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犬がハチ・ムカデ・毛虫に刺されたら|夏〜秋の応急処置とすぐ受診すべきサイン

対象の目安: 全ライフステージ

ツムギ食事・健康担当
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犬がハチ・ムカデ・毛虫に刺されたら|夏〜秋の応急処置とすぐ受診すべきサイン

散歩の途中で愛犬が急に「キャン」と鳴いた。帰宅したら鼻先がぷっくり腫れていた。夏の終わりから秋にかけて、そんな出来事が起こりやすくなります。スズメバチは夏から秋にかけて活発に活動し、他の種類のハチに比べて攻撃的で危険とされ、8月から9月頃が活動のもっとも盛んな時期です。地面近くを歩き、においを嗅ぎ、動くものを追いかける犬は、人よりも虫と出会う機会が多い存在でもあります。この記事では、ハチ・ムカデ・毛虫・アブやブヨに刺されたり咬まれたりしたときの応急処置と、迷わず動物病院へ向かうべきサインを整理します。「あわてず、正しく、早く動く」ための地図としてお読みください。

夏から秋にかけて虫刺され・咬傷が増える理由

「虫刺されは真夏がピーク」と思われがちですが、ハチに関しては夏の後半から秋にかけてが要注意の時期です。

小平市の解説によると、スズメバチは5月初旬から11月中旬にかけて活動し、8月から9月頃に活動がもっとも盛んになります。さらに9月中旬頃には新しい女王バチが生まれるため、働きバチが巣に対して非常に敏感になり、巣の周辺がもっとも危険な時期になるとされています。府中市も、スズメバチは夏から秋にかけて活発に活動し、他の種類のハチに比べて攻撃的で危険だと説明しています。涼しくなって散歩を延ばしたり、キャンプや帰省で自然の多い場所へ出かけたりする季節が、ちょうどハチの気が立っている時期と重なるわけです。

犬の側にも理由があります。鼻先が地面に近く草むらや落ち葉に顔を突っ込む、飛んでいる虫を口で捕まえようとする、裸足で歩くので地面の虫を踏んでしまう、そして「痛い」と言葉で伝えられない。東京都保健医療局は、都内で見られるスズメバチは主にコガタスズメバチとキイロスズメバチで、いずれも樹木や軒下に大きなボール状の巣を作ると説明しています。散歩コースの生垣や公園の植え込みにも巣ができうる、という前提で歩きたいところです。

スズメバチの活動期間(5月初旬〜11月中旬)、8〜9月が最盛期であること、9月中旬頃に新女王バチが生まれて巣の周辺がもっとも危険になることは小平市の解説に、夏から秋に活発で他種より攻撃的であることは府中市の解説に基づきます。時期は地域や年によって前後します。

犬が刺されやすい部位と場面

南が丘動物病院の解説では、犬がもっとも刺されやすいのは足で、歩いているときに気づかず虫を踏んでしまうことが多いためとされています。加えて、虫にかみつこうとしたり口で捕まえようとしたりして、舌や口の中、のどを刺されることもあるとされ、ペットドックの獣医師監修解説でも刺されやすい部位として顔・口・足が挙げられています。

部位起こりやすい場面気をつけたいこと
足の裏・指の間草むらや落ち葉の上で虫を踏む急に足を上げる、片足を気にしてなめる
鼻先・マズル花や植え込みのにおいを嗅ぐ短時間でぷっくり腫れやすい
口の中・舌・のど飛ぶ虫を口で捕まえようとする腫れが気道をふさぐおそれがあり最も危険
顔・目のまわり顔を近づけて確認しようとする目が開けにくくなるほど腫れることがある
おなか・内股草むらに寝転ぶ、しゃがむ被毛が薄く、腫れや赤みが分かりやすい

注意

口の中やのど、舌を刺された可能性があるときは、様子を見ずに動物病院へ向かってください。腫れが気道を狭めると呼吸が苦しくなることがあります。「虫を口でパクッとした直後によだれが増えた」「口をくちゃくちゃさせる」「前足で口をこすっている」は、口の中を刺されたサインのことがあります。
夕方の散歩で植え込みのにおいを嗅いでいたら、急に飛びのいて鼻先をこすり始めました。家に帰るころには鼻がひとまわり大きくなっていて、あわてて病院に電話しました。
秋の散歩で驚いた飼い主

ハチの種類と「針が残るかどうか」

ペットドックの獣医師監修解説では、ハチの種類ごとの特徴が次のように整理されています。

ハチの種類針が残るか特徴
ミツバチ残る攻撃性は低いが毒針がある
アシナガバチ残らない攻撃性あり
スズメバチ残らない攻撃性・毒性ともに強い
クマバチまれに残るおとなしい

ミツバチについては、ペトコトの獣医師監修解説(佐藤貴紀獣医師監修)で、毒針の器官全体が刺したあとに体から離れて犬の体に残ることがあり、そのまま毒液を注入し続けると説明されています。残った針を早く取り除くほど、体に入る毒の量を減らせる可能性があるということです。取り方としては、クレジットカードなどの硬いカードを使い、皮膚と平行に削ぎ取る方法が紹介されています(爪でも可)。一方で、ピンセットや指でつまむのは、針の根元にある毒嚢(どくのう)を押してしまうため避けるべきとされています。アシナガバチやスズメバチは針が残らないため、抜き取りの作業自体が不要です。

メモ

無理に取ろうとして犬が暴れたり、痛みで飼い主の手を咬んでしまったりしては本末転倒です。

うまく取れない、触らせてくれない場合は無理をせず、そのまま動物病院へ。針が残っているかもしれないと伝えれば、獣医師が安全に処置してくれます。

すぐ受診すべきサイン アナフィラキシー

刺されたあとにいちばん怖いのが、アナフィラキシーと呼ばれる急性のアレルギー反応です。成増動物病院の解説では、犬のアナフィラキシーの原因として食べ物、虫刺され、毒物、薬剤、ワクチン接種などが挙げられ、症状としてショック症状(急にぐったりして立てない、反応が鈍いなど)、顔や体の腫れ、じんましん、皮膚の赤みやかゆみ、呼吸困難、嘔吐・下痢が示されています。軽い場合は皮膚症状のみで元気なことも多いとされています。

さいとう動物病院の解説では、刺されてから数分〜1時間以内にこうした様子が現れた場合は緊急事態としています。ペットドックの解説では、時間の経過と現れやすい症状が次のように整理されています。あくまで目安であり、個体差や刺された部位・本数によって変わります。

経過時間現れやすい様子
直後〜5分急に飛びのく、鳴く、患部をしきりに気にする
5〜30分顔の腫れ、よだれ、嘔吐
15〜60分震え、ぐったりする、下痢
30〜120分呼吸困難、失神、舌が紫色になる

注意

顔や唇、まぶたの急激な腫れ、舌や口の粘膜が青紫色になる(チアノーゼ)、呼吸が荒く苦しそう、立てない・ふらつく、激しい嘔吐や下痢、けいれん、意識がもうろうとする。これらのいずれかが見られたら、迷わず動物病院に連絡して向かってください。「もう少し様子を見よう」と考えている時間が、そのまま状態の悪化につながることがあります。

ペトコトの解説では、アナフィラキシーショックは多くの場合「蜂に刺されて2回目に起こる」と言われている、と説明されています。過去に刺されて顔が腫れたりじんましんが出たりした犬は、次に刺されたときのリスクが高い可能性があります。刺された経験は日付・部位・そのときの様子をメモし、かかりつけにも伝えておくと安心です。

症状・緊急のサイン・発症までの時間の目安は、成増動物病院・さいとう動物病院・ペットドックの各解説に基づく整理です。「2回目に起こることが多い」はペトコトの獣医師監修解説によります。経過や重症度には個体差があり、1回目でも重い反応が出ることがあります。

家庭でできる応急処置

治療は動物病院の役割ですが、受診までの間に飼い主ができることもあります。

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    まずその場から静かに離れる

    近くにハチの巣がある可能性があります。大声を出す、手で払う、走って逃げるといった行動は、かえってハチを刺激します。抱えられる大きさなら抱き上げ、リードを短く持って静かに離れてください。
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    何に、いつ、どこを刺されたかを記録する

    いぬのきもちの獣医師解説でも、刺された皮膚の状態を撮影・記録しておくと診察に役立つ可能性があると紹介されています。可能なら患部の写真を撮っておきましょう。
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    針が残っていれば削ぎ取る(ミツバチの場合)

    硬いカードなどで皮膚と平行に削ぎ取ります。取れない・触らせてくれない場合は無理をせず、そのまま受診します。
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    患部を流水でやさしく洗う

    東京都保健医療局も、ハチに刺された部分は水でよく洗うことを案内しています(同案内の抗ヒスタミン軟膏は人向けの説明です。犬に人用の薬は使わないでください)。強くこすらず、水〜ぬるま湯で流す程度で構いません。
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    冷やしながら病院へ向かう

    保冷剤をタオルで包む、濡らしたタオルを当てるなどして痛みと腫れをやわらげます。直接皮膚に当てると凍傷のおそれがあるので必ず布越しに。15〜20分程度が目安として紹介されています。
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    動物病院に電話してから向かう

    状況を先に伝えておくと、到着後の対応が早くなります。「何に刺されたか」「いつか」「今どんな様子か」を短く伝えられるよう整理しておきましょう。

ヒント

応急処置はあくまで「受診までのつなぎ」です。ペトコトの解説では、ハチに1カ所でも刺された場合はアナフィラキシーショックを起こすおそれがあるため、迅速に動物病院へ行く必要があるとされています。その見極めは家庭では難しいと考えておくのが安全です。

やってはいけないこと

よかれと思ってやったことが、かえって状態を悪くすることがあります。

虫刺され・咬傷でやってはいけないこと

  • 口で毒を吸い出す(飼い主にも毒が回るおそれがある)
  • 人用のかゆみ止め・虫刺され薬・ステロイド軟膏を塗る
  • 人用の解熱鎮痛薬や風邪薬を飲ませる
  • 患部をなめさせ続ける、かき壊させたままにする
  • 保冷剤や氷を布を介さず直接皮膚に当てる
  • ハチの巣に近づく、棒でつつく、自分で駆除しようとする
  • 「腫れているだけだから」と丸一日様子を見る

口で吸い出す行為は、さいとう動物病院の解説でも、飼い主にも毒が回る危険があるため避けるよう明記されています。人用の薬については、petanの獣医師監修解説で、人間では副作用がほとんど現れない有用な薬でも犬が摂取すると有毒になる薬があり、とくに風邪薬や解熱鎮痛剤には少量でも命に関わる成分が含まれることがあると説明されています。

注意

「かゆそうだから」と人用の虫刺され薬を塗るのも避けてください。犬は塗った場所をなめ、成分をそのまま口に入れてしまいます。ペットドックの解説でも、人間用の抗ヒスタミン剤やステロイド軟膏は中毒の危険があるとして使用しないよう案内されています。薬は動物病院で処方してもらい、なめ続ける場合はエリザベスカラーなどで一時的にガードして相談しましょう。

ムカデに咬まれたとき

ムカデは湿った場所や落ち葉の下、家の中では風呂場や玄関まわりにも入り込みます。犬が鼻先を近づけたり前足でちょっかいを出したりして咬まれることがあります。

アニウェル犬と猫の病院の解説によると、ムカデの毒はヘモリジン、蛋白分解酵素、ヒスタミン、ヒアルロニダーゼなどからなる複合的なもので、蛋白質で構成され酸性を示すとされています。症状は局所的な腫れ・痛み・赤みが中心で、まれながらアナフィラキシーの可能性も考えておくべきとされ、治療は対症療法が主で解毒薬は存在しないと説明されています。

ネット上では「ムカデは冷やさず、熱いお湯で洗う」という情報をよく見かけます。毒の蛋白質を変性させて活性を下げるという考え方です。ただし同院の解説では、人では43度以上に患部を温める手法があるとしたうえで、相手は動物なので思うようにさせてくれるとは限らないこと、40度くらいの温度だと逆に毒が活性化すること、冷却も逆効果であることが示され、できるだけ早く動物病院で治療することがすすめられています。

注意

温度の管理を誤ると、毒の活性化や熱傷(やけど)につながるおそれがあります。犬は「熱いから我慢して」と説明して分かってくれる相手ではありません。ムカデに咬まれた疑いがあるときは、家庭で温度による処置を試みるより、患部を清潔に保ったうえで早めに動物病院を受診するほうが安全です。ハチとムカデで推奨される対応が異なる点も、自己判断を難しくしています。

毛虫(チャドクガなど)に触れたとき

毛虫の被害は、刺されるというより「毒針毛(どくしんもう)に触れる」形で起こります。世田谷区の解説によると、チャドクガの幼虫は4月〜6月と8月〜9月の年2回発生し、ツバキ、サザンカ、チャなどツバキ科の植物につきます。毒針毛は長さ0.1ミリメートルほどで幼虫では50万本にも達するとされ、卵から成虫まで全期間を通じて存在し死骸にも残るため、すべての段階で注意が必要とされています。触れた直後からかゆみを伴って赤く腫れ、1〜2日後にかゆみの強い赤いブツブツができるとされ、対処としてはセロハンテープなどでそっと押さえて毒針毛を取り去り、強い流水やシャワーで上から洗い流す方法が案内されています。

犬の場合は、毒針毛が被毛に絡むと抱っこした飼い主が二次被害を受ける、犬が患部をなめて口の中や舌に毒針毛が移る、木の下を通っただけでも風で飛んだ毒針毛が体につく、といった点にも気をつけたいところです。

メモ

毛虫に触れた疑いがあるときは、まず犬になめさせないようにし、飼い主も素手で毛をこすらないでください。手袋を使い、粘着テープでそっと押さえて取り除いてからシャワーで洗い流す、が基本の流れです(上記は世田谷区が示す人向けの対処を踏まえた整理です)。

顔まわりや目のそば、かゆみが強い、広がっている場合は、家庭で完結させようとせず動物病院に相談してください。

アブ・ブヨ、そして蚊

ハチほど劇的ではなくても、アブやブヨの被害も夏〜秋の散歩でよくあります。いぬのきもちの獣医師解説(岡本りさ先生)では、アブやブヨに刺されると刺された部位の出血や腫れが見られることがあると説明されています。応急処置としては、まず患部をよく洗い流すことが挙げられ、犬が患部を気にしている、皮膚が腫れている、患部が赤くなっているといった場合は受診するとよいとされています。腫れがひどい、元気がない、呼吸が荒いなどの異常があれば早急に動物病院へ、とも案内されています。予防としては、犬用の虫よけ製品を使うこと、足先まである犬用の洋服を着せることが紹介されています。虫よけは必ず犬用のものを使い、人用を転用しないでください。犬はなめてしまうため口や目のまわりを避け、使用量や頻度を守ること、皮膚が弱い子やアレルギー体質の子は使う前にかかりつけへ相談することも大切です。

蚊については、かゆみよりもフィラリア(犬糸状虫)の媒介が問題になります。応急処置というより予防薬による対策が中心になるため、詳しくは次の記事にまとめています。草むらで気をつけたいマダニも、無理に引き抜かず動物病院で取り除いてもらうのが原則です。

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散歩・庭・アウトドアでの予防

そもそも遭遇しないための工夫のほうが確実です。小平市の解説では、ハチは色やにおいに敏感で、とくに黒色に対して激しい攻撃性を示すため、白色系の服装を選び、においが出るものを身につけないよう注意することが案内されています。東京都保健医療局も、香水の香りやジュースのにおいがハチを誘引することがあると説明しています。散歩に置き換えると、次のような点を意識できます。

夏〜秋の散歩・庭仕事でできること

  • 生垣・植え込み・軒下など巣ができそうな場所に犬の顔を近づけさせない
  • ハチが数匹まとわりついていたら、その先に巣がある可能性を考えて引き返す
  • 公園で甘い飲み物やフルーツをこぼさない・置きっぱなしにしない
  • 庭木の手入れの前に必ず巣の有無を確認する
  • ツバキ・サザンカ・チャの木には毛虫の時期に犬を近づけない
  • 落ち葉や植木鉢の下はムカデが好むため犬の寝床の近くに置かない
  • 帰宅後に足の裏・指の間・顔まわり・おなかをチェックする

注意

ハチが体のまわりを飛び始めたら、手で払う・大声を出す・走って逃げるのは避けてください。姿勢を低くし、犬を抱えるかリードを短く持って静かに離れます。犬が興奮して吠えたり跳びついたりすると、ハチを刺激してしまうことがあります。大きな巣を見つけたら自分で駆除しようとせず、市区町村の担当窓口に相談してください(対応範囲や費用の扱いは自治体で異なります)。

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夜間・休日に備える 救急動物病院の探し方

虫刺されは、夕方の散歩やキャンプ中など、かかりつけが閉まっている時間帯に起こりがちです。「刺されてから探す」のではなく、あらかじめ調べておくのが何よりの備えです。

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    かかりつけの時間外対応と近隣の救急施設を調べる

    時間外対応をしている病院もあれば、提携先や地域の救急病院を案内している病院もあります。地域の獣医師会が輪番で夜間診療を行っていることもあるので、車で行ける範囲の施設をいくつかリストアップし、住所・電話番号・診療時間をスマートフォンのメモに残しておきましょう。
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    必ず電話してから向かう

    日本動物医療センターの解説では、判断に迷う場合や来院準備をしつつ電話できる場合は、先に電話することがすすめられています。事前連絡があれば病院側が準備を進められ、ほかの救急病院の検討や移動中の対応についてアドバイスをもらえることもあります。
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    伝える情報と持ち物を用意する

    電話では、名前・犬種・年齢・性別・避妊去勢の有無・おおよその体重・薬のアレルギーの有無と、いつから・どんな様子か・現在どうかを聞かれます。身分証明書、健康診断や血液検査のデータ、普段飲んでいる薬があると診察がスムーズです。夜間・救急は日中より費用がかかることが多い点も覚えておきましょう。
河原のキャンプで愛犬の前足が急に腫れて、スマホで病院を探しながらパニックになりました。帰ってすぐに自宅から30分圏内の夜間救急を3か所調べて、連絡先を家族全員のスマホに登録しました。備えておけばよかった、と本当に思いました。
キャンプ中に慌てた飼い主

よくある質問

少し腫れているだけで元気もあります。様子を見てもいいですか。
ペットドックの解説では、足先をミツバチに1カ所刺され元気がある場合などは数時間注意深く観察するという考え方も紹介されていますが、迷ったら受診を選ぶのが安全だとされています。とくにスズメバチに刺された、複数箇所を刺された、口やのどを刺された可能性がある、顔が腫れている、嘔吐や下痢・震えがある場合は、すぐに受診してください。
ハチに刺されたあと、どのくらいの時間気をつければいいですか。
アナフィラキシーは刺されてから数分〜1時間以内に現れることが多いとされ、目安としては直後から2時間程度が一つの区切りになります。ただし個体差があり、遅れて症状が出ることもあります。受診後も獣医師から指示された時間は目を離さず、呼吸の様子・歯ぐきや舌の色・元気や食欲の変化を見てあげてください。
犬が虫を口で捕まえてしまいました。刺された場合と違いますか。
飛んでいる虫を口で捕まえようとして、口の中やのどを刺されることがあります。よだれが増える、口をくちゃくちゃさせる、前足で口をこするといった様子があれば、口の中を刺された可能性を考えてください。腫れが気道を狭めるおそれがあるため、様子を見ずに動物病院へ向かうのが安全です。
一度刺されて腫れた子は、次も同じくらいで済みますか。
アナフィラキシーは2回目に起こることが多いと言われており、前回が軽かったからといって次も軽いとは限りません。過去に刺された経験がある子ほど、次は早めの受診を意識してください。刺された日付・部位・そのときの様子を記録し、かかりつけの獣医師に共有しておくと役立ちます。

まとめ

スズメバチは8月から9月にかけて活動がもっとも盛んになり、9月中旬ごろには巣の周辺がとくに危険になるとされています。犬が屋外で過ごす時間が心地よくなる季節は、ちょうど虫との遭遇が増える季節でもあります。犬が刺されやすいのは顔・口まわり・足。ミツバチなら針が残ることがあり、カードなどで皮膚と平行に削ぎ取ります。応急処置は、その場から静かに離れる、何にいつ刺されたか記録する、洗う、布越しに冷やす、電話してから受診する、という流れです。人用の薬を塗る・飲ませる、口で毒を吸い出す、なめさせ続ける、はいずれも避けてください。顔の急な腫れ、全身のじんましん、激しい嘔吐や下痢、ぐったりする、呼吸が苦しそう、舌の色が変わる。こうしたサインは数分〜1時間以内に出やすく、緊急の受診が必要です。

そして何より大切なのは、刺される前の備えです。散歩コースの巣を確認する、犬用の虫よけを正しく使う、夜間・休日に頼れる動物病院の連絡先を今日のうちに控えておく。この3つがあるだけで、いざというときの落ち着きがまったく違います。愛犬と迎える秋が、安心して歩ける季節になりますように。

出典・参考

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