の獣医師監修記事に基づきます。
けいれん発作が起きたときの対応
危険
けいれん発作が5分以上続く場合(発作重積)は、脳へのダメージにつながる緊急事態とされています。発作が続いているあいだに、夜間でもすぐ動物病院へ連絡してください。また、その日のうちに発作を何度もくり返す場合(群発発作)も治療が必要なことが多い状態です。20分以上続くと神経障害が起こり命に関わるとする解説もあります。
発作そのものは数分で治まることが多いのですが、目の前で愛犬が倒れてばたつく姿は、飼い主にとって非常にショックな光景です。事前に対応を知っておくだけで、いざというとき冷静さがまるで違います。
- 1
まず自分が深呼吸する
飼い主がパニックになると、状況の観察も病院への連絡も遅れます。ひと呼吸おいて冷静に。 - 2
周囲の安全を確保する
家具の角や階段など、ぶつかると危ない物から遠ざけるか、物のほうをどけます。頭を床に打ち付けるようなら、大判のタオルをそっと頭の近くに差し込みます。 - 3
口や体に手を出さない
発作中の犬は意識がなく、手を近づけると強く噛まれる危険があります。舌を出そうと口に手を入れる、抱きしめて動きを止める、といった対応はしないでください。発作を短くする効果はなく、けがのもとです。 - 4
時間を計り、動画を撮る
発作が始まった時刻と続いた時間を記録し、余裕があればスマートフォンで動画を撮ります。発作の様子の映像は、診断の大きな助けになります。 - 5
治まっても受診する
初めての発作なら、短時間で治まって元気そうに見えても、落ち着いてから動物病院を受診し、血液検査などで原因を調べてもらいましょう。すでに診断を受けていて発作止めの坐薬などを処方されている場合は、獣医師の指示に従って使用します。
発作重積(5分以上)での緊急受診、発作中にむやみに触らない・抱きしめない(噛まれる危険・発作は短くならない)、タオルによる頭部の保護、動画撮影と時間の記録、初回発作後のスクリーニング検査のすすめは、たかつきユア動物病院の獣医師監修記事に基づきます。けいれんが5分以上続く場合の即受診は八幡みなみ動物病院、20分以上で神経障害が起こり命に関わるという記述はアニコム損保の獣医師監修記事によります。処方済みの坐薬・点鼻薬は指示に従って使用するという点は日本動物医療センターの解説を参照しました。
生理的・心理的な震え:原因別の特徴
ここからは、日常でよく出会う震えを原因別に見ていきます。「どんな状況で・体のどこが・どのくらい」震えるかに注目すると、見分けの手がかりになります。
寒さ:全身が小刻みに、温めると治まる
もっとも身近な原因です。体温が下がると、脳から筋肉へ指令が出て全身の筋肉を小刻みに動かし、熱を作って体温を保とうとします。「シバリング」と呼ばれる正常な反応で、人が寒いときにガタガタ震えるのと同じ仕組みです。全身が細かく震え、体を温めると治まるのが特徴です。
チワワやトイ・プードルのような小型犬、被毛の短い犬種、子犬やシニア犬は体の熱を失いやすく、寒さの影響を受けやすいとされます。冬の散歩や朝晩の冷え込み、夏でも冷房の風が直接当たる場所では、震えて丸まっていないか気にかけてあげてください。
注意
不安・恐怖・ストレス:状況とセットで起こる
雷や花火、工事の音、動物病院やトリミングサロン、初めての場所、知らない人や犬——。恐怖や強い緊張を感じると、自律神経のバランスの変化によって震えが生じます。「特定の状況で始まり、その状況が終わると治まる」のが特徴で、震えのほかに、耳を伏せる・しっぽを巻き込む・ハアハアする・隠れようとするといったしぐさを伴うことが多いです。
この震えは病気ではありませんが、犬が強いストレスを感じているサインではあります。叱ったり無理に慣れさせようとしたりせず、安心できる逃げ場所(クレートや部屋の隅の落ち着けるスペース)を用意し、飼い主は普段どおり落ち着いてふるまうのが基本です。花火や雷への恐怖が強い子の具体的な対策は、次の記事で詳しくまとめています。
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興奮・うれしさ:楽しい場面での一時的な震え
飼い主の帰宅時、ごはんの前、散歩の準備中など、うれしくて気持ちが高ぶったときにプルプル震える犬もいます。気持ちが落ち着けば治まる一時的な反応で、心配のいらない震えです。また、過去に「震えたら抱っこしてもらえた・おやつをもらえた」といった経験から、飼い主の気を引くために震えるようになる子もいるとされます。震えるたびに大げさにかまうと定着しやすいので、思い当たる場合は反応の仕方を少し見直してみてもよいかもしれません。
加齢による筋力低下:後ろ足に出やすい、立っているときに目立つ
シニア期に入ると、筋肉量は少しずつ減っていきます。特に体を支えて前へ押し出す後ろ足の筋肉が落ちてくると、立っているときや排便で踏ん張るとき、立ち上がる瞬間に後ろ足がプルプルと震えやすくなります。休んでいるときには治まる、震えながらも本人は平気そうにしている、というのがこのタイプの特徴です。
緊急性は高くありませんが、「年のせい」と決めつける前に一度は診てもらいたいところです。関節の痛みや神経の病気でも似た様子が見られることがあり、加齢の震えかどうかの判断には診察が必要です。加齢によるものなら、無理のない範囲で散歩を続けて筋力を保つ、滑りにくい床にする、急な温度差を避けるといったケアが役立ちます。
寒さによる震えが熱を作るための正常な反応(シバリング)である点はPS保険・日本動物医療センターの解説、恐怖や緊張・ストレスで震えが生じる点と、うれしい経験から気を引くために震える犬がいる点はアニコム損保・PS保険の獣医師監修記事(自律神経のバランスの変化によって生じるという説明はアニコム損保)、加齢で筋肉が落ちて震えやすくなり排便時に目立つことがある点はPS保険、シニア犬の震えの背景に筋力低下・体温調節の難しさ・不安の増加があり、散歩の継続・温度差の調整・滑りにくい床が日常のケアになる点はGREEN DOG & CATの解説に基づきます。
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寝ているときのピクピクは多くが夢のなか
寝ている犬の足先やまぶた、口元がピクピク動くのは、レム睡眠中に脳が活発に活動し、体がそれに反応するためといわれています。子犬や高齢犬では動きが顕著に出やすいとされますが、多くは睡眠中の生理現象で、心配はいりません。苦しそうな様子がなければ、起こさずそっと見守ってあげてください。
ただし、震えが長時間続いて止まらない、呼びかけても応じないという場合は、睡眠中の正常な動きではなく発作などの可能性が出てきます。様子を動画に残して、早めに動物病院へ相談しましょう。
睡眠中のピクピクがレム睡眠中の脳の活動に体が反応したものとされる点、子犬と高齢犬で動きが出やすい点、長時間続く・呼びかけに応じない場合は受診を検討という点は、いぬのきもちWEB MAGAZINEの獣医師解説によります。
病気のサインとしての震え
ここからは受診が必要な震えです。共通するのは、「状況に関係なく続く・くり返す」「震え以外の症状を伴う」こと。当てはまるものがないか、落ち着いて全身を観察してください。
痛み:じっと動かない+震えの組み合わせに注意
犬は痛みを言葉にできないぶん、震えとして表に出ることがあります。強い吐き気があるとき、急性腹症のような強いお腹の痛みがあるとき、椎間板ヘルニアのような強い神経の痛みがあるときに、犬は震えることがあるとされます。震えのほかに、じっとして動きたがらない、背中を丸める、抱っこや体を触られるのを嫌がる、階段やソファの上り下りをためらう、食欲が落ちる、といった様子があれば、痛みのサインかもしれません。
椎間板ヘルニアは、初期には背中や腰の痛みだけが症状のことがあり、「なんとなく震えて元気がない」が最初のサインになる場合があります。ミニチュア・ダックスフンドなどの好発犬種では特に頭に置いておきたい病気です。痛みが疑われるときにむやみに触ったり抱き上げたりすると、防御反応で噛まれてしまうことがあります。移動はハードタイプのキャリーやクレートに自分から入ってもらう形が安全です。
強い吐き気・急性腹症のような腹痛・椎間板ヘルニアのような神経の痛みで犬が震えることがある点は日本動物医療センター、椎間板ヘルニアの初期(グレード1)では背中や腰の痛みだけが症状であること、痛みのある犬にむやみに触ると防御反応で噛まれるおそれがありハードタイプのキャリーでの受診が安全という点はPS保険の解説に基づきます。
低血糖:子犬は特に注意。ぐったり・ふらつきを伴う
血液中の糖分が足りなくなると、震え・ふらつき・元気消失が現れ、進行するとけいれんや昏睡に至ることがあります。特に子犬は、肝臓に蓄えられる糖が少なく血糖値を保つ力が未発達なため、食事の間隔があく・下痢や嘔吐が続く・寒さやストレスで消耗する、といったことで低血糖を起こしやすいとされます。半日ごはんを食べていない子犬がぐったりして震えている、という状況は要注意です。
成犬では、糖尿病治療中のインスリンが効きすぎた場合や、インスリノーマ(膵臓の腫瘍)、キシリトール中毒などが低血糖の原因になります。意識があれば糖分を口にさせる応急処置が案内されることがありますが、ぐったりして意識がはっきりしない状態で無理に飲ませると誤嚥の危険があります。かかりつけに電話して指示を仰ぎながら、すぐに受診してください。
子犬を迎えたばかりの時期は、食事の回数を十分に確保して空腹の時間を作らないことが、いちばんの予防になります。
子犬は肝臓のグリコーゲン貯蔵が少なく食事間隔があくと低血糖になりやすいこと、初期に元気消失・食欲低下・歩き方の異常が見られ進行すると低血糖性のけいれんや昏睡に至ること、意識がない状態で糖液を飲ませると誤嚥のリスクがあることはアニコム損保の獣医師監修記事、半日食事をとっていない子犬や消耗状態の犬が低血糖からけいれん発作を起こしうる点と歯ぐきへの糖の塗布でも誤嚥に注意が必要な点は日本動物医療センターの解説に基づきます。
中毒:誤食の心当たりがあれば様子を見ない
チョコレート、ぶどう・レーズン、ネギ類、キシリトール入りのガム、人の医薬品、ナメクジ駆除剤や殺虫剤・農薬など、犬にとって毒になるものを口にすると、震えやけいれんなどの神経症状が現れることがあります。
危険
「何かを食べたかもしれない」という心当たりと震えが重なったら、様子見は禁物です。食べたもののパッケージや残り、嘔吐物があれば持って、すぐに動物病院へ連絡してください。夜間でも救急対応の病院に相談を。自己判断で無理に吐かせようとするのは危険です。
危険な食べものの一覧と誤飲時の動き方は、こちらの記事で詳しくまとめています。
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内臓の病気:肝臓・腎臓のトラブルで毒素がたまる
肝臓や腎臓の働きが大きく落ちると、本来なら処理されるはずの毒素が体にたまり、脳に影響して震えやけいれんなどの神経症状につながることがあります(腎不全が進んだ場合の尿毒症、肝臓の障害による肝性脳症など)。この場合、震えの前から、食欲不振・嘔吐・飲水量やおしっこの変化・体重減少といったサインが出ていることが多いもの。「最近調子が悪かった犬が震え始めた」ときは、早めの受診と血液検査が必要です。
神経の病気:てんかん・脳炎・特発性振戦症候群など
てんかんや脳炎、脳腫瘍、水頭症といった脳・神経の病気では、けいれん発作のほか、その前触れや部分発作として震えのような動きが見られることがあります。手足の一部だけがピクピクする、口をくちゃくちゃさせる、といった小さな発作もあります。
また、突然頭部を中心に全身が震え出す「特発性振戦症候群」という病気も知られています。何かをしようとすると震えが強くなる(企図振戦)のが特徴的で、かつてはマルチーズなど白い小型犬に多いとされましたが、現在ではあらゆる毛色・犬種で起こることが知られています。免疫の異常が関わると考えられており、ステロイドによる治療への反応は良好で、予後も良いことが多いとされます。「急に今までにない激しい震えが始まった」ときに、飼い主が名前だけでも知っておくと慌てずにすむ病気です。
てんかん・脳炎・脳腫瘍・水頭症などの脳の障害でけいれんの前兆として震えることがある点はPS保険、焦点性発作で手足の部分的な震えや口をくちゃくちゃする動きが見られる点、腎不全による尿毒症や肝性脳症で震えが生じうる点はアニコム損保の獣医師監修記事、特発性振戦症候群の症状(頭部を主体とする全身の震え・企図振戦)、あらゆる毛色と犬種で発生すること、ステロイド治療への反応と予後が良好なことが多い点は、あおきじま動物病院の解説に基づきます。
発熱・体調不良
感染症などで熱が上がるときにも、体が熱を作ろうとして震えが出ることがあります。震えと同時に、体が熱い・元気食欲がない・ぐったりしているといった様子があれば、体温計があれば測り(犬の平熱は38℃台とされます)、早めに受診しましょう。
すぐ受診したいサイン・様子を見てよい目安
日数を待たずに動物病院へ
早めに動物病院へ連絡したいサイン
- 震えが長時間続く、または何度もくり返す。初めて見る震え方をしている
- 呼びかけに反応しない、倒れて手足をばたつかせる(けいれん発作の可能性。5分以上続くならただちに)
- ぐったりして元気がない、食欲がない
- 嘔吐や下痢、ふらつき、呼吸の乱れを伴う
- じっと動かない・触られるのを嫌がるなど、痛みのサインを伴う
- チョコレート・ぶどう・キシリトール・薬品など誤食の心当たりがある
- 温めても震えが止まらず、体が冷たい・反応が鈍い
- 半日以上食べていない子犬が震えている・ぐったりしている
- 子犬・シニア犬・持病のある犬(特に糖尿病でインスリン治療中)の震え
「震えがしばらく続く・初めて見る震え方」「元気がない・食事をとらない」「嘔吐や下痢・ふらつきなど他の症状」「中毒が疑われる物質の摂取」を受診の目安とする整理は茶屋ヶ坂動物病院、下痢・嘔吐・呼吸速迫・歩行異常の併発や高齢犬・子犬の震えで早めの受診をすすめる点はピースワンコ・ジャパンの獣医師監修記事に基づきます。
様子を見てよいことが多い震え
- 寒い場所での震えで、温めるとすぐ治まり、そのあと元気も食欲もいつもどおり
- 雷・花火・病院など、怖い状況だけで起こり、状況が終われば治まる
- ごはんの前や飼い主の帰宅時など、うれしい場面での一時的な震え
- 睡眠中のピクピクで、起きればけろりとしている
いずれも「原因になった状況がはっきりしていて、短時間で治まり、ほかの症状がない」ことが条件です。当てはまっていても、頻度が増えてきた、震え方が変わってきた、と感じたら一度相談を。「いつもと違う」という飼い主の直感は、受診のきっかけとして十分な理由になります。
家庭でできる対処
- 1
まず観察して、動画を撮る
震えている部位(全身か、後ろ足だけか、頭か)、始まった状況、続いた時間、呼びかけへの反応をチェックします。スマートフォンで動画を撮っておくと、診察室では治まっていても獣医師に正確に伝わります。震えの相談では、この動画が何よりの資料になります。 - 2
寒そうなら温める
部屋を暖める、毛布やブランケットを用意する、冷房の風が直接当たらない場所に寝床を移す、寒がりの子は服を着せる、といった保温を。快適な室温の目安として20℃前後を挙げる解説もあります。温めて治まるかどうかは、原因を絞り込む手がかりにもなります。 - 3
不安が原因なら、安心できる環境を整える
大きな音や刺激から離れられる静かな場所と、隠れられる寝床を用意します。飼い主があわてたり大げさに反応したりすると不安が増すことがあるので、普段どおり落ち着いて。優しく声をかけるのはかまいませんが、震えを止めようと無理に抱きしめたり押さえつけたりはしないでください。 - 4
体調の変化をチェックする
食欲・元気・嘔吐や下痢の有無・歩き方・飲水量とおしっこを確認します。震え以外に気になる変化があれば、様子見にせず動物病院へ。 - 5
迷ったら電話で相談する
「これは受診すべき震えか」を家庭で完全に判断するのは困難です。かかりつけに電話して、撮った動画のことも伝えながら指示を仰ぐのが、いちばん確実で安心です。
注意
次のことは避けてください。
- けいれん発作中の犬の口や体に手を出す(強く噛まれる危険があります)
- 震えを止めようと強く抱きしめる・押さえつける(痛みが原因の場合は悪化や咬傷事故のもとです)
- 意識がはっきりしない犬に、無理に糖分や水を飲ませる(誤嚥の危険があります)
- 人用の薬や、以前処方された薬を自己判断で与える
- 誤食が疑われるのに、家庭で無理に吐かせようとする
受診のときに伝えたいこと
診察室では震えが治まってしまっていることも多いため、家庭での情報がとても重要です。メモにまとめておくと、限られた診察時間で正確に伝えられます。
動物病院で伝えたい情報
- いつから・どんな状況で震え始めたか(寒さ・音・食事との関係など)
- 震えている部位(全身/後ろ足だけ/頭など)と続いた時間・頻度
- 震えているときの意識(呼びかけへの反応・目線)
- 震えの動画
- 食欲・元気・嘔吐・下痢・歩き方・飲水量やおしっこの変化
- 誤食の心当たり(食べた可能性のあるものとその量・時刻)
- 持病と服用中の薬(特にインスリンなど)・サプリメント
- 最後の食事の時刻(子犬では特に重要)
よくある質問
震えとけいれん発作は、どう見分ければいいですか。
けいれん発作が1〜2分で治まって、いつもどおりに戻りました。病院に行くべきですか。
震えているとき、撫でたり抱っこしたりして安心させていいですか。
子犬がごはんを食べずに震えています。様子を見てもいいですか。
シニア犬の後ろ足がプルプル震えます。年のせいでしょうか。
寝ているときに足がピクピクします。起こしたほうがいいですか。
まとめ
犬の震えの多くは、寒さ・加齢といった生理的な理由や、不安・興奮といった心理的な理由によるもので、状況が変われば自然に治まります。一方で、痛み・低血糖・中毒・内臓や神経の病気のサインとして現れる震えもあり、その見分けの鍵は「状況」「持続時間」「震え以外の症状」、そしてけいれん発作との区別では「意識」です。
呼びかけに反応しない、倒れてばたつく、5分以上続く——はためらわず緊急受診。嘔吐・ぐったり・食欲不振を伴う震え、誤食の心当たりがある震え、子犬やシニア犬・持病のある子の震えも、日数を待たずに相談してください。家庭でできるのは、保温と安心できる環境づくり、そして観察と動画撮影です。「いつもと違う」と感じた飼い主の直感を大切に、迷ったら電話一本、かかりつけの動物病院に頼ってください。
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- 愛犬が痙攣(けいれん)を起こしたら…?原因や考えられる病気について【獣医師監修】|アニコム損保 犬との暮らし大百科
- 犬の低血糖症ってどんな病気?原因や症状、対策法まで解説!【獣医師監修】|アニコム損保 犬との暮らし大百科
- 犬の震え?けいれん発作かも?どうしたらいい?|日本動物医療センター
- 犬が震える原因とは?痙攣との違い・病気かどうかの見分け方を解説|オダガワ動物病院
- 犬の震えやけいれんは危険のサイン?原因と対処法について獣医師が解説|八幡みなみ動物病院
- 犬が震えるときの原因と対処法とは?危険な症状の見分け方も詳しく解説|茶屋ヶ坂動物病院 いぬねこ健康手帖
- プルプルしてる!シニア犬の震えの4つの原因とケア方法|GREEN DOG & CAT
- 【獣医師監修】犬猫のてんかん発作が起きた時には家族はどう対応すべきか?【緊急対応】|たかつきユア動物病院
- 犬が震える原因とは?病院に連れて行くべき症状、震え予防策を解説【獣医師監修】|ピースワンコ・ジャパン
- 突然の激しい震え!特発性振戦症候群とは?|あおきじま動物病院
- 「寝ている犬がピクピク動く理由」足や目がピクピク動くのはなぜ?|獣医師解説|いぬのきもちWEB MAGAZINE
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