犬の熱中症「警戒レベル」の見方|暑さ指数(WBGT)と週間予報を2026年の猛暑対策に活かす
対象の目安: 全ライフステージ

「今日は気温がそこまで高くないから、いつも通り散歩に出よう」。そう判断してしまうことはないでしょうか。実は熱中症の危険度をより正確に映すのは気温そのものではなく、湿度や日差しの強さまで加味した「暑さ指数(WBGT)」という指標です。さらに2026年からは、犬や猫向けに特化した「熱中症週間予報」という新しい情報源も登場しました。この記事では、暑さ指数や熱中症警戒アラートの数値が何を意味するのか、そして犬向けの週間予報をどう読んで散歩や外出の判断につなげればよいかを整理します。散歩の時間帯・路面のチェック、水分補給、室温管理といった具体的な対策は関連記事に譲り、ここでは「警戒レベルの読み方」そのものに絞ります。
「今日の気温」だけでは危険度がわからない理由
天気予報でよく見る「気温」は、あくまで空気の温度だけを示す数値です。しかし実際に体が受ける暑さの負担は、湿度が高いほど汗(犬の場合はあえぎ呼吸)による放熱がしにくくなり、直射日光や照り返しが強いほど大きくなります。同じ気温でも、湿度やアスファルトの照り返しの有無によって、体感的な危険度はまったく違うものになります。
暑さ指数(WBGT、Wet Bulb Globe Temperature)は、この「気温・湿度・輻射熱(日射や地面からの照り返し)」の3要素を取り入れて算出される指標です。環境省の熱中症予防情報サイトで、全国の実況値と予測値が公開されています。
暑さ指数(WBGT)の定義と算出要素は、環境省熱中症予防情報サイトの解説を参照しました。
暑さ指数(WBGT)の5段階を知る
環境省は暑さ指数を5段階に区分し、それぞれの目安となる行動を示しています。もともとは人向けの基準ですが、犬にとっての危険度を考えるうえでも土台になります。
| 区分 | 暑さ指数(WBGT) | 目安となる行動(人向け) |
|---|---|---|
| ほぼ安全 | 21未満 | 適宜、水分補給を |
| 注意 | 21以上25未満 | 積極的に水分補給を |
| 警戒 | 25以上28未満 | 積極的に休息を |
| 厳重警戒 | 28以上31未満 | 激しい運動は中止 |
| 危険 | 31以上 | 運動は原則中止 |
犬は被毛に覆われて汗をほとんどかけないうえ、人より地面に近い位置を歩くため、アスファルトからの照り返し(輻射熱)を強く受けやすいと考えられています。同じWBGTの数値でも、犬にとっては人よりも一段階厳しい状態だと考え、「警戒」の時点で散歩の短縮や中止を検討するくらいの意識が安心です。
メモ
WBGTの5段階区分と行動の目安、熱中症警戒アラート・特別警戒アラートの発表基準および2026年度(令和8年度)の運用期間(4月22日〜10月21日)は、環境省熱中症予防情報サイトおよび環境省プレスリリース「令和8年度熱中症特別警戒アラート及び熱中症警戒アラートの運用を開始します」を参照しました。
総務省消防庁も、熱中症による救急搬送人員数を週ごとに集計し、専用サイトで公表しています。たとえば2026年(令和8年)7月6日〜12日の週は、全国の熱中症による救急搬送人員が4,580人にのぼりました。人の搬送数が急増する週は、犬にとっても外出やお出かけを見直す一つの目安になります。
2026年(令和8年)7月6日〜12日の週の熱中症による救急搬送人員数(4,580人)は、総務省消防庁「熱中症情報」サイトの週次速報値を参照しました。
犬猫向けの「熱中症週間予報」とは
2026年4月23日から、アニコム損害保険が株式会社ライフビジネスウェザーと共同で開発した独自指標をもとに、犬と猫向けの「熱中症週間予報」の配信を始めました。全国主要10都市を対象に、1週間分の気象予報から熱中症リスクを「やや注意」「注意」「警戒」「厳重警戒」の4段階で示すサービスで、Instagram・X・Facebookで毎週木曜日に配信され、配信期間は10月1日までを予定しているとのことです。
この予報の特徴は、犬と猫それぞれの体高や代謝を考慮した指標を使っている点です。地面に近い犬は照り返しの影響を強く受けやすいとされ、人向けの気温予報や暑さ指数だけを見るより、こうしたペット向けの指標のほうが実際のリスクに近い判断材料になり得ます。
ヒント
犬猫向け「熱中症週間予報」の配信開始日、対象地域、指標の区分(4段階)、配信媒体・期間は、アニコム損害保険のニュースリリース(2026年4月24日付)を参照しました。
警戒レベルを、散歩や外出の判断にどうつなげるか
数値や警戒レベルを知るだけでなく、日々の行動にどう落とし込むかが大切です。次のような流れで確認する習慣をつけると、判断がぶれにくくなります。
お出かけ前の警戒レベルチェック
- 環境省サイトまたは天気アプリで、その日・その時間帯の暑さ指数(WBGT)の実況値を確認する
- 週の初めに犬猫向けの熱中症週間予報やペットの天気予報をチェックし、その週の傾向をつかんでおく
- 「警戒」以上の日は、散歩の時間帯を早朝・夜間にずらす、距離を短くするなど計画を早めに調整する
- 短頭種・肥満・シニア・持病のある子は、人向けの基準よりワンランク厳しめに判断する
- 当日の実際の路面温度や日差し、愛犬の呼吸・元気の様子を最終的な判断材料にする
注意
散歩に出る時間帯の選び方や路面のチェック方法、水分補給の工夫、留守番中の室温管理といった具体的な対策は、それぞれ関連記事でくわしく紹介しています。警戒レベルが高い週だと分かったら、あわせて確認しておくと安心です。
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よくある質問
暑さ指数(WBGT)と気温は何が違うのですか。
犬猫向けの熱中症週間予報は、どこで見られますか。
人向けの熱中症警戒アラートが出ていない日でも、犬の散歩は注意が必要ですか。
暑さ指数や週間予報の数値だけを信じて、散歩の可否を機械的に決めてよいですか。
まとめ
熱中症のリスクを判断するうえで、気温だけを見るのでは不十分です。湿度や輻射熱まで加味した暑さ指数(WBGT)や、環境省の熱中症警戒アラート・特別警戒アラートの仕組みを知っておくと、その日の危険度をより正確につかめます。加えて2026年からは、犬猫の体高や代謝を踏まえた「熱中症週間予報」という新しい情報源も加わりました。数値や警戒レベルは便利な目安ですが、最後に頼りになるのはその子自身の様子です。警戒レベルが上がる週は早めに散歩計画を見直し、具体的な対策は関連記事とあわせて実践してください。
出典・参考
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