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犬のシャンプーのやり方と頻度|自宅で洗う手順・乾かし方・嫌がる子への慣らし方

対象の目安: 全ライフステージ

ツムギ食事・健康担当
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犬のシャンプーのやり方と頻度|自宅で洗う手順・乾かし方・嫌がる子への慣らし方

「そもそも、どのくらいの間隔で洗えばいいんだろう」「お湯は何度がいいの」「乾かしたつもりなのに、翌日ちょっとにおう」——犬のシャンプーは、道具や商品を選ぶ話よりも、実は洗い方と乾かし方という手順のほうで差がつきます。しかも、洗えば洗うほどきれいになるわけではなく、洗いすぎは皮膚の負担になることもあります。この記事では、頻度の考え方から、洗う前の準備、湯温、洗う順番、すすぎ残しを作らないコツ、乾かし方、嫌がる子への慣らし方、そして「今日は洗わないほうがいい日」の判断まで、動物病院や獣医師監修の情報をもとに整理します。

頻度の目安は月1〜2回。その子に合わせて調整する

まず頻度から整理します。健康な皮膚の犬であれば、シャンプーの頻度は月1〜2回程度を目安とする情報が最も多く、アニコム損保の解説では「20日〜1か月に1回程度で十分な場合が多い」とされています。つまり「毎週洗う」必要は基本的にありません。

とはいえ、これはあくまで出発点の数字です。実際には、被毛のタイプ、年齢、季節、そして皮膚の状態によって適切な間隔は変わります。目安を整理すると次のようになります。

条件頻度の目安の考え方
短毛種月1回程度でも足りることが多い
長毛種月2回程度。毛の状態によってはより頻繁なケアが必要なことも
ダブルコート(柴犬・コーギーなど)月1〜2回程度。換毛期は抜け毛を落とす意味でも有効
子犬(生後3〜6か月)月1〜2回程度。1回を短時間で終える
成犬月1〜2回程度が基本
シニア犬(7歳〜)2か月に1回程度まで間隔をあける考え方もある。体調優先

シニア期の頻度については、トリマー・獣医師監修の解説で「2か月に1回を目安に、体調を見ながら」と紹介されています。年齢とともに体力や心臓への負担を考える必要が出てくるため、若い頃と同じペースを続けなくてよい、というのは覚えておきたいところです。

メモ

数字はどれも「多くの子に当てはまりやすい範囲」であって、正解ではありません。洗った翌週にもうにおう子もいれば、2か月洗わなくても平気な子もいます。においや汚れ、皮膚の様子を見ながら、その子のちょうどいい間隔を探すのが現実的です。

頻度の目安(月1〜2回、20日〜1か月に1回程度)はアニコム損保「犬との暮らし大百科」「みんなのどうぶつ病気大百科」、なんよう動物病院、第一アイペットの解説に基づきます。犬種・被毛タイプ別の目安は茶屋ヶ坂動物病院メディアサイト、年齢別の目安はペテモ(イオンペット)、シニア期の2か月に1回という目安はペトコト(獣医師監修・トリマー執筆)の記述によります。

洗う前の準備で仕上がりの半分が決まる

シャンプーは、お湯を出す前の準備でほとんど決まります。とくに大切なのがブラッシングです。

1. ブラッシングで毛のもつれと抜け毛を落とす

毛玉やもつれは、濡らすと絡みが締まって固くなり、あとから取ることが難しくなります。だからこそ、洗う前に必ずブラッシングでほぐしておきます。抜け毛を落としておくと、シャンプー剤が皮膚まで届きやすくなり、汚れも落としやすくなります。長毛種やダブルコートの子ほど、ここに時間をかける価値があります。

ブラシの種類や使い分けについては、こちらの記事も参考にしてください。

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2. 爪は短く整えておく

爪が伸びていると、洗っている最中に犬が滑って踏ん張ったときに、自分の皮膚や人の手を傷つけることがあります。先に短く整えておくと、その心配が減ります。シャンプーの前後どちらで切るかに決まりはなく、トリミングでは爪切りや耳掃除をシャンプーと併せて行うことも多いとされています。ただし、一度に詰め込むと犬の負担が大きくなるので、嫌がる子は日を分けても構いません。

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3. 耳掃除は「やりすぎない」が基本

「シャンプーとセットで耳掃除も」と考えがちですが、犬の耳には奥の耳垢を手前へ押し出す自浄作用が備わっており、トラブルがなければ念入りな耳掃除は必要ないとされています。綿棒を奥まで入れると汚れを押し込んでしまうため、見える範囲の汚れをやさしく拭き取る程度で十分です。頻度ややり方、外耳炎のサインは別記事で詳しくまとめています。

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4. お湯の温度を用意する

湯温は出典によって数値に幅があります。アニコム損保の獣医師監修記事は「37度くらいが望ましい」、別ページでは「37〜38度くらいが適温で、人の感触では少しぬるいと感じるくらい」としています。第一アイペットは「犬の体温よりも低い35℃前後」、名古屋みらい動物病院は「35〜37度がおすすめ」で人の感覚では冷ため、茶屋ヶ坂動物病院は「38℃前後のぬるま湯」、なんよう動物病院は「36〜38℃」を挙げています。

数値は分かれていますが、共通しているのは「人が気持ちいいと感じる入浴温度よりも低い、少しぬるいと感じる湯」という点です。第一アイペットは、熱ければやけど、冷たすぎれば低体温症の危険があると注意しています。乾燥しやすい皮膚の子については、アジア獣医皮膚科専門医が監修するAPMAのコラムで、水温を35℃以下にするという例も挙げられています。

注意

「人がちょっとぬるい」がおおよその正解です。熱いお湯は皮脂を必要以上に流し、かゆみや乾燥のもとになります。逆に冷たすぎるお湯は体を冷やし、シャンプー嫌いのきっかけにもなります。冬場は浴室そのものを温めておくと、湯温を上げずに済みます。

湯温の数値はアニコム損保(37度/37〜38度)、第一アイペット(35℃前後)、名古屋みらい動物病院(35〜37度)、茶屋ヶ坂動物病院(38℃前後)、なんよう動物病院(36〜38℃)の各記述をそのまま並べたものです。乾燥しやすい皮膚の子で35℃以下という例はAPMA(専門医監修コラム)の記述によります。

自宅シャンプーの手順

準備ができたら、実際の流れです。滑ると犬が怖がるので、浴室の床やバスタブには滑り止めマットかバスタオルを敷いておきましょう。シニア犬では足腰の負担を減らす意味でも推奨されています。

  1. 1

    お尻・足先からゆっくり濡らす

    シャワーはいきなり背中や顔にかけず、お尻や足先など心臓から遠い部分から始め、顔が最後になるように濡らしていきます。シャワーヘッドは体から離さず、皮膚に密着させるように当てると、水の落ちる音が小さくなり、犬が怖がりにくくなります。
  2. 2

    皮膚まで湯を届ける(予洗い)

    被毛の表面だけを濡らしても、皮膚には湯が届いていないことがよくあります。毛をかき分けながら、地肌までしっかり湿らせます。この予洗いだけで、においや軽い汚れはかなり落ちます。
  3. 3

    シャンプーは必ず泡立ててから乗せる

    原液を直接皮膚につけると濃度が高く刺激になります。洗面器やスポンジであらかじめ泡立て、できた泡を体に乗せていきます。泡がクッションになって摩擦が減り、被毛も傷みにくくなります。
  4. 4

    背中・お尻・四肢を指の腹でマッサージするように洗う

    爪を立ててこすらず、指の腹で皮膚を動かすように洗います。汚れやすいのは足先、脇の下、内もも、お腹、しっぽの付け根まわり。ここを意識して洗うと、少ない回数でも清潔を保ちやすくなります。
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    顔まわりは最後に、短時間で

    耳・頭・顔は最後に洗い、洗ったらすぐに流します。シャンプー剤が顔にとどまる時間を短くするためです。顔はシャワーを直接当てず、泡立てたシャンプーをスポンジや手のひらに取ってやさしく洗い、濡らしたタオルで拭き取る方法だと目や鼻に入りにくく、嫌がる子にも向いています。
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    ぬるつきが消えるまですすぐ

    すすぎはいちばん時間をかけたい工程です。洗うときとは逆に、顔・頭のほうから流し、お尻・足先へ向かって進めると、顔に泡が残る時間を短くできます。シャンプー剤が残ると皮膚炎やフケの原因になります。脇の下、内もも、指の間、耳の付け根、あごの下、しっぽの付け根は泡が残りやすい場所。手で毛をかき分け、ぬるつきが完全に消えたか触って確認します。
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    浴室の中で大まかに水気を切る

    最後に、体を撫でるようにして手で水気を切り、浴室から出る前にタオルを体にかけます。びしょ濡れのまま部屋に出ると、犬はぶるぶるして水を飛ばし、体も冷えます。

注意

耳の中に水が入らないよう、耳まわりを流すときは耳を軽くふさぐか、シャワーの向きに気をつけてください。湿った環境は皮膚や耳のトラブルのきっかけになります。また、シャンプー剤が目にしみると強い不快感が残り、次から浴室に入りたがらなくなることがあります。顔まわりだけは、いつもより一段階ていねいに扱いましょう。

予洗い・洗う順番(お尻から始め顔を最後に)と、すすぎは逆に顔・頭から流すことは第一アイペット、ペピイ(トリマー解説)、アニコム損保「みんなのどうぶつ病気大百科」の解説に基づきます。シャワーヘッドを皮膚に密着させる工夫は名古屋みらい動物病院、シャンプーを泡立ててから使うこと・すすぎ残しが皮膚トラブルの原因になることはアニコム損保および第一アイペットの解説に基づきます。滑り止めを敷く工夫はGREEN DOG & CATのシニア犬向け解説を参考にしています。

2度洗いは必要?迷いやすいポイント

手順どおりやってみると、細かいところで迷いが出てきます。よくある3つを整理します。

  • 2度洗いをすべきか: 決まりはありません。1回目で泡立ちが悪く、汚れが浮いてこない感じがあるなら、軽く流してもう一度洗うと落ちやすくなります。逆に、皮脂が少なく乾燥しやすい子や、そこまで汚れていない子で毎回2度洗いを習慣にすると、必要な皮脂まで取りすぎることがあります。「汚れの程度で決める」がいちばん無理のない答えです。
  • リンス・コンディショナーは要るか: 必須ではありません。長毛種で毛が絡みやすい子には仕上がりが変わりますが、シニア犬向けの解説では「リンスは不要」とする考え方も紹介されています。使う場合も、すすぎ残しは同じくトラブルのもとなのでしっかり流します。
  • 洗う時間はどれくらいか: 短いほど犬の負担は軽くなります。子犬では10分以内に終えることが望ましいとされ、シニア犬でも「ドライヤーまで短時間でさっと終わらせる」ことがポイントとして挙げられています。時間をかけて完璧に洗うより、こまめに、短く、が続けやすい形です。
以前は「せっかく洗うんだから」と1時間近くかけていて、終わるころにはうちの子がぐったりしていました。今は予洗いを長めに取って、洗うのは1回だけ。全部で20分ほどで終わるようになってから、浴室に呼んでも逃げなくなりました。
トイプードルと暮らす飼い主

乾かし方で差がつく

洗い方より、じつは乾かし方のほうがトラブルに直結します。自然乾燥は体温の低下や皮膚病の原因になるとされ、避けるのが基本です。

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    タオルで押さえて水分を取る(こすらない)

    まずはタオルドライで、可能なかぎり水分を吸い取ります。ここで水気を取れば取るほど、ドライヤーの時間が短くなり、犬の負担も減ります。ゴシゴシこすらず、押し当てて吸わせるのがコツです。皮膚科専門医監修の解説でも、タオルドライはこすらないようにと注意されています。
  2. 2

    低温の風を30cm以上離して当てる

    ドライヤーは低温設定にし、体から30cm以上離して使います。同じ場所に熱風を当て続けないこと。人の手に風を当てて熱くないと感じる距離が目安です。
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    毛をかき分けて根元から乾かす

    表面だけ乾いても、地肌が湿っていては意味がありません。ブラシや指で毛をかき分け、根元に風を送ります。ブラッシングと同時に行うと、乾きが早く、毛の絡みも防げます。
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    乾き残しやすい場所を最後に確認する

    足先、指の間、脇の下、内もも、耳の付け根とその裏、しっぽの付け根、お腹。ここが生乾きになりやすい定番の場所です。指で触って、ひやっとした感触が残っていないか確かめます。

生乾きを放置すると、湿った環境が皮膚トラブルの下地になります。皮膚に常在するマラセチアは、湿気や高温の環境で増殖が助長され、皮膚のしわが多い部分は湿気がこもって菌が繁殖しやすい条件が整うと説明されています。夏や梅雨に「洗ったのににおう」「洗ったのにかゆがる」というときは、シャンプー剤より乾かし残しを疑ってみる価値があります。

注意

ドライヤーの熱風は、近づけすぎるとやけどの原因になります。とくに同じ部位に当て続けるのは危険です。また、目に直接強い風を当てないよう、顔まわりは手で風をさえぎりながら弱風で行いましょう。シニア犬でタオルをかけて温風を閉じ込める方法を使う場合は、息苦しくなっていないか、温度が上がりすぎていないかをこまめに確認してください。

ドライヤーそのものの選び方や、音を怖がる子への慣らし方は、こちらで詳しく扱っています。

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犬用ドライヤーの選び方|ハンド型・スタンド型・ケージドライヤーを比較

自然乾燥を避けること、ドライヤーは低温で30cm以上離し同じ場所に当て続けないこと、毛をかき分けて根元から乾かすことはアニコム損保の解説に基づきます。タオルドライでこすらないという注意はAPMA(専門医監修コラム)、タオルをかけて温風を閉じ込める際の注意はGREEN DOG & CAT、湿気とマラセチアの関係はピース動物病院の解説によります。

洗いすぎと皮膚バリア、薬用シャンプーの扱い

「汚れているよりは、洗ったほうがいい」と思いがちですが、犬の皮膚では必ずしもそうとは限りません。犬の表皮は人の約3分の1ほどの厚さしかなく、とてもデリケートだと専門医監修の解説で説明されています。シャンプーで必要な皮脂まで取り除いてしまうと、乾燥を引き起こす原因になります。

なんよう動物病院の獣医師による解説でも、過度なシャンプーによって皮脂膜が剥がれ落ちて皮膚のバリア機能が低下し、乾燥や被毛のダメージ、犬のストレスにつながることが挙げられています。においが気になるからと洗う回数を増やしたのに、かえってフケやかゆみが増えた——というのは、この「洗いすぎ」の典型的な流れです。

逆に、洗わなさすぎも、古い皮脂や汚れがたまって皮膚トラブルの下地になります。月1〜2回という目安は、その両極端の間にある落としどころだと考えるとしっくりきます。

そして、皮膚トラブルがある場合の薬用シャンプーは、自己判断で選ぶものではありません。動物病院で処方される薬用シャンプーには、たとえばクロルヘキシジンを含むもの(膿皮症)、ミコナゾールなど抗真菌成分を含むもの(マラセチア皮膚炎)などがあり、原因が違えば適切な薬剤も違います。使い方も一般のシャンプーと異なり、全身をマッサージしながら泡立てたあと5〜10分ほど置いてから十分にすすぐ、といった手順や、週2回を3週間といった期間が指定されることがあります。

注意

薬用シャンプーは、皮膚の状態に合っていなければ効果が出ないだけでなく、悪化させてしまうこともあります。市販品を「かゆそうだから」と自己判断で使う前に、動物病院で皮膚を診てもらい、種類・頻度・使い方の指示を受けてください。皮膚の治療中は、そもそもシャンプーをしないほうがよい場合もあります。

赤み・かゆみ・フケ・脱毛・においが続くときは、シャンプーを替えて様子を見るより、早めに動物病院で相談したほうが結果的に早く楽になります。

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犬の表皮が人の約3分の1の厚さであること、皮脂を取りすぎると乾燥の原因になることはAPMA(アジア獣医皮膚科専門医監修)のコラム、過度なシャンプーによるバリア機能低下はなんよう動物病院の解説によります。薬用シャンプーの成分例と「泡立てて5〜10分置いてからすすぐ」「1週間に2回、3週間を目安」といった使い方は伊藤動物病院 野田分院および松井山手動物病院(膿皮症とシャンプーの解説)の記述、皮膚治療中はシャンプーをしないほうがよい場合があるという注意は第一アイペットの解説に基づきます。実際の指示は診察した獣医師の判断によります。

今日は洗わないほうがいい、というタイミング

体を清潔にすることは大切ですが、優先順位が下がる日もあります。次のようなときは、無理に洗わない判断も立派なケアです。

シャンプーを見送りたいタイミング

  • ワクチン接種の直後(接種当日から数日は控える)
  • 下痢・嘔吐・食欲不振など、体調がすぐれないとき
  • 手術の直後や、傷が治りきっていないとき
  • 発情期や妊娠中など、体に負担がかかっている時期
  • 極端に高齢で、立っているのがつらそうなとき
  • 皮膚に強い赤み・ただれ・出血があり、原因がまだ分かっていないとき

ワクチン後については、たか動物病院の解説で「シャンプーやお散歩は最低2〜3日は控えるよう指示されることがあります」と紹介されています。なお子犬に関しては、接種直後は体調を崩しやすいため1週間ほど時間をあけることが大切だとする解説もあります。接種後は体の中で免疫がつくられる時期であり、体温の変化やストレスが体調を崩すきっかけになりうるためです。実際にどのくらいあけるかは、接種したワクチンの種類やその子の状態によって変わるので、かかりつけの獣医師の指示に従ってください。

子犬については、獣医師監修の記事で、自宅でのシャンプーは混合ワクチンを1回接種した後から、トリミングサロンの利用は混合ワクチンを3回接種し最終接種日から2週間以上経過してから、という目安が示されています。サロンによって受け入れ条件が異なるため、事前に確認しておくと安心です。

メモ

洗えない期間でも、清潔を保つ方法はあります。犬用のシャンプータオルや蒸しタオルで汚れやすい部分だけ拭く、水を使わないドライシャンプーを部分的に使う、といった方法です。とくに寝たきりや心臓病などの持病があるシニア犬では、全身を洗うより「濡れたタオルで拭く」ほうが体に合っていることも少なくありません。

ワクチン接種後に最低2〜3日はシャンプーを控えるという記述はたか動物病院、子犬でワクチン接種直後は1週間ほど時間をあけるという記述はペテモ(イオンペット)、子犬の自宅シャンプー・サロン利用の目安はワンクォール(獣医師監修)、持病のあるシニア犬で濡れタオル拭きにとどめる考え方はペトコト(獣医師監修・トリマー執筆)の解説によります。

シャンプーを嫌がる子への段階的な慣らし方

シャンプーが苦手な犬は少なくありません。獣医師監修の解説では、シャワーの音・温度・感覚に苦手意識を抱くケースが多く、そのほかに寒さ、拘束される時間の長さ、顔まわりを触られることが理由になることもあると説明されています。そして、初期に嫌な経験をしたかどうかが、その後に大きく影響します。

つまり「無理やり洗って終わらせる」ことを繰り返すほど、苦手は強くなります。急がば回れで、段階を踏んで塗り替えていきましょう。

  1. 1

    脱衣所を『いい場所』にする

    まずお湯を使いません。脱衣所でおやつをあげたり、なでたり、遊んだりして「ここは怖くない」を作ります。数日繰り返すだけで、浴室に近づくときの体のこわばりが変わってきます。
  2. 2

    浴室に入っておやつを食べる

    乾いた浴室に一緒に入り、おやつを食べて出るだけ。まだ洗いません。バスタブの中でおやつを食べられるようになれば、次に進めます。
  3. 3

    水を『触れる』ものに変える

    シャワーの音が苦手な子が多いので、まずは汲み置いたお湯を洗面器に用意し、足先だけ浸ける、湿らせたタオルで足を拭く、といった小さな接触から始めます。濡れタオルは、濡れることへの抵抗を減らす第一歩として紹介されています。
  4. 4

    シャワーは弱い水流で、体に添わせて

    シャワーを使うときは水流を弱め、シャワーヘッドを体に密着させて流します。空中から降ってくる水音と衝撃が減り、怖さがぐっと下がります。温度は少しぬるめで一定に。
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    短く終えて、必ず良い記憶で締める

    最初のうちは、全身を完璧に洗わなくて構いません。足だけ、お尻だけでも「怖くないまま終わった」ことが次につながります。終わったらしっかりほめて、特別なおやつを。

冬場に浴室を温めておく、泡立てたシャンプーをスポンジで使って冷たさを感じにくくする、手早く終わらせる、といった工夫も有効だとされています。顔まわりが苦手な子は、顔だけスポンジや濡れタオルで拭う方式に切り替えるだけで、シャンプー全体の印象が変わることもあります。

迎えたばかりの頃、浴室に連れて行こうとすると足を踏ん張って動かなくなりました。2週間ほど、脱衣所と浴室でおやつを食べるだけの日を続け、次に足先だけお湯に浸ける練習。3週目でようやく全身を洗えましたが、途中で無理をしなかったおかげか、今はシャワーの音がしても平気な顔をしています。
保護犬(推定5歳)を迎えた飼い主

無理をせず、サロンや動物病院に任せる判断

自宅で洗うことが目的ではありません。次のようなときは、トリミングサロンや動物病院に任せるほうが、犬にとっても人にとっても良い選択です。

  • 大型犬・長毛種で、自宅の設備では乾かしきれない
  • 毛玉やもつれがひどく、自分ではほぐせない
  • 犬が強く抵抗し、押さえつけないと洗えない
  • シニア犬や持病のある子で、体調面の不安がある
  • 洗ったあとにいつも皮膚が荒れる、においが取れない

とくに体調に不安がある子は、動物病院併設のサロンを選ぶ、あるいは動物病院の診療時間内にシャンプーを行うと、万一の際にすぐ相談できて安心です。プロに一度お願いして、洗い方や乾かし方を見せてもらうと、次からの自宅ケアもやりやすくなります。

自宅シャンプーのチェックリスト

  • 洗う前にブラッシングで毛玉ともつれを取った
  • 爪を短く整え、浴室に滑り止めを敷いた
  • 湯温は人が『少しぬるい』と感じる程度にした
  • お尻・足先から濡らし、顔は最後にした
  • すすぎは逆に顔・頭から流した
  • シャンプーは泡立ててから体に乗せた
  • ぬるつきが消えるまですすぎ、脇・内もも・指の間も確認した
  • タオルドライはこすらず押さえて水分を取った
  • ドライヤーは低温で30cm以上離し、根元まで乾かした
  • 足先・耳の付け根・お腹に乾き残しがないか触って確かめた
  • 終わったあとにほめて、いい記憶で締めくくった

よくある質問

犬のシャンプーはどのくらいの頻度が適切ですか。
健康な皮膚なら月1〜2回程度が一般的な目安とされ、20日〜1か月に1回で十分な場合が多いという解説もあります。ただし短毛種は少なめ、長毛種は多め、シニア犬は2か月に1回程度まで間隔をあける考え方もあり、季節や皮膚の状態でも変わります。皮膚疾患がある場合は獣医師が指定する頻度に従ってください。
お湯の温度は何度がいいですか。
出典によって35〜38℃と幅がありますが、共通するのは『人が少しぬるいと感じる温度』という点です。人が快適な入浴温度は犬には熱すぎます。乾燥しやすい皮膚の子では35℃以下という例も専門医監修の解説で挙げられています。寒い季節は湯温を上げるより浴室そのものを温めるのがおすすめです。
シャンプーは2度洗いしたほうがいいですか。
必須ではありません。泡立ちが悪く汚れが浮いてこないと感じるときは有効ですが、乾燥しやすい子やそれほど汚れていない子で毎回2度洗いを習慣にすると、必要な皮脂まで取りすぎることがあります。汚れの程度で判断してください。
自然乾燥ではだめですか。
おすすめできません。自然乾燥は体温の低下や皮膚病の原因になるとされています。生乾きの状態は湿気がこもり、マラセチアなど皮膚トラブルの下地にもなります。タオルドライのあと、低温の風を30cm以上離して当て、毛をかき分けて根元まで乾かしましょう。
市販の薬用シャンプーを買って使ってもいいですか。
自己判断での使用はおすすめしません。皮膚トラブルは原因(細菌・真菌・アレルギーなど)によって適した薬剤や頻度が異なり、合わないものは悪化を招くことがあります。まず動物病院で皮膚を診てもらい、種類・頻度・使い方の指示を受けてから使いましょう。治療中はシャンプー自体を控えたほうがよい場合もあります。
ワクチンを打った日にシャンプーしても大丈夫ですか。
接種直後は控えるのが一般的です。動物病院の解説では『最低2〜3日は控えるよう指示されることがある』とされています。子犬については接種直後は1週間ほどあけるよう勧める解説もあります。免疫がつくられる時期に体温変化やストレスを加えないためです。実際の日数はかかりつけの獣医師に確認してください。
子犬はいつからシャンプーできますか。
獣医師監修の解説では、自宅でのシャンプーは混合ワクチンを1回接種した後から、トリミングサロンの利用は混合ワクチンを3回接種し最終接種から2週間以上経ってから、という目安が示されています。それまでは犬用シャンプータオルなどで拭くケアで代替できます。サロンごとに受け入れ条件が違うので事前確認を。
シャンプーを嫌がって暴れます。どうすればいいですか。
押さえつけて洗うほど苦手は強くなります。脱衣所でおやつ、浴室でおやつ、足先だけお湯に浸ける、と段階を踏んで『怖くない場所』に変えていきましょう。シャワーは水流を弱め、ヘッドを体に密着させると音と衝撃が減ります。それでも難しければ、サロンや動物病院併設のトリミングに任せて構いません。

まとめ

犬のシャンプーは、頻度も手順も「完璧」を目指すものではありません。健康な皮膚なら月1〜2回を軸に、被毛タイプ・年齢・季節・皮膚の状態で調整する。洗う前にブラッシングで毛玉を取り、人が少しぬるいと感じる湯で、お尻・足先から濡らして顔は最後。泡立ててから乗せ、ぬるつきが消えるまですすぐ。そして、タオルで押さえて水分を取り、低温の風を30cm以上離して根元まで乾かす。この流れを押さえておけば、大きく外れることはありません。

覚えておきたいのは、洗いすぎは皮脂を奪ってバリア機能を下げること、生乾きは皮膚トラブルの下地になること、そして薬用シャンプーは自己判断で使わないことの3点です。そして「今日は体調がいまひとつだから見送る」「今日は足先だけ拭いて終わりにする」という判断も、その子を守るケアのひとつです。

嫌がる子は、時間をかけて塗り替えていけば変わることがあります。無理だと感じたらサロンや動物病院に頼っていい。赤み・かゆみ・フケ・においが続くときは、シャンプーを替えて様子を見るより先に、動物病院で皮膚を診てもらうのが安心です。愛犬にとって、お風呂の時間が少しでも穏やかなものになりますように。

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