ワンレッジ
健康・ケア

犬の歯磨き習慣の作り方|嫌がらせずに毎日のケアにするステップ

対象の目安: 全ライフステージ

ツムギ食事・健康担当
・ 約5分で読めます
犬の歯磨き習慣の作り方|嫌がらせずに毎日のケアにするステップ

犬の健康管理の中でも、後回しにされがちなのが歯磨きです。犬は虫歯こそ少ないものの、歯周病はとても多く、歯だけでなく全身の健康に関わると言われています。とはいえ、いきなり歯ブラシを口に入れればほとんどの子は嫌がります。この記事では、口元に触る練習から始めて、無理なく歯磨きを習慣にしていくステップを紹介します。

なぜ犬に歯磨きが必要なのか

犬の口の中では、食べかすなどをもとに歯垢がつき、時間がたつと歯石になります。歯石になってしまうと歯磨きでは落とせず、歯周病の温床になります。歯周病が進むと、口臭や歯ぐきの炎症だけでなく、歯が抜けたり、あごの骨にまで影響が及んだりすることがあります。

歯垢が歯石に変わる前に落とすことが家庭でのケアの目的で、その中心になるのが歯磨きです。デンタルガムやおもちゃは補助にはなりますが、歯ブラシによるケアの代わりにはなりにくいと考えておきましょう。

犬の歯周病の多さやデンタルケアの重要性は、日本小動物歯科研究会などの獣医療分野の団体が普及啓発を行っています。ケアの方法に迷ったら、かかりつけの動物病院で相談してください。

歯磨きデビューまでの4ステップ

歯磨きを受け入れてもらうコツは、一気に進めないことです。各ステップに数日〜数週間かけるつもりで、その子のペースに合わせましょう。

  1. 1

    口元に触られることに慣らす

    マズルや口のまわりをやさしく触り、触らせてくれたらおやつ。嫌がったらすぐやめて、翌日また少しだけ。
  2. 2

    唇をめくって歯に触る

    唇をそっとめくり、指で歯や歯ぐきに軽く触れる練習をします。数秒できたら褒めて終わりにします。
  3. 3

    ガーゼや歯磨きシートでこする

    指に巻いたガーゼで前歯から軽くこすります。慣れてきたら奥歯にも範囲を広げます。
  4. 4

    歯ブラシに移行する

    犬用の歯ブラシに犬用歯磨きペーストをつけ、前歯から短時間で。毛先を歯と歯ぐきの境目に当てるのがポイントです。

ヒント

「歯磨き=嫌なこと」にしないことが何より大切です。毎回、嫌がる前の「もう少しできそう」のところでやめて、直後にたっぷり褒めましょう。短く終わって成功体験を重ねるほうが、結局は早く進みます。

道具の選び方

道具特徴使いどころ
歯磨きシート・ガーゼ指に巻いて使う。感触に慣らしやすい練習の入り口に
犬用歯ブラシヘッドが小さく毛がやわらかい本命。歯周ポケットのケアに
犬用歯磨きペースト犬が好む風味付き。すすぎ不要歯磨きを好きになってもらう助けに
デンタルガム・おもちゃ噛むことで歯垢の付着を減らす補助歯磨きの補助として

人間用の歯磨き粉は、犬に有害な成分(キシリトールなど)を含むことがあるため使わないでください。必ず犬用の製品を選びましょう。

嫌がるときの工夫

押さえつけてでもやるべきなのか、嫌がるならやめるべきなのか分からなくなってしまった…という相談はよくあります。
歯磨きに挫折しかけている飼い主

押さえつけて磨くのは、歯磨き嫌いを決定的にしてしまいがちです。うまくいかないときは、次の工夫を試してみてください。

  • ステップを一段階戻して、できるところからやり直す
  • 磨く範囲を欲張らない。今日は右の前歯だけ、のように分割する
  • 遊びや散歩のあとなど、落ち着いているタイミングを選ぶ
  • 家族の中で、いちばん犬が落ち着いていられる人が担当する

それでも難しい場合は、動物病院で磨き方の指導を受けるのも近道です。実際にプロの手つきを見ると、力加減や角度の感覚がつかみやすくなります。

受診の目安

家庭でのケアとあわせて、口の中の変化に気づけるようにしておきましょう。次のような様子があれば、歯磨きの練習は一度中断して、動物病院で相談してください。

  • 口臭が急に強くなった
  • 歯ぐきが赤く腫れている、出血している
  • 硬いものを食べたがらない、片側だけで噛む
  • 口のまわりを触られるのを急に嫌がるようになった

すでについてしまった歯石は、家庭の歯磨きでは取れません。歯石の除去や歯周病の治療は獣医師の領域なので、自己判断でスケーラーなどを使うのは避けましょう。

よくある質問

歯磨きはどのくらいの頻度でやればいいですか。
歯垢が歯石に変わる前に落とすという目的からは、毎日1回が理想とされます。ただし続かなければ意味がないので、まずは数日に1回からでも習慣にすることを優先しましょう。
何歳からでも始められますか。
始められます。子犬期から慣らすのが理想ですが、成犬やシニアからでも段階を踏めば受け入れてくれる子は多いです。時間をかけて進めましょう。
デンタルガムだけではだめですか。
ガムは噛むことで歯垢の付着を減らす補助にはなりますが、歯と歯ぐきの境目の汚れを狙って落とせる歯磨きの代わりにはなりにくいとされています。組み合わせて使うのがおすすめです。
歯磨きペーストは必ず必要ですか。
必須ではありませんが、犬が好む風味のペーストは歯磨きを受け入れてもらう助けになります。使う場合は必ず犬用を選んでください。
麻酔での歯石除去が心配です。
歯石除去の方法やリスクは、その子の年齢や健康状態によって判断が変わります。不安な点は遠慮なくかかりつけの獣医師に相談し、納得したうえで決めてください。

まとめ

歯磨き習慣づくりは、テクニックよりも「嫌な時間にしない」ことがすべてです。口元タッチから始めて、ガーゼ、歯ブラシへと段階を踏み、毎回短く、褒めて終わる。この積み重ねが、数年後のその子の口の健康を大きく左右します。今日の一歩は、口元にそっと触れて褒めることからで十分です。

あわせて読みたい

ドッグフードの選び方の基本|総合栄養食と一般食の違いから切り替え方まで

あわせて読みたい

シニア犬との暮らし方|7歳からの変化に寄り添うケアと住環境

この記事をシェア

関連する記事