犬用爪切り・爪やすりの選び方|ギロチン・ニッパー・はさみ・電動グラインダーをタイプ別比較
対象の目安: 全ライフステージ

爪切りがうまくいかない原因は、飼い主の腕前よりも「道具がその子に合っていない」ことにあるかもしれません。硬い爪に切れ味の足りないはさみ型を使えば力任せになりますし、パチンという音が苦手な子に手動の爪切りを使い続ければ、いつまでも苦手意識が抜けません。この記事では、切り方そのものではなく道具選びに軸足を置いて、ギロチン型・ニッパー型・はさみ型・電動グラインダーの違いと、条件別の選び方を整理します。
メモ
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まず知っておきたい「クイック」と道具の関係
犬の爪の内側には血管と神経が通った部分があり、これを「クイック」と呼びます。道具選びで最も大事なのは、この手前で止められるかどうかです。爪が伸びるとクイックも一緒に先へ伸びてくるため、放置していた期間が長いほど短く整えにくくなります。
一気に切り落とすタイプの道具は作業が速い一方で、一度の操作で深く入ってしまう可能性があります。少しずつ削るタイプは時間がかかりますが、その分だけ止めどきを細かく調整できます。この「速さと刻みの細かさ」のトレードオフが、タイプ選びの背骨になります。
爪の中心に血管と神経が通り、爪が伸びるほどクイックも先へ伸びて傷つけやすくなること、削る方式は少しずつ減らせるため事故が起きにくいという整理は、Whole Dog Journal「Grinders vs. Clippers」によります(2026年8月確認)。
タイプ別に比較する
| タイプ | 仕組み | 得意な場面 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| ギロチン型 | 輪状のガイドに爪を通し、刃がスライドして切る | 軽い力で切れる。慣れれば爪を傷めずきれいに切れ、プロも愛用。標準サイズと大型犬向けサイズがある | 切る深さの見当をつけるのに慣れが必要とされる |
| ニッパー型(ペンチ型) | 2枚の刃で挟んで切る | ギロチン型の輪に入らない爪(巻き爪・狼爪)、大型犬でギロチン型が使えない場合。はさみの要領で切れて切り口の距離感がつかみやすい | ギロチン型より必要な力が大きい傾向で、硬い爪では扱いづらいことがある。大型犬では握力が要る。切り口がガサガサになることがある |
| はさみ型 | はさみの要領で切る | 子犬の薄く小さい爪。切り口の距離感がつかみやすい | 太く硬い爪には力が足りないことがある |
| 電動グラインダー(爪やすり) | 回転する研磨面で削る | 切る音が苦手な子、黒い爪、角の仕上げ | 長い爪を短くするのには時間がかかる。作動音と振動、摩擦熱、粉への配慮が必要 |
ギロチン型は輪状の金属ガイドに沿って刃がスライドする構造で、軽い力で切れるのが最大の利点です。使い方に慣れれば爪を傷めずきれいに切れるため、トリマーや動物医療従事者などプロが愛用する傾向があるとされます。一方で、切る深さの見当をつけるには慣れが要るという欠点も挙げられています。ニッパー型ははさみの要領で切れるので切り口の距離感がつかみやすく、ギロチン型では深爪しそうで不安という方や、大型犬でギロチン型が使えない場合に役立ちます。ただしギロチン型と比べて必要な力が大きくなる傾向があり、硬い爪の場合は扱いづらいことがある、切り口がガサガサになることがある、とも指摘されています。やすり・電動やすりは切った爪をきれいに整えるのが得意で、長い爪を一気に短くする用途には向きません。
ギロチンタイプの構造と「軽い力で切れる」「慣れれば爪を傷めずきれいに切れ、トリマーや動物医療従事者などプロが愛用する傾向がある」という評価、および「ギロチン・ピコックタイプ」の節で欠点として挙げられている「爪を切る深さの見当をつけるのに慣れが必要」、ニッパータイプの「はさみの要領で切れて初心者でも使いやすい」「大型犬でギロチンタイプが使えない場合に役立つ」「切り口の距離感がつかみやすい」「ギロチンタイプと比べて切るために必要な力が大きくなる傾向があり、硬い爪の場合は扱いづらいことがある」「切り口がガサガサになることがある」「大型犬では握力が必要となることがある」、やすり類が「整えるのは得意だが長い爪を短くするのには適さない」点は、いずれもマイナビおすすめナビ(獣医師 増田国充氏監修)によります。動物病院でギロチンタイプの使用が多いこと、切りたい部分にギロチンタイプが入らない場合や巻き爪などでニッパー型が使われること、子犬にハサミタイプが使われることは、ペットニュースストレージ(獣医師 成田有輝氏監修)およびペピイ(動物看護師 富永良子氏監修)によります(2026年8月確認)。
ヒント
条件別の選び方
犬のサイズ・爪の硬さで選ぶ
小型犬の細い爪は、はさみ型や小さめのギロチン型で無理なく切れることが多い一方、中型犬から大型犬の太く硬い爪では、はさみ型だと力が足りず、途中で挟まって犬を痛がらせてしまうことがあります。爪が硬い子には、まず大型犬の大きな爪に対応したサイズのギロチン型が第一候補です。ニッパー型は硬い爪ではギロチン型より必要な力が大きくなる傾向があり扱いづらいことがあるとされるため、巻き爪や狼爪などギロチン型の輪に入らない形状のとき、あるいは大型犬でギロチン型が使えないときの選択肢と考えるとかみ合います。刃のサイズが爪に対して小さすぎると、切り残しや押しつぶしにつながります。体格に合わない爪切りは使い勝手が悪く、深爪や犬の余計なストレスにつながるとも指摘されています。
ギロチンタイプに小型犬・中型犬向けの一般的なサイズと大型犬の大きな爪に対応したサイズの2種類があること、体格に合わない爪切りは使い勝手が悪く深爪や余計なストレスにつながること、ニッパータイプは硬い爪では扱いづらいことがあることは、マイナビおすすめナビ(獣医師 増田国充氏監修)によります(2026年8月確認)。
黒い爪の子
黒い爪は外から血管が透けて見えないため、切りすぎの不安がいちばん大きいケースです。少しずつ切り進めて断面の中心の変化を見るのが基本で、血管が近づくと断面の中心の色が変わる、黒い芯のようなものが見えてくると案内されています。ライトを当てて確認する方法もあり、LEDライト付きの電動グラインダーは伸び具合を見ながら削れる点で扱いやすくなります。
黒い爪では血管の認識が難しいこと、ライトを当てる方法があること、細かく切って断面の中心の色の変化で判断すること(ペットニュースストレージ)、血管が近づくと断面に黒い芯のようなものが見えてくるので切るのを止めること(ペピイ)、LEDライト搭載モデルは伸び具合を確認しながら削れること(マイベスト)によります(2026年8月確認)。
シニア犬
シニア期は、関節の痛みや体勢の負担で長くじっとしていること自体がつらい場合があります。1回あたりの時間を短くできるよう、持ち替えの少ない道具、片手で扱える軽さ、握力の要らないものが向きます。また、運動量が減って自然に削れにくくなるぶん爪が伸びやすく、伸びた爪は床で滑る原因にもなります。短時間で終える前提の道具選びをおすすめします。
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爪切りが苦手な子
パチンという音や刃の気配が苦手な子には、切るのではなく削る電動グラインダーが選択肢になります。電動やすりは手動のパチンという音が苦手な犬に向くと紹介されており、静音設計のモデルもあります。作動音をデシベル(dB)値で明記している商品もあり、目安として作動音50dB程度なら聴覚的に「普通」と感じるレベルとされています。速度調節ができるモデルなら振動を弱くでき、はじめて使うときは驚かせないよう低速モードから始められます。ただし電動には固有の作動音と振動があり、そちらを怖がる子もいます。どちらが苦手なのかを見極めるのが先で、電動に切り替えれば必ず解決するわけではありません。
電動の爪やすりが手動のパチンという音を苦手とする犬に向くこと、静音設計のモデルがあることは、わんちゃんホンポ「犬の爪やすりは電動が良い理由は?」によります。電動やすりは音を怖がる犬もいるためスイッチを入れるところから練習が必要な場合があることは、ペットニュースストレージ(獣医師 成田有輝氏監修)によります。作動音が50dB程度なら聴覚的に「普通」と感じるレベルという目安、速度調節できるものなら振動を弱くでき、はじめて使う際は低速モードから始めるとよいという点はマイベストによります(いずれも2026年8月確認)。
深爪と止血剤の備え
どのタイプを選んでも、犬が動いた拍子に予定より深く入ってしまうことはあります。爪切りを始める前に止血剤を手元に置いておくと、慌てずに対応できます。粉末タイプの止血剤は血液と反応して傷口をふさぐ仕組みで、清潔な布やガーゼで軽く拭き、指先に少量取って患部に押し当てて使います。反応の際に一時的に熱を持ち、痛みを感じることがあるとされています。
注意
粉末タイプの止血剤が血液と反応して傷口をふさぐこと、清潔な布で拭いてから指先に少量取り押し当てる使い方、反応時に一時的に熱を持ち痛みを感じることがあること、爪以外や人への使用は避けること、深く切って出血が多い場合は動物病院を受診すべきことは、わんちゃんホンポ「犬の止血剤」によります(2026年8月確認)。
電動グラインダーを安全に使うために
削るタイプは事故が起きにくい反面、手動にはない固有の注意点があります。購入前に知っておくと、選ぶときの見るポイントも変わります。
グラインダーを使う前に押さえること
- 1本の爪に長く当て続けない。1〜2秒当てては離す(グラインド&リリース)を繰り返し、5秒以上連続で当てない。摩擦で熱を持つため
- 当てては離すたびに爪の断面を確認する。爪が温かくなってきたら、いったん離して他の爪に移る
- 長毛の子は足まわりの毛を回転部から遠ざける。毛を手で押さえるか、足裏や指の間の毛をあらかじめ整えておく
- カバー(ネイルガード)付きのモデルは、削り粉の飛散を抑え、毛や皮膚が回転部に触れにくい
- 初回は削らずスイッチを入れるだけを何度か行い、音と振動に慣らす
- 削ったあとは爪と本体についた粉を拭き取り、出血がないか確認する
- 低速モードから始め、その子の様子を見ながら段階的に調整する
注意
摩擦熱が生じるため削る時間を短く区切って休みを入れること、被毛を回転部から遠ざけること、ネイルガードが削り粉と毛の巻き込みを抑えること、削る前にスイッチを入れて音と振動に慣らすことは、Dremel公式の解説によります。1本の爪に1〜2秒以上当て続けず、1〜2秒当てては離す(grind-release)動作を繰り返すという使い方はWhole Dog Journalによります。1〜2秒ずつかけて都度爪の断面を確認する、5秒以上連続でかけるとケガの危険性が高まる、削り粉を拭き取って出血を確認するという手順は、わんちゃんホンポ「犬の爪やすりは電動が良い理由は?」によります(2026年8月確認)。
ヒント
タイプ別の商品例
以下は一般的なカテゴリ名での紹介で、特定製品の効果を保証するものではありません。価格・在庫・仕様は変わるため、購入前に必ず最新の商品ページでサイズや対応犬種、付属品を確認してください。
ギロチン型の犬用爪切り(定番タイプ)
広告輪に爪を通して切る定番タイプで、少ない力で切れるのが特徴です。切る深さの見当をつけるのに慣れが要るとされるため、先端から少しずつ進める使い方を覚えておくと安心です。小型犬・中型犬向けの一般的なサイズと大型犬の大きな爪に対応したサイズがあるので、体格に合うほうを選んでください。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
ニッパー型(ペンチ型)の爪切り(巻き爪・狼爪向け)
広告2枚の刃で挟んで切るタイプで、ギロチン型の輪に入らない巻き爪・狼爪や、大型犬でギロチン型が使えない場合に使われます。はさみの要領で切れて距離感をつかみやすい一方、ギロチン型より力が要り硬い爪では扱いづらいこともあるため、手の小さい方はグリップの形やバネの強さも見て選ぶと扱いやすくなります。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
電動の犬用爪やすり(グラインダー)
広告回転する研磨面で少しずつ削るタイプ。切る音が苦手な子や黒い爪の仕上げに向きます。作動音の小ささ、速度調節、ヘッドの穴のサイズ、カバーやLEDライトの有無が比較の目安になります。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
ペット用の粉末止血剤(爪切りとセットで常備)
広告深爪してしまったときに備える粉末タイプの止血剤です。爪の出血への使用が前提で、爪以外の部位や人には使いません。出血が止まらない場合や深く切ってしまった場合は動物病院へ相談してください。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
買う前に見直したいポイント
失敗しやすいところ
- 体格に対して刃が小さすぎる・大きすぎるものを選んでいる
- 硬い爪なのに、力の要るはさみ型やニッパー型で押し切ろうとしている(硬い爪はまず体格に合うギロチン型を検討)
- 電動に替えれば必ず嫌がらなくなると期待している(音と振動が苦手な子もいる)
- 止血剤を用意しないまま切り始めている
- 長毛なのに、足まわりの毛を整えずグラインダーを使おうとしている
- 1本の爪を一気に削りきろうとして、5秒以上連続で当て続けている
- 仕上げ用のやすりだけで、伸びきった長い爪を短くしようとしている
メモ
よくある質問
初めての1本は、どのタイプを選べばいいですか。
人間用の爪切りで代用できますか。
電動グラインダーだけで、伸びた爪を短くできますか。
グラインダーは犬の爪を傷めませんか。
黒い爪でも、どこで止めればいいかわかりますか。
止血剤は必ず用意すべきですか。
まとめ
犬の爪切り道具は、軽い力で切りたいなら(硬い爪も含め)体格に合うサイズのギロチン型、ギロチン型の輪に入らない巻き爪・狼爪や大型犬でギロチン型が使えない場合はニッパー型、子犬の小さい爪ならはさみ型、音が苦手な子や仕上げなら電動グラインダー、というのが大まかな住み分けです。万能の1本を探すより、その子のいちばんの苦手を1つ解消する道具を選ぶほうが、結果として爪切りが続きます。
グラインダーを選ぶ場合は、摩擦熱を避けるために1本あたり1〜2秒当てては離すこと(5秒以上連続で当てない)、長毛の子は被毛の巻き込みに備えること、いきなり削らず音と振動に慣らすことをセットで覚えておいてください。そして、どのタイプを選んでも止血剤を手元に置いてから始める。この準備があるだけで、飼い主の緊張はずいぶん軽くなります。
爪の切り方そのもの、頻度の目安、嫌がる子への具体的な慣らし方は姉妹記事でまとめています。この記事の内容は一般的な目安であり、診断や治療に代わるものではありません。爪の変形や根元の腫れ、強い痛みなど気になる様子があるときは、動物病院にご相談ください。
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出典・参考
- 犬用爪切りのおすすめ11選【ギロチン・ニッパーなど】頻度や使い方も紹介!(獣医師 増田国充監修)|マイナビおすすめナビ
- 【獣医師監修】愛犬の正しい爪切りの方法は?嫌がる場合のコツもご紹介(獣医師 成田有輝監修)|ペットニュースストレージ(ペット&ファミリー損保)
- 【動物看護師監修】犬の爪切りの方法と成功の秘訣(動物看護師 富永良子監修)|ペピイ PEPPY
- 犬の爪やすりは電動が良い理由は?おすすめの商品についても|わんちゃんホンポ
- 犬の止血剤 おすすめ商品3選!気になる副作用や代用品の紹介まで|わんちゃんホンポ
- 電動犬用爪切りのおすすめ人気ランキング【2026年】|マイベスト
- How to Avoid Failures While Cutting Your Dog's Nails|Dremel(公式)
- Grinders vs. Clippers - What's Best for your Dog's Nails?|Whole Dog Journal
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